カテゴリー「生態・環境」
タイトル:大気汚染環境における遺伝毒性の検出のための高等植物のアッセイ
著者:グラントW. F.
典拠:生態系の健康、第4巻、第4号、210-229頁、1998年12月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1046/j.1526-0992.1998.98097.x
キーワード:遺伝毒性、大気汚染
概要:そもそもの初めから汚染は人間の活動によって生まれてきた。しかし、強力かつ重度の様々な種類の汚染が出現したのは過去数十年間のみのことで、複雑な様相を示している。我々の健康や生態系は大気中に入り込んた環境化学物質の影響を深刻に受けているということが徐々に認識されている。植物は我々の生物圏の大部分を覆っており、食物連鎖で重要なリンクを構成している。この観点に立脚し、屋内および屋外双方で見つかった変異原性化学物質の種類が与えられ、環境変異をスクリーニングしモニタリングするためのいくつかの高等植物バイオアッセイについて議論されている。大気汚染のモニタリングおよびテストに理想的な植物はムラサキツユクサ属である。この種はチェルノブイリ原発事故後の放射性同位元素に汚染された大気の変異原性のテストや原子力発電所の周りのモニタリングで使用されてきた。植物バイオアッセイの最大の貢献の一つは、周囲の空気のモニタリングと遺伝毒性に関する試験で世界規模で継続的に使用できる点にある。
URL:http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1046/j.1526-0992.1998.98097.x/abstract
タイトル:黒海における近年の堆積:放射性核種の分布と硫黄同位体から得た新たな洞察
著者:ユジェルM., ムーアW. S., バトラーI. B., ボイスA., ルターG. W.
典拠:深海研究第I部、海洋研究論文、66巻、103‐113頁、2012年8月。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/j.dsr.2012.04.007
キーワード:黒海、土砂、質量蓄積速度、黄鉄鉱、硫黄同位体
概要:►黒海深層における質量蓄積率(MAR)は61~76gm−2yr−1であった。►これらの値は前世紀におけるMARの増加を示している。►タービダイトを伴うコアにおいて、我々はMARを算出するのにチェルノブイリ由来のセシウム137を使用した。►タービダイトの影響を受けたコアでは、MARは5230gm−2yr−1の高さにまで至った。►急速な堆積も黄鉄鉱硫黄同位体比に反映されていた。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S096706371200088X
タイトル:グリーンランドの環境における放射性汚染物質のレベルと傾向
著者:ヘニングD., マットE., スヴェンP. N., ハンスP. J.
典拠:全体環境科学、331巻、1-3号、53-67頁、2004年9月。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/j.scitotenv.2004.03.023
キーワード:セシウム137、ストロンチウム90、テクネチウム99、プルトニウム239-240、ポロニウム210、グリーンランド環境放射能
概要:グリーンランドの諸環境中の放射性汚染物質のレベルが1999-2001年の間に評価された。地上波および淡水環境におけるセシウム137、ストロンチウム90とプルトニウム239,240の発生源は主にグローバルフォールアウトだった。その他にセシウム137についてはチェルノブイリ事故が多少関わっていた。トナカイと子羊に地上環境で観測された最大のセシウム137濃度が含まれており、生体重当たり最高80Bq kg −1がトナカイにおいて観測された。特別な環境条件により、セシウム137はグリーンランド南部では極めて高い効率で淡水に生息するホッキョクイワナに転送されており、最大生体重当たり100Bq kg−1の濃度に至った。これらのケースでは非常に長い生物学的半減期が見られた。海水中および海洋生物相中におけるテクネチウム99、セシウム137およびストロンチウム90の濃度は、グリーンランド北東およびグリーンランド東部沿岸の水流>グリーンランド南西>グリーンランド中西部およびグリーンランド北西>イルミンガー海流〜フェロー諸島の順番で減少した。ヨーロッパ沿岸における排出と以前の北極海汚染が一般的な大規模な海洋循環が結びついたことによって、それは発生した。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969704002025
タイトル:アルファ分析およびAMS使用による環境試料における異なる発生源からのプルトニウムの測定
著者:ビジンガーT., ヒプラーS., ミシェルR., ワッカーL., シナルH.-A.
