カテゴリー「生態・環境」
タイトル:チェルノブイリ由来のセシウム137のフォールアウト後の再分配における土壌浸食や河川径路の役割:中央ロシア、ラプキ集水域の事例研究著者:パニンA. V., ウォリングD. E., ゴロソフN. V.
典拠:地形学、40巻、3-4号、2001年10月、185-204頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/S0169-555X(01)00043-5
キーワード:チェルノブイリ、セシウム137、再分配、河川経路、土砂、土壌浸食、堆積
概要:ロシア平野の中央部は1986年のチェルノブイリ事故の結果、チェルノブイリ近郊の多くの地域における40kBq m-2を超えるインベントリと共に、かなりの量のセシウム137フォールアウトを被った。この汚染の長期的な行方に対する懸念から、放射性セシウムのフォールアウト後の再分配、さらに景観中の汚染の空間分布の将来的変化を予測する必要性に着目した。フォールアウトとして地表面に到達した放射性セシウムが迅速かつ強力に土壌や底質粒子に吸着されたため、フォールアウト後のそれらの再分配を予測しようとするいかなる試みも、浸食や堆積物が生じる過程に焦点を当て、関連する地形プロセスの知識に大きく依存する必要が生じた。本論では、中央ロシア高地のラプキ集水域2.18平方㎞におけるフォールアウト後のセシウム137の再分配の詳細な調査について報告するが、それには土壌侵食プロセス、堆積物輸送経路、堆積物輸送比、堆積物シンクについての考慮が必要とされる。チェルノブイリ事故後経過した時間は浸食された地域におけるチェセシウム137のインベントリを大幅に削減させるにはまだ不十分だが、下斜面、窪地側および底面の堆積エリアはすでにセシウム137のインベントリの大幅な増加を示している。得られた諸結果が示しているのは、ロシアの平野内におけるチェルノブイリ由来のセシウム137フォールアウトの長期的再分配に関する重要な予測を開発するためのいかなる試みも、斜面、窪地構造および窪地構造に入る堆積物の行方の関係に関する確かで詳細な理解に基づく必要があるということである。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0169555X01000435
タイトル:チェルノブイリ原子力発電所周辺立入禁止区域内の表層水における粒子状のチェルノブイリ由来放射性核種の特性
著者:松永武、上野隆、天野光、トカチェンコY., コヴァリョフA., 渡辺美紀、小沼義一
典拠:汚染水文学ジャーナル、35巻、1-3号、1998年12月15日、101-113頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/S0531-5131(01)00601-X
キーワード:チェルノブイリ、超ウラン元素、セシウム137、ストロンチウム90、地表水域、パーティショニング、分配率
概要:チェルノブイリ原子力発電所から6〜40kmの川や湖の水域におけるチェルノブイリ由来の放射性核種の分布を調査した。水域内の放射性核種(セシウム137、ストロンチウム90、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム同位体)の電流レベルと、それらの地表汚染との関係を提示した。水の放射性核種組成および地表汚染の調査によって、懸濁固形物(粒子状)の放射性核種は区域内の汚染された表土層の浸食から主に出現していることが明らかになった。微粒子と溶解形態間の見かけの分配比を既知の分配係数と比較した。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0169772298001193
タイトル:チェルノブイリ事故後に汚染されたベラルーシの集落におけるヨウ素129とヨウ素131の地上沈着密度の相関
著者:星正治、ステパネンコV. F., ガヴリリンY. I., ヴォルコフY. M., マカレンコヴァI. K., 高田純、シェフチュクV. E., スコルツォフV. G., ペチンD. V., ヤスコヴァE. K., コンドラショフA. E., イヴァンニコフA. I., エルマコヴァN. M., チュニヒンL. N.
