ヘッダー画像

カテゴリー「生態・環境」

ザグレブ(クロアチア)の空気中の放射性物質の長期的調査

タイトル:ザグレブ(クロアチア)の空気中の放射性物質の長期的調査

著者:Z. フラニッチ、G. マロヴィッチ、J. センカー

典拠:大気研究、89巻、4号、391-5頁、2008年9月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.atmosres.2008.03.005

キーワード:放射能、セシウム137、ベリリウム7、チェルノブイリ事故、実効線量

概要:クロアチアのザグレブ市における、天然に存在する放射性核種、核兵器によって生産される放射性核種、原子炉から放出される放射性核種の分布と動態に関する研究が、1960年代初頭からクロアチアにおいて、人間環境の放射能汚染のための監視プログラムの一環として行われてきた。本論文では、チェルノブイリ事故後のザグレブ市における人工のセシウム137と自然発生のベリリウム7の長期調査について取り上げられている。チェルノブイリ原発事故によって、1986年のみセシウム137の放射能濃度の大幅な増加が起こったが、それはその後数年の内に迅速にチェルノブイリ以前の値に減少した。1987年1月から1990年12月までのポスト·チェルノブイリの期間中観察されたセシウム137の空気中の平均滞留時間は1.0年と推定された。この期間中観察された放射性降下物中のセシウム137の平均滞留時間は0.9年と推定された。1987年から2004年までの空気中のベリリウム7の平均放射能濃度は、(5.4±2.8) × 10− 3 Bq m− 3であった。測定されたベリリウム7の放射能濃度は、通常7月に最高値が測定されるという季節的動向を示した。

URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0169809508000689

子宮内あるいは誕生後の慢性被ばくの後、精巣ステロイドはチェルノブイリ放射性降下物のセシウム137によって変わらない。

タイトル:子宮内あるいは誕生後の慢性被ばくの後、精巣ステロイドはチェルノブイリ放射性降下物のセシウム137によって変わらない。

著者:E. グリニャール、Y. グエグエン、S. グリソン、I. ダブリノー、P. ゴーメロン、M.  スイディ

典拠:生物学レンダリング報告、333巻、5号、416‐423頁(8頁)、2010年5月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.crvi.2010.02.003.

キーワード:精巣 – 生理学、セシウム – 同位体、ステロイドホルモン – 合成、チェルノブイリ原発事故、チェルノブイリ、ウクライナ、1986年、遺伝子発現、汚染(技術)、実験動物としてのラット

概要:精巣は放射性核種を含む汚染物質に特に敏感である。チェルノブイリ原発事故後、その放射性核種のいくつかが放出され環境内に広がった。その後、子どもたちは内分泌系の不具合を訴えた。それらの不具合がセシウム137に被ばくしたためかどうかを判定するために、子宮内または誕生後のラットの精巣ステロイド上に対する低用量のセシウム137を含む慢性汚染の影響を検討した。汚染は9か月間続いた。子宮内もしくは誕生後の汚染後、ホルモン(17βエストラジオール、テストステロン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン)の循環レベルにおいてはいかなる変化も観察されなかった。精巣ステロイド合成に関与するいくつかの遺伝子の発現が影響を受けた(cyp19a1, fxr, sf-1)が、タンパク質の発現または活性の変化は無かった。成長中の生物は、この事故後の放射能でセシウム137汚染によって分子レベルで影響を受ける可能性がある。

URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1631069110000466

ウクライナのチェルノブイリの環境に生息するハタネズミ、ヨーロッパヤチネズミの集団におけるミトコンドリアDNA制御領域のハプロタイプのばらつき

タイトル:ウクライナのチェルノブイリの環境に生息するハタネズミ、ヨーロッパヤチネズミの集団におけるミトコンドリアDNA制御領域のハプロタイプのばらつき

著者:J. K. ウィクリフ、Y. V. ドゥニナ-バルコフスカヤ、S. P. ガスチャク、B. E. ロジャース、R. K. チェッサー、K. ロナルド、M. ボンダルコフ、R. J. ベイカー

環境毒性学&化学、25巻、2号、23-23頁(1頁)、2006年2月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1897/05-327R.1

