ヒト集団における遺伝子損傷率のバイオモニタリングのための小核技術のより包括的アプリケーション:チェルノブイリ大惨事からの経験
タイトル:ヒト集団における遺伝子損傷率のバイオモニタリングのための小核技術のより包括的アプリケーション:チェルノブイリ大惨事からの経験
著者:フェネチM., ペレペツカヤG., ミハレヴィチL.
典拠:Environ Mol Mutagen、1997年、30、112-118頁。
DOI: 10.1002/(SICI)1098-2280(1997)30:2<112::AID-EM3>3.0.CO;2-P
キーワード:小核技術、リンパ球、細胞質分裂ブロック法、アポトーシス、継代効果。チェルノブイリ大惨事
概要:小核をスコアリングするための末梢血細胞における遺伝子損傷率の計測といった現行方法は、細胞質分裂ブロックされた二核培養したリンパ球においてそのエンドポイントを数え上げるものである。しかし、遺伝毒性物質または固有の遺伝的不安定性にいたる慢性曝露によって、小核はリンパ球や赤血球の成熟につながる前駆細胞系譜といった細胞集団の分割においてin vivo 継続的に表れる可能性があると考えられる。したがって、小核は、既に培養に先立って末梢血リンパ球で発現させることができる。こうした考えに立って、チェルノブイリの放射性核種によって汚染されたベラルーシの州に住む子どもたちの調査を行い、その赤血球、非分割リンパ球、培養細胞質分裂ブロックされた二核リンパ球における小核頻度を、非汚染地域に住む統制群のそれらと比較した。本論文で提示した予備データいよれば、血液塗抹標本中の赤血球または末梢血リンパ球、また単核および培養中の細胞質分裂ブロックされた二核リンパ球において、統制群と比べて曝露した子どもたちにおける小核発現は2‐4倍有意に増加(P<0.05)している。非分割の単核リンパ球における小核の測定は、in vivoでの分割の間に表れた染色体損傷を示した。二核培養細胞における小核は、ex-vivoで表れた小核を示し、組織培養に先立って細胞内に既に存在する小核を含みうる。これらの予備的データが示唆しているのは、損傷の異なるスペクトルおよびレベルは非分割の単核リンパ球、二核リンパ球、および赤血球において見られ、また、これらのアプローチの組み合わせによって、造血組織中における放射性核種または他の遺伝毒性物質への慢性曝露によって誘発された遺伝子損傷の程度のより包括的な評価が提供できるということである。 URL:http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/%28SICI%291098-2280%281997%2930:2%3C112::AID-EM3%3E3.0.CO;2-P/abstract;jsessionid=FD95AFCDA08A32206E545260A5FC08DF.f02t01
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