カテゴリー「生態・環境」
タイトル:チェルノブイリ地域における粗い燃料ホットパーティクルの再懸濁
著者:ワーゲンフェイルF., チーリッシュJ.
典拠:環境放射能ジャーナル、52巻、1号、2001年1月、5-16頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/S0265-931X(00)00081-3
キーワード:再懸濁、チェルノブイリ放射性降下物、ホットパーティクル、エアロゾルサンプラー、デジタルオートラジオグラフィー
概要:チェルノブイリ30Km立入禁止区域における再懸濁したエアロゾルの測定で、1粒子につき1-12Bqの範囲の放射能をもつ粗い燃料ホットパーティクルが見られた。そのパーティクルは、ひとつの実験中に幾何学的直径が3μm以上、6μm以上、そして9μm以上の三つの燃料粒子サンプルを同時に採取できる、新たに設計された回転アームの衝突体を用いてサンプリングされた。γ-分析後に測定された放射性核種の比率は、事故の際のチェルノブイリ原子力発電所の放射性核種組成および事故後の早い時期に土壌で測定されたホットパーティクルの理論計算とよく一致した。空中のホットパーティクルの粒子数濃度はデジタルオートラジオグラフィーによるものである。風による再懸濁として、1000立方メートル当たり2.6の粗いホットパーティクルの最大濃度と、農業活動中の1000立方メートル当たり36の粗いホットパーティクルを測定した。ひとつのホットパーティクルの幾何学的直径は6-12μmであると推計された。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X00000813
タイトル:チェルノブイリからの放射能のイングランドおよびウェールズにおける沈着の評価における気象レーダーの利用
著者:アプシモンH. M., シムスK. L., コリアーC. G.
典拠:大気環境(1967)、22巻、9号、1988年、1895-1900頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/0004-6981(88)90078-9
キーワード:湿性沈着、気象レーダー、チェルノブイリ、原子力事故、セシウム137
概要:チェルノブイリ事故からの放射性核種の沈着は沈殿物質の傍受パターンに大きく依存している。本稿では、イングランドとウェールズにおけるセシウム137の湿性沈着を算出するためのRAINPATCHモデルの利用について取り上げている。パフをベースとするこのモデルにより、気象レーダーによって測定された降水量データを空気中の物質の捕捉を決定するのに直接使用できるようになる。何時どこでに関する資料が集められた詳細な空間および時間分解能によって測定値とよく一致するようになっている。使用された全データが潜在的に一度に利用可能であり、このような方法は将来同様の放射性核種を放出する何らかの事故が起こった場合。リアルタイムで有効に適用することができる。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0004698188900789
Title: Transfer of radiocesium from uncultivated soils to grass after the Chernobyl accident
Author: Z. Pietrzak-Flis, P. Krajewski, G. Krajewska, N.R. Sunderland
Reference: Science of The Total Environment, Volume 141, Issues 1–3, 25 January 1994, Pages 147-153
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/0048-9697(94)90024-8
Keywords: Radiocesium; Grass; Soil; Transfer factor; Chernobyl
Abstract: Transfer of radiocesium from uncultivated peat, loam and two sandy soils to grass in northeastern Poland was evaluated. Samples of grass and soil were collected from the same area of about 100 m2 in the period from June 1988 to November 1991 twice a year. Grass was sampled from 1 m × 1 m squares by cutting to the plant base. Afterwards core samples of soil were taken from an area of 132.73 cm2. 134Cs, 137Cs and 40K were determined by gamma spectrometry. The average concentration of 137Cs (to 10 cm depth) in the studied areas was in the range from 22.8 ± 2.5 Bq kg−1 to 154.3 ± 13.7 Bq kg−1. The average concentration of this radionuclide in grass varied from 6.76 ± 0.99 Bq kg−1 dry weight (dry wt.) to 152.6 ± 37.4 Bq kg−1 dry wt and depended upon the type of soil. The transfer of radiocesium to grass in the studied soils decreased in the following order: Sand I > peat > Sand II > loam. The results indicated that apart from soil, other parameters also influenced the transfer of radiocesium to grass. It has been found that 134Cs from Chernobyl is more available to grass than 137Cs from nuclear weapon tests.
URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0048969794900248
タイトル:溶解形態でのチェルノブイリの長命放射性核種の地表土壌から河川水への移行能力
著者:天野光、松永武、長尾誠也、半澤有希子、渡辺美紀、上野隆、 小沼義一
典拠:有機地球化学、30巻、6号、1999年6月、437-442頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/S0146-6380(99)00028-5
キーワード:ストロンチウム90、セシウム137、超ウラン元素、スペシエーション、地表土壌、流出、溶解した有機材料、フルボ酸、限外ろ過、チェルノブイリ30キロゾーン
概要:水文流出は、表面環境に堆積した放射性核種が微粒子および溶解双方の形態で広く移行する主要なプロセスの一つである。本稿が焦点を当てるのは、溶解形態でのチェルノブイリの長命放射性核種の地表土壌から河川水への移行能力である。第一に、チェルノブイリ原子力発電所(NPP)周辺の立入禁止区域(30キロゾーン)内の川沿いの手付かずの地表土壌において、放射能汚染の特性を検証するために、放射性セシウム、ストロンチウムおよびPuやAmといった超ウラン同位体の濃度および分化を調査した。手付かずの土層における表面の最上部にはほとんどすべての放射能が存在していた。土壌中のストロンチウム90は水溶性および交換可能画分において最も高いと推定され、溶解した画分として河川水に容易に移行するものであった。Puの同位体およびAM241は遊離腐植酸および遊離フルボ酸画分の主要な放射性核種である。第二に、表面土壌から河川水への流出成分における溶解割合を推定するために、サハン川付近の地表土壌を雨水の類似物として蒸留水で抽出した。濾過の手順の後、抽出された水を、1万Da超および以下の分子量画分を分離する限外濾過法で処理した。それぞれの画分における放射能と腐植を含む有機材料の特性を測定した。溶解した有機画分のほとんどが1万Da以下に存在したという事実にも拘らず、ほとんどのPuとAmは1万Daを超える分子量画分に存在した。このことは、PuやAmといった超ウラン元素が河水の浸出液におけるフルボ酸のように移行性の高分子量物質と関連していることを意味している。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0146638099000285
タイトル:チェルノブイリ原子力発電所に隣接した土壌中のγ放射性核種の化学形態
著者:クリャストリンA. L., シチェグロフA. I., ティホミロフF. A.
典拠:全体環境科学、164巻、3号、1995年3月30日、177-184頁。
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/0048-9697(95)04464-C
キーワード:放射性核種、チェルノブイリ原子力発電所、セシウム、土壌
概要:砂を含む森林土壌、砂を含む泥炭土牧草地、砂を含むローム牧草地のサンプルが、チェルノブイリ原子力発電所(ChNPP)周辺30Kmゾーン内の異なる地点で採取された。サンプルは水と0.1 Nの酢酸アンモニウム溶液で抽出した。抽出物のγ放射性核種と安定した陽イオン含有量を測定した。0-10 cmの土壌層に存在する移行性放射性核種の全コンテンツは、放射性核種と土壌の種類にもよるが、この層の全放射性核種含有量の0.5〜5%を占めた。水溶性放射性核種は0-5 cmの層でのみ見られた。置換性の放射性核種としては、概して0-5cmおよび-5-10cmの層における放射性セシウムが挙げられる。有機ミネラル層中の置換性のセシウム137のコンテンツは安定した交換可能な陽イオンと有機物含有量の合計にほぼ反比例していた。森林植生が土壌から移行した放射性セシウムの大きな割合を占めている。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/004896979504464C
タイトル:耕作地内の土壌再分配評価のためのチェルノブイリ由来物の応用
著者:ゴロソフV.