キーワード:チェルノブイリ、ハタネズミ、ミトコンドリア、 DNAの多様性、放射線

概要:ハタネズミ、ヨーロッパヤチネズミの標本は、ウクライナのチェルノブイリの放射性環境および非放射性サイトから、1997年以降毎年サンプリングされてきた。被ばくしたハタネズミは増加したミトコンドリアDNAのハプロタイプ(h)およびヌクレオチド多様度(ND)を示し、それは超可変制御領域において観察された(1997‐1999年)。増加した母系の突然変異率、ソース・シンク関係、もしくは両方が、この変化の仮説として提出された。追加年(2000年、2001年)のサンプルもこの経時的研究に組み込まれている。増加した突然変異率は増加したhと関連しているという仮説を検証するため、ウクライナ外部からの、あるいは他の種のハタネズミのハプロタイプにおいては観察されなかった新たな置換の系統発生状況におけるDNA配列について調べた。そのような新規な置換は原位置の突然変異事象から生じるかもしれず、放射性環境からのサンプルに大幅に限定した場合、これらの地域で増加した母系の突然変異率を裏付けている。この基準に合う唯一ユニークな置換は非汚染サイトで見られた。その他の全ての置換はハタネズミのハプロタイプおよび他の種において見られた。増加した母系の突然変異率は、ウクライナ北部で観察されたhおよびNDの傾向を説明する形では現れていない。生態学的ダイナミクスを調べる研究は、汚染地域におけるhのレベルの増加の理由と意義を明確にするであろう。

URL: http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1897/05-327R.1/abstract

 

環境(北極と南極​​を含む)中の放射能:2005年10月2‐6日フランス、ニースにおける国際会議より

タイトル:環境(北極と南極​​を含む)中の放射能:2005年10月2‐6日フランス、ニースにおける国際会議より

著者:P. ストランド、J. ブラウン

典拠:環境放射能誌、96巻、1‐3号、1‐5頁、2007年7月‐9月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2007.01.014

キーワード:放射線モニタリング。放射能汚染、放射能測定、リスクマネジメント、北極領域、南極領域、放射生態学、環境放射能、生態系、経験的データ、モデリングツール、チェルノブイリ事故、自然発生の放射性物質の技術的増強、TENORM、環境保護、放射能測定、放射能のモニタリング、リスクアセスメント、リスクマネジメント

概要:経験的データの分析とモデリングツールの使用を通しての、生態系における放射性核種の挙動理解および人と環境の放射線被ばく後の影響の研究は、放射生態学科学の伝統的主流であった。1950年代後半から1960年代初頭に集中的な大気核実験が続いた後、環境における放射能によるグローバルな汚染と放射性核種の移送および破滅についての最初の洞察を科学者たちが提出した。それらの初期研究の間に、いくつかの放射性核種、特にセシウム137とストロンチウム90は、摂取によってヒト集団に放射能の潜在被ばくをもたらす陸生や水生食物連鎖を介して比較的容易に移送されることが明らかになった。

URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X0700063X

ロシアのイプチ川流域におけるチェルノブイリの放射性降下物のセシウム137のデータを用いたモデル検査

タイトル:ロシアのイプチ川流域におけるチェルノブイリの放射性降下物のセシウム137のデータを用いたモデル検査

著者:K. M. ティーセン、T. G. サジキナ、A. I. アポスタエイ、M. I. バロノフ、J. クロフォード、R. ドメル、S. V. フェセンコ、V. フィリストヴィチ、D. ガレリュ、T. ホンマ、B. カニャル、P. クラエウスキ、A. I. クリシェフ、I. I. クリシェフ、T. ネドヴェカイト、Z. ウルド·ダダ、N. I. サンジャロヴァ、S. ロビンソン、K. -L. ショブロム

典拠:環境放射能誌、84巻、2号、225‐44頁、2005年。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2004.10.016