典拠:原子力機器&物理研究方法、セクションB(資料および原子とビームの相互作用)、268巻、7-8号、1269-72頁、2010年4月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.nimb.2009.10.150
キーワード:プルトニウム、チェルノブイリ、放射性降下物、AMS、アルファ分析
概要:アルファ分析および加速器質量分析(AMS)の併用による環境試料におけるプルトニウムの測定のための信頼性ならびに感度の高い方法を提示した。チェルノブイリ事故やその他の発生源からのプルトニウムによって汚染されたさまざまな環境試料を双方の方法で調査した。プルトニウムは化学的抽出クロマトグラフィーを用いて分離した。化学収率トレーサーとして、242PuをAMSおよびアルファ分析の両方に適用した。アルファ分光測定後、サンプルをAMS測定に適切な標的に変換した。AMSはアルファ分析に加えて特に選択された。なぜなら240Pu/239Puの同位体比を測定するほかに、ベータ放出核種241Puを検出することができるためである。一般的に用いられる238Pu/239,240Puの放射能比の他に、この方法を用いて得られる今後さらなる任意の同位体比がある。アルファ分析とAMSを組み合わせることによって、関連するすべてのプルトニウム同位体を測定することができる。これにより、環境中のプルトニウムの異なる発生源を信頼性をもって区別することが可能となる。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168583X09011999
タイトル:マイクロ波ベースのサンプル調製法を通じた加速器質量分析法による地衣類における129Iの分析
著者:ゴメズ・グズマンJ. M., ロペス・グティエレスJ. M., ピントA. R., ホルムM. E., ガルシア・レオンM.
典拠:原子力機器部門&物理研究方法、セクションB(資料および原子とビーム相互作用)、268巻、7-8号、1171-4頁、2010年4月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.nimb.2009.10.126
キーワード:ヨウ素129、地衣類、再処理工場、フォールアウト、チェルノブイリ、AMS
概要:環境内の129Iの存在は20世紀半ばの核時代当初からの人工的な核の排出の影響による。それぞれの源とそれぞれのゾーン内での相対的な影響力についての詳細を知るためには、環境試料中におけるこの放射性核種の測定値の量をまとめることが必要である。本研究では、スウェーデン中央部のローゲン湖の苔サンプル(Cladonia alpestris)内における129Iを測定した。マイクロ波分解に基づく方法が、速度を改善し汚染を低減するために、この測定のために開発された。この方法に基づき、ローゲン湖(スウェーデン)の地衣類サンプルにおける129I濃度が測定され、チェルノブイリ原発事故や核燃料再処理施設の影響が示された。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168583X09011756
タイトル:環境のためのエネルギーの課題を満たす:安全性の役割
著者:マムパエイL.
典拠:原子力エンジニアリング&デザイン、236巻、14-16号、1460-1463頁、2006年8月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.nucengdes.2006.02.017
キーワード:安全性
概要:環境を保護する一方で、原子力エネルギーは空腹の世界の需要を満たす圧倒的な可能性を秘めている。しかし、原子力発電所が安全であり、世界中が絶対的な安全の中にあることを公衆が確信できた時こそ、原子力エネルギー・ルネッサンスは実現するのである。一方、世界の発電所の全体的な安全性は、チェルノブイリ・ショック後着実に改善されてきたが、残念ながらプラント全体の可用性はここ数年で頭打ち状態である。その主な理由は原子力の安全性の問題に対する自己満足にあり、それは原子力産業における新たな経営者の出現と関連している。彼らは往々にして原子力に関していかなるバックグラウンドも持っておらず、原子力施設の極めて特殊で、非常にデリケートな安全性の必要性を全く認識しないままに、他の産業プラントを経営するのと同じ方法で原子力プラントを動かしているのである。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0029549306003219
タイトル:ペタクアムスカット川流域の堆積物による高解像度の歴史的記録:1。210Pbと年層年代学で立証されたチェルノブイリ事故によって放出された137Csの記録
著者:リマA. L., ヒュベニJ. B., レディC. M., キングJ. W., ヒューエンK. A., エグリントンT. I.
典拠:Geochimica et Cosmochimica Acta、69巻、7号、1803-1812頁、2005年4月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.gca.2004.10.009.
キーワード:ペタクアムスカット川、210Pb、137Cs、堆積物
概要:1986年チェルノブイリの原子炉爆発によって出たセシウム137はロードアイランド州南部の沿岸環境の無酸素堆積物中に保存された。米国の数か所の表面エアサンプラーで放射性プルームは検出されたが、北米の堆積物中において最初に知られたチェルノブイリの137Cs最大値ピークである。ペタクアムスカット川で保存されたチェルノブイリの137Csのインベントリは欧州のそれと比較して小さく、今後15〜20年の間のみ検出可能とされる。しかし、2つのの137Cs最大値の存在(1963年および1987年)によって、地上波や水生有機物の分解と保存を理解するのに利用できる可能性がある堆積物柱の年代を経たセグメントが同定される。210Pbの年代を計算するための様々な方法もまた本研究において評価され、独立した年代カウントに対してチェックした。最終結果として、環境変化の歴史的記録の再構築に適したサイトの詳細な年表を掲げた。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0016703704007975
タイトル:MUD:都市環境および排水·下水処理システムにおける137Csの移行調査モデル
著者:ガレゴE.
典拠:環境放射能ジャーナル、85巻、2/3号、247-264頁、2005年10月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2004.10.017.