典拠:国際学会シリーズ、1234巻、2002年5月、115-120頁。
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0531-5131(01)00601-X
キーワード:チェルノブイリ事故、ヨウ素129、ヨウ素131、甲状腺線量
概要:長寿命のヨウ素129は、チェルノブイリ事故後の短寿命のヨウ素131フォールアウトの証と考えられている。ヨウ素の堆積密度に関するデータは、ヨウ素131の地表堆積密度情報が明らかになっていない多くの汚染地域の住民の甲状腺線量の評価に役立つ可能性がある。
本パイロット研究の目的は、2000年に測定されたヨウ素129の地表堆積密度と1986年に測定されたヨウ素131びそれの相関関係を調査することである。
ヨウ素129の測定は、βとxの一致を使ったヨウ素の分離およびヨウ素129の崩壊の登録によって行った。ベラルーシの汚染された三州において(12集落における14地点)土壌サンプルを集め、ヨウ素129、セシウム137の地表堆積密度を測定した。12集落中10集落については、1986年の事故後の第一週目の間のヨウ素131とセシウム137の分光測定データが入手できた。
2000年のヨウ素129およびセシウム137の測定の結果はヨウ素131/セシウム137比の再構築に利用した。再構築されたヨウ素131/セシウム137比と1986年に直接測定によって得られたヨウ素131/セシウム137比の比較はよく一致した。相関係数は0.69、線形回帰係数は(±SD)は2.36(0.88±)であった。この調査によって、ヨウ素129地表堆積濃度のデータを、ヨウ素131の照射に起因する甲状腺吸収線量の推定を改善するためにさらに応用できる可能性が確認された。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S053151310100601X
タイトル:チェルノブイリ事故から16年後のフランス東部のセシウム137土壌堆積マップ
著者:ルノーP., プールセロットL., メーチヴィエJ.-M., モレロM.
典拠:全体環境科学、309巻、1-3号、2003年6月20日、257-264頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/S0048-9697(03)00049-4,
キーワード:チェルノブイリ、セシウム137、堆積マッピング、フランス
概要:フランス東部全体のセシウム137の沈着に関連するマップを制定するため、今日のセシウム137の表面活性と1986年5月の降雨との関係を調査した。本調査が行われたのは粘土質土壌がセシウムを効果的に閉じ込めていると考えられる下ローヌ渓谷地域である。この関係から推定された雨水/大気中放射能比に基づき、このタイプの粘土土壌において測定された今日の放射能が初期堆積の比較的典型的なものであることを明らかにした。得られたマップにおける連動する汚染地域は、チェルノブイリ放射性降下物の影響下にあるすべての国と同様、降雨の出現と関連づけられる。このマップは、放射能レベルおよび均質な放射能の広がり程度の双方の点において、フランスの隣接国で得られたマップと一致する。最後に、今日の土壌放射能の測定に基づくのみでは、東部地域全体にキャンペーンを広げても当初の放射性降下物に関する一貫したマップを作成することは不可能であることを示した。セシウム137の堆積および1986年5月の最初の週の降雨の関係を利用してのみ、フランス東部全体のチェルノブイリ放射性降下物を描写したマップを構築することができるのである。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969703000494
タイトル:チェルノブイリ事故後汚染された多様な樹種の年輪におけるセシウム137の分布
著者:ソウホヴァN. V., フェセンコS. V., クレインD., スピリドノフS. I., サンジャノヴァN. I., バボトP. M.
典拠:環境放射能ジャーナル、65巻、1号、2003年、19-28頁。
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0265-931X(02)00061-9
キーワード:チェルノブイリ、放射能、放射性核種、ヨーロッパシラカンバ、ヨーロッパアカマツ、放射性セシウム、年輪、径方向分布
概要:1986年チェルノブイリ事故後ロシア内の最汚染地域にある4つの実験サイトでヨーロッパシラカンバ、ヨーロッパアカマツの年輪におけるセシウム137の分布について調査した。さまざまな樹齢の樹木が多様な木の組成と土壌特性を持つ4つの森林サイトからサンプリングされた。データ分析によればセシウム137は樹木内できわめて可動性が高く、1986年の年輪が最も高い汚染地を示してはいなかった。マツとシラカンバのセシウム137の径方向分布のパターンの違いは、その放射線の組成の違いによって十分に説明できるものである。木材中のセシウム137放射分布は両種の2つの指数関数の和として解釈できる。関数のパラメータは、高さ、樹齢および種依存性である。シラカンバ木材におけるセシウム137の分布は、マツよりもサイトの特性および/もしくは木の年齢への依存性を明白に示している。取得データは木材中のセシウム137の内容評価にも利用できる。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X07000252
タイトル:チェルノブイリ事故後の北クロアチアの鯉における放射性セシウムの放射能濃度の長期調査
著者:フラニッチZ., マロヴィッチG.