典拠:土壌・耕作研究、69巻、1-2号、2003年2月、85-98頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/S0167-1987(02)00130-7
キーワード:チェルノブイリ、土壌再分配、浸食、メソッド
概要:1986年4-5月にヨーロッパの広大な地域がチェルノブイリ由来物で汚染された。本稿では、中央ロシア高地北部のチャソヴェンコフ・ヴェルフ集水域の1ヘクタールの耕地内における、その後の放射性降下物の再分配の詳細な調査について報告する。基準インベントリの調査に特に注意を払った。ランダムな空間的変動は平らな河間地域内の未耕作および耕作部分と同様であることがわかった。体系的な空間変動は簡単な除去を行った比較的短い(200m)地形のユニットに必ず伴うものではない。チェルノブイリの技術を使った調査フィールド内の土壌の再分配パターンの分析によって、土壌の損失/獲得の領域を識別することが可能であることが示された。チェルノブイリ事故からわずか12年しか経っていないため、このパターンはフィールド全体の土壌の再配分を反映していない。このメソッドに基づく正味の侵食速度は、調査フィールドで直接測定された土壌損失に匹敵する。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0167198702001307
タイトル:対流圏と下部成層圏における核兵器とチェルノブイリ・デブリ
著者:コヴナツカL., ヤオロウスキZ.
典拠:全体環境科学、144巻、1-3号、1994年4月29日、201-215頁。
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/0048-9697(94)90439-1
キーワード:放射性核種、対流圏、成層圏、核実験、チェルノブイリ放射性核種、ストロンチウム90、セシウム137、対流圏、成層圏、セシウム134、核実験
概要:高高度における航空機によるエアロゾルのサンプリングが、ポーランド上空15Km以下の4-7段階において実施された。1973-1991年で102のストロンチウム90、セシウム134およびセシウム137の垂直濃度プロファイルと、83のセリウム144の83のプロファイルが測定された。1980年のサブメガトン級の核実験の1年間後、セシウム137はほぼ完全に成層圏から削除されていた。チェルノブイリ・デブリは事故後3日目から1991年末まで成層圏で見られた。1986年5月においては、成層圏の高度におけるセシウム134とセシウム137の濃度は、地上レベルと3キロの間の約0.5%に達した。1987年から1991年の間に、下部成層圏におけるチェルノブイリ放射性セシウムの滞留時間は核実験によるデブリのそれとは異なり段階的に増加した。放射性セシウムの垂直濃度分布と長い滞留時間は、穏やかな気象経過がチェルノブイリ・デブリを事故後直ちにまた長時間に渡って下部成層圏に運んだことを示している。同様の静止性のプロセスが陸海の表面から高高度まで膨大な量の再懸濁した粒子状の有機物を運び込み、成層圏の化学的作用と関わっている可能性があると仮定される。
URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0048969794904391
タイトル:チェルノブイリ事故後のヨーロッパの大気中放射能の測定
著者:ラースF., グラツィアーニG., スタナスD., ジラルディF.
典拠:大気環境、パートA., 一般的トピック、24巻、4号、1990年、909-916頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/0960-1686(90)90293-V
キーワード:チェルノブイリ、空気中濃度、LRT、セシウム134/セシウム137
概要:チェルノブイリ原子力発電所事故による大気中の一連の放射能の包括的なヨーロッパ・データを提示する。放出開始後の最初の2週間における、ヨウ素131、セシウム134。セシウム137の微粒子レベル(85か所)および全ヨウ素131(10か所)レベルを出した。全てのデータはコンピュータのデータベースに収められている。ヨーロッパ上空におけるチェルノブイリ雲の初の通過は、一日の濃度を整合性を以て出すため、各場所における時間履歴を再平均化した後にマッピングされた。セシウム134/セシウム137比率が分析した結果、1239のサンプルから計算された「ヨーロッパ」の平均比率は0.55であった(標準偏差0.25)。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/096016869090293V
タイトル:スウェーデン北部におけるチェルノブイリ事故前後のトナカイとカワカマスの筋肉組織における放射性セシウム。スウェーデン環境試料バンクからの組織サンプルに基づく遡及的研究
著者:フォルベルクS., OdsjöT., オルソンM.