キーワード:セシウム137、モデル検査、線量再構築、チェルノブイリ

概要:1986年のチェルノブイリ事故以後10年に渡って集められたデータによって、陸上および水生環境の汚染用のコンピュータモデルの信頼性をテストするユニークな機会が得られた。イプチ川のシナリオはBIOMASS (生物圏モデル化と評価手法)プログラムの線量再構築ワーキンググループによって使用された。テストエリアは事故後のロシアで最も高度に汚染された地域の一つで、セシウム137の平均的な汚染密度が80万Bq m−2 、局地的には150万Bq m−2まで上り、モデリング演習においてはテスト領域で実行したさまざまな防御対策を講じなければならなかった。運動中に遭遇した困難としては、テスト領域の不均一な汚染を考慮してのデータの平均化、土壌中のセシウム137の生物学的利用能における下降移行と変化のシミュレート、そして対抗策の有効性のモデル化が挙げられる。モデル予測の精度は、入力された情報の解釈、パラメータ値の選択、および不確実性の処理における参加者の経験および判断に、少なくとも部分的には依存している。

URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X05001499

スイス・アルプスにおけるセシウム137測定のための原位置測定の応用

タイトル:スイス・アルプスにおけるセシウム137測定のための原位置測定の応用

著者:M. シャウブ、N. コンズ、K.  ミュースバーガー、C エルウェル

典拠:環境放射能誌、101巻、5号、369‐76頁、2010年5月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2010.02.005

キーワード:NaI検出器、GeLi検出器、アルプス、原位置測定、フィールド適用

概要:セシウム137の保有量の確定は土壌の安定性に関する情報を得るためにしばしば利用されてきた。土壌の安定性は、生態系の安定性が密接に土壌のそれに関わるような山のシステムにおいては非常に重要である。険しい高山環境におけるセシウム137の原位置測定は不足している。ほとんどの研究は耕地でゲルマニウム(Ge)検出器を用いて行われてきた。ヨウ化ナトリウム(NaI)検出器システムは安価でフィールド機器を処理するのも容易であるが、険しい高山環境での有効性はまだテストされてない。本研究では、土壌のセシウム137のガンマ線のGeLi検出器を使った実験室測定とNaI検出器を使った原位置測定の比較を、高濃度のセシウム137を持つ高山流域において行った。

URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X10000354

(English) Regional-scale application of the decision support system MOIRA-PLUS: an example of assessment of the radiological impact of the Chernobyl accident on the fresh water ecosystem in Italy.

タイトル:意思決定支援システムMORA-PLUSの地域規模での利用:イタリアの淡水生態系に対するチェルノブイリ事故による放射線影響評価の一例

著者;L. モンテ

典拠:環境放射能誌、102巻、2号、73‐83頁(11頁)、2011年2月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2010.10.002

キーワード:意思決定支援システム、淡水環境、放射性核種の移行モデル、湖、川、MOIRA-PLUS

概要:►MOIRAPLUSは、淡水生態系における放射性セシウムと放射性ストロンチウムの挙動を評価すること、および高度なマルチ属性解析技術の適用によって、汚染水中環境の管理に適した戦略の適切性を評価することを目的としてコンピュータ化された意思決定支援システムである。►MOIRA-PLUS(4.1.2バージョン)によって、たとえば主水路と異なる支流といった、水システムの複雑なネットワークにおける放射性核種の挙動を評価するためのマイグレーションモデルをカスタマイズすることができる。►イタリアの18河川および10湖沼で行われたMOIRAPLUS測定モデルのテストと測定により、イタリア国内における淡水環境における実用化に向けてMOIRAをカスタマイズする機会が生まれた。►MOIRAPLUS環境モデルの測定によって、選択された水域で放射性セシウムの動態を予測するために重要ないくつかの移行パラメータの部位特異的な値(放射性核種沈降速度、集水域からの放射性核種伝達係数、深い堆積物に対する放射性核種埋没率)を評価することが可能となった。►結論:MOIRAPLUSは地域規模で複雑な淡水システムに合わせて簡単にカスタマイズすることができる。独立した実証研究から得られた情報とデータはモデルをテスト・測定するのに速やかに利用できる。MIRA-PLUSは、水生コンパートメントを通しての放射性核種フラックスおよび人間に対して放出された放射線量の迅速な評価に使用できる。

URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X10002250

環境保全の統合、新たな挑戦:放射生態学国際連合の戦略

タイトル:環境保全の統合、新たな挑戦:放射生態学国際連合の戦略

著者:F. ブレシニャック、R. アレクサヒン、J. M. ゴドイ、D. オートン、S. シェパード、P. ストランド

典拠:放射線防護、43巻、3号、339‐56頁、2008年7月‐9月。

デジタルオブジェクト識別子:dx.doi.org/10.1051/radiopro:2008026

キーワード:放射生態学、放射線防護、放射能、環境

概要:原子力技術の出現と共に50年代に生まれた放射生態学は、主に放射線防護に関わる環境問題に対処する科学分野である。現在世界中の約600の会員を擁する放射生態学国際連合(IUR)は、この分野の発展と促進を促す非政府組織として70年代に設立された。放射生態学において取られた科学的方針は、過去にチェルノブイリ事故から強い影響を受け、ヒトの放射線防護のニーズを購うための環境移動に焦点を当てるに至った。現在、地球温暖化と未来のエネルギー需要に直面するために環境問題および原子力産業に付き物のリブーストに対する社会の関心が上昇し、プレッシャーが強まる中で、さらなる生態学的影響の調査と研究が大きく進展している。IURはその進展において中心的な役割を果たしており、詳細については本論で4つの主要な行動(タスクグループ、ワークショップ、セミナーや会議、トレーニングコース、情報通信のためのウェブサイトツール)に即して述べられている。最後に、連合管理のための協議会の新委員会の最近の選挙と共に、今後数年に向けての新戦略プランの主要ラインについて触れられている。

URL:http://www.radioprotection.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=8804622&fulltextType=RA&fileId=S0033845108000264

フィンランドの環境試料中のプルトニウム240/プルトニウム239の質量比

タイトル:フィンランドの環境試料中のプルトニウム240/プルトニウム239の質量比

著者:S. サルミネン・パテロ、U. ニグレン、J. パテロ

典拠:環境放射能誌、113号、163‐170頁(8頁)、2012年11月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2012.06.005

キーワード:プルトニウム、チェルノブイリ、ICP-MS、抽出クロマトグラフィー、フィンランド

概要: ► フィンランドの環境試料のプルトニウム240/プルトニウム239の質量比を測定した。 ► サンプルは泥炭、地衣類、エアフィルター、草、ホットパーティクルである。 ► サンプルはICP-MS、続いて抽出クロマトグラフィーを用いて分析した。 ► プルトニウム240/プルトニウム239の比率は、以前に測定されたプルトニウム238/プルトニウム239+240の活性比と一致した。

URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X12001580

チェルノブイリ・ゾーンの赤い森の廃棄物置き場の実験ポリゴン内における放射性核種の移行ー第1部:廃棄物のトレンチの特性評価、燃料粒子の変換プロセス、生物起源フラックスと生物相への影響

タイトル:チェルノブイリ・ゾーンの赤い森の廃棄物置き場の実験ポリゴン内における放射性核種の移行ー第1部:廃棄物のトレンチの特性評価、燃料粒子の変換プロセス、生物起源フラックスと生物相への影響

著者:V. カシュパロフ、V. ヨシチェンコ、S. レフチュク、D. ブガイ、N. ヴァン メイア、C. シモヌチ、A. マーティン・ガリン

典拠:応用地球化学、27巻、7号、1348-1358頁(11頁)、2012年7月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.apgeochem.2011.11.004

キーワード:放射性同位元素、トレンチ、放射性廃棄物処分、原子力発電所、環境影響分析、浸出、放射性廃棄物、チェルノブイリ(ウクライナ)、ウクライナ、原子力電動発電、有害廃棄物の処理と処分

概要:►本論では浅い廃棄物処理場における放射性核種の分布と保有量について取り上げる。►廃棄物処理における放射性核種は三種類の燃料粒子と関連している。►各燃料粒子の溶解パラメータが得られた。►処理場の放射性核種の生体移行フラックスが測定された。►廃棄物処理用地におけるヨーロッパアカマツに対する放射線の影響が明らかにされた。

URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0883292711004495

▲ページの先頭へ戻る