典拠:環境放射能ジャーナル、94巻、2号、2007年5月、75-85頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/j.jenvrad.2007.01.001
キーワード:鯉、濃縮係数、セシウム137、セシウム134、チェルノブイリ事故、線量、魚の消費量
概要:チェルノブイリ事故後の北クロアチアの鯉における放射性セシウムの放射能濃度の長期調査に関する報告である。鯉における放射性セシウム濃度は指数関数的に減少し、セシウム137の生態学的実効半減期は1987年~2002年の間は約1年、1993年~2005年の間は5年と推定された。
観察された鯉におけるセシウム134:セシウム137活性比は他の環境試料で観察された比率と類似していた。
鯉の濃縮係数(湿重量)は128 ± 74 L kg −1と推定され、それは水中のK+濃度に基づくモデル予測と合理的に一致していた。
セシウム134とセシウム137で汚染された鯉の消費によってクロアチアの成人人口が被った推定年間実効線量は小さく、1987年~2005年の間のそれによる一人あたりの線量は0.5 ± 0.2 μSvと推定される。
クロアチアにおける淡水魚の消費量の少なさと鯉おける放射性セシウムの放射能濃度の低さにより、鯉の消費は、チェルノブイリ事故後のフォールアウトからヒトへの放射性セシウムの移行における重要な経路ではなかったといえる。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X07000252
タイトル:チェルノブイリ事故前後の放射性セシウムの分布と土壌粒径画分
著者: スペッツァーノP.
典拠:環境放射能ジャーナル、83巻、2号、2005年、117-127頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/j.jenvrad.2005.02.002
キーワード:チェルノブイリ・フォールアウト、武器のフォールアウト、土壌、放射性セシウム、粒度分布
概要:チェルノブイリ事故8年後にサンプリングされた土壌からふるい分けと堆積によって分離された粒径画分と放射性セシウムの関連を判定した。3つの粒群は63 μmであった。土壌試料中のセシウム137は細かい粒群に本質的に関連しており、一般的にバルクサンプルよりも3-5倍高い比活性を示した。
粘土サイズの画分中の134Cs/セシウム137の活性比はバルク土壌試料中の対応値に対して低かった。この結果が示しているのは、フォールアウト後数十年間土壌中にあった核兵器から発生したセシウム137と、8年間の堆積されていたチェルノブイリ事故によるセシウム137の間に、粒度分布においていくつかの違いが依然として存在するということである。こうした挙動は、土壌中の放射性セシウムの「高齢化」プロセスに関連している可能性がある。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X05000548
タイトル:チェルノブイリから5年後、南ウクライナのヒトの歯におけるストロンチウム90の濃度
著者:クレフY. D., ポリカルポフG. G., プリゴヂェイE. V., アシマコポウロスP. A.
典拠:全体環境科学、155巻、3号、1994年10月28日、215-219頁。
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/0048-9697(94)90500-2
キーワード:放射性ストロンチウム、チェルノブイリ事故、ヒトの歯
概要:1990~1991年南ウクライナで収集した約1000のヒトの歯におけるストロンチウム90濃度を測定した。歯はドナーの年齢と性別によって18のサンプルにグループ分けされた。測定されたストロンチウム90濃度のレベルは、1960年代半ばおよび1970年代半ばに測定されたものより10倍低かった。興味深いデータ特徴としては、25~45歳の男性集団において汚染レベルの3倍の高さが見られたことである。この異常に対する可能な説明としては、この年齢層にはチェルノブイリ事故直後に破壊された原子力発電所の周囲30Kmゾーン内のクリーンアップ作業に動員された男性がかなりの数含まれていることが挙げられる。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0048969794905002
タイトル:チェルノブイリ原発事故後遺症の最小限化に対するブリャンスク州の医学的・放射線生態学的・組織的対策の総合分析
著者: プローシン・アナトーリー・ドミトリエビッチ
典拠:2002年 論文レジュメ
doi:
キーワード: ブリャンスク州
概要:チェルノブイリ原発事故後にブリャンスク州で行われた医学的・放射線生態学的・組織的対策の総合的な分析を目的とした。
URL: http://www.dissercat.com/content/kompleksnyi-analiz-meditsinskikh-radiatsionno-ekologicheskikh-i-organizatsionnykh-meropriyat
タイトル:チェルノブイリ事故後期の、避難区域における未解決の放射能生態学的問題
著者:Yu.A.イヴァノフ、M.D.ボンダリコフ
所収雑誌名:雑誌“放射能生物学。放射能生態学” (ロシア語:РАДИАЦИОННАЯ БИОЛОГИЯ. РАДИОЭКОЛОГИЯ), 49(3), 2009: 302-310.
ISSN:0869-8031
DOI: 10.1134/S0869803109030060
キーワード:避難区域、復興
概要:避難区域を放射能生態学的観点から長期にわたって観察。避難区域におけるエコシステムの自動修正(復興)機能、および都市部(例:プリピャチ市)におけるエコシステムの放射能生態学的問題を観察。避難区域の辺境地における問題等の監視。
URL:http://elibrary.ru/item.asp?id=12450576