典拠:全体環境科学、115巻、3号、1992年4月30日、179-189頁。
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/0048-9697(92)90328-P
キーワード:放射性セシウム、トナカイ、カワカマス、チェルノブイリ、環境試料バンク
概要:1986年4月のチェルノブイリ事故後、放射性核種の著しい堆積がスウェーデンの東部、中央および北西部で地域的に発生した。局所的には、放射性セシウム降下物は大気中における核実験の残存物を数倍上回っていた。1960年代の終わりから、毎年異なる地域で収集された様々な植物や動物の種からの器官のサンプルがスウェーデン環境試料バンク(ESB)に保存されてきた。本研究では、ESBからのサンプルを放射能汚染の遡及的研究のために使用した。ESBに保存されていたトナカイとカワカマス(ノーザンパイク)の筋肉組織におけるセシウム134とセシウム137の放射能を測定した。トナカイはスウェーデン北部の3地域で、カワカマスはそのうちの1地域でサンプルが毎年採取されている。チェルノブイリ事故の前に収集された資料においては、新鮮重におけるセシウム137レベルはトナカイで57–180 Bq/kg、カワカマスで14–24 Bq/kgだった。これらのレベルは以前の核爆弾の実験と関連している。チェルノブイリ以前の期間(1971~1986年)にはカワカマスにおいて有意な減少が現れた。チェルノブイリ後のサンプルにおけるセシウム137の負荷は、最北地域における元のレベルに等しい量から最南端地域における最大で80倍高い値にいたるまで様々だった。記録された最高値はトナカイにおける18,425Bq/kgだった。チェルノブイリ放射性降下物以降のトナカイの地理的変動は、1986年5月に行われた航空機調査で推定された堆積物のパターンと一致していた。1987年に捕獲されたカワカマスにおける「新しい」および「古い」放射性セシウム負荷の比率は、湖の堆積エリアに放牧されたトナカイにおける対応比率(それぞれ33および19)に近づいた。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/004896979290328P
タイトル:チェルノブイリ事故の影響を受けた農村部:放射線被曝と修復戦略
著者:ヤコブP., フェセンコS., ボグデヴィチI., カシュパロフV., サンジャノヴァN., グレベンシコヴァN., イサモフN., ラザレフN., パノフA., ウラノフスキーA., ジュチェンコY., ジュルバM.
典拠:全体環境科学、408巻、1号、2009年12月15日、14-25頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/j.scitotenv.2009.09.006
キーワード:セシウム、チェルノブイリ、電離放射線、リハビリテーション、修復
概要:本研究の主要目的は、チェルノブイリ事故の影響をいまだ受けている農村部における最適化された改善戦略を導き出すための国際的合意を得た方法論を開発することと、ベラルーシ、ロシアおよびウクライナの被災3カ国における放射線状況の概要を描き出すことである。研究対象集落の定義は、2004年時点で住民が1万人未満で公式線量推定値が1mSvを超えていることとされた。人口、現在の農業活動、土壌や食品の汚染および以前適用された是正措置のデータが、そうした541研究対象集落ごとに収集された。内部放射線による年間実効線量の計算が、全身カウンタ測定に関する広範なデータセットと共に検証された。2004年の計算によると、290の研究対象集落で有効線量が1mSvを超え、これらの集落での集団線量は約66人·シーベルトに達した。以下の6つの是正措置が検討された。すなわち、草原の根本的改善、牛へのヘキサシアノ鉄酸の適用、屠殺前の豚への汚染されていない飼料の供給、ジャガイモ畑へのミネラル肥料の施肥、汚染された森林の産物に関する情報キャンペーン、人口密集地域における未汚染土壌による汚染土壌の入れ替え、である。
URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S004896970900850X