キーワード:テクネチウム99、チェルノブイリの放射性降下物、有機質土壌。下層植生の植物
概要:都市部構成における一般的差異に適応する柔軟性を伴った、排水システムおよび下水処理場を含む都市環境における137Csの移行のためのモデルが提示された。自然な進化、あるいは放射能が下水道を通るという直接的な影響を及ぼす強制除染双方におけるセシウム137のダイナミクスがシミュレートされている。モデルは、下水汚泥に集中している放射能、受信水路に処理あるいは未処理廃水と共に排出されている放射能を評価するものである。チェルノブイリ後に汚染されたスウェーデンの2つの地点で行われたテストでは、実験的な不確実性の範囲内でモデル予測と観測された結果との間に差が見られた。メインモデルパラメータの不確実性と感度分析は、一部のパラメータがモデルの結果に大きな影響を有する可能性を示している。さらに、モデルの不確実性はいくつかのパラメータによって駆動されいる。したがってこれらのパラメータについては、モデルの予測力を失うことなく簡略化するための追加研究が必要である。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X05002201
タイトル:テクネチウム選択性クロマトグラフィー樹脂を使用したチェルノブイリ原子炉チェルノブイリ土壌および植物サンプル中のテクネチウム99の分離とICP-MSによる核種の決定
著者:内田滋夫、田上恵子、ラームW、シュタイナーM、ヴィルトE.
典拠:応用放射線・アイソトープ、53巻、1-2号、69-73頁、2000年7月-8月。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/S0969-8043(00)00112-3
キーワード:テクネチウム99、チェルノブイリの放射性降下物、有機質土壌、下層植生の植物
概要:テクネチウム(Tc)は自然表層環境におけるTcの最も安定した形が高度に可溶性であるのTcO−4であると考えられいるため、土壌水系における高い移動度および植物のための高い生物学的利用能を有することで知られる。しかし、Tcの化学形態は環境条件によって変化する。したがって現実的な評価のためには、転写因子といった転送パラメータを自然条件下で取得する必要がある。しかし、実際のフィールドのグローバルフォールアウトを使用してこれらのパラメータを得ることは、低濃度のために困難である。本研究では、チェルノブイリ周辺30kmゾーン内の森林地帯で採集された表層土壌中および植物の葉試料の濃度を初めて計測した。土壌サンプルの場合、
燃焼装置におけるTcの揮発とトラッピング、抽出クロマトグラフィー樹脂とTcの精製、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)による測定といった、測定のための簡単かつ迅速な分析方法が用いられた。植物サンプルの場合、樹脂と組み合わせた湿式分解法が適用され、ICP-MSによって測定された。有機質土壌サンプルおよびイチゴ(エゾヘビイチゴ)の葉の濃度は、それぞれ乾燥重量で1.1–14.8 Bq kg −1、そして0.2–6.0 Bq kg −1であった。こうした結果は、Tcの土壌から植物転写因子はCsの場合と同様であることを示している。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0969804300001123
タイトル:フィンランドの二つの湖とその集水域におけるセシウム137の移動と動態
著者:サクセンR., イルスE.
典拠:全体環境科学、394巻、2/3号、349-360頁、2008年5月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.scitotenv.2008.01.048.
キーワード:セシウム137、チェルノブイリの放射性降下物、淡水魚、水生植物、湖の堆積物、キノコ
概要:セシウム137の長期挙動について、フィンランド南部で1986年のチェルノブイリの放射性降下物の影響を最も受けた地域にある2つの淡水生態系において調査した。サンプルとしては、湖や土壌から水、底質、水生植物や魚を、集水地域からはキノコ、種子植物を採取した。魚に含まれるセシウム137の放射能濃度は比較的高いレベルで残っており、我々が調査したその他の湖と比べ、これらの二つの湖においてははるかにゆっくりと減少していることが分かった。魚において継続的に濃度が高い理由の一つが、これらの湖水に比較的高いレベルのセシウムが長期滞在しているためであることは明らかであり、それは沈降速度の遅さと関連がある。湖の水路の特性、つまり、水中におけるカリウムの欠乏と低pHに関連した貧栄養的特徴が、魚に含まれるセシウム137の効率的な取り込みと長い滞留時間のその他の理由である。魚におけるカドミウムの取り込みおよび遅滞に対する腐植物質の影響については本研究で明らかにすることはできなかった。シイカランタ湖の水のより貧栄養的状態と低pHと関わる集水域の湿地土壌タイプは、研究対象となった二つの湖の放射能濃度の違いとセシウム137の転送について少なくとも部分的に説明するものである。これは、湖の集水域からのより高い転送や、魚およびVehkajärvi湖よりもシイカランタ湖内の他の生物相によるセシウム137のより高い取り込みを示している。パーチとパイクは水生植物における最高の指標以上により効率的なセシウムのアキュムレータである。陸生環境においては、キノコにおいてセシウムが最も効率的に蓄積していた。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969708000971