カテゴリー「生態・環境」
タイトル:チェルノブイリ神話に対する免疫がない読者を守って
著者:M. I. バロノフ
典拠:放射線防護誌、32巻、2号、181-9頁、2012年6月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1088/0952-4746/32/2/181
キーワード:線量測定、健康と安全、原子力発電所、放射線モニタリング、放射線防護、パニック反応、放射線誘発健康影響、ベラルーシの科学者、ロシアの科学者、線量測定、放射線レベル分析、日本、福島第一原子力発電所、意思決定者、チェルノブイリ事故の神話、経験不足のリーダー、放射線防護
概要:チェルノブイリ事故の健康や環境への影響は、専門家、意思決定者および一般大衆の関心を引き続きており、そこには2011年の日本の福島第一原子力発電所における事故という類似の事故が追加された。放射線レベルや影響の専門家による分析は、国際機関UNSCEARおよびチェルノブイリ・フォーラムによって2003年から2005年のあいだ行われてきた。
URL: http://iopscience.iop.org/0952-4746/32/2/181
タイトル:環境への放射能放出事故後の汚染居住地域における意思決定をサポートする新しい動き
著者:K. G. アンデルソン、J. ブラウン、K. モーティマー、J. A. ジョーンズ、T. チャーノック、S. シンカー・ニールセン、J. C. カイザー、G. プロール、S. P. ニールセン
典拠:環境放射能誌、99巻、3号、439-454頁(16頁)、2008年3月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2007.08.013
キーワード:居住地域、汚染、意思決定支援、線量モデル、分散、対策、原発事故、最適化、意思決定者、回復
概要:原子力施設からの放出が広大な居住地域の深刻な汚染を導くことがチェルノブイリ事故によって実証された。欧州全般向けの新しい意思決定支援ハンドブックが、汚染された居住地域の管理から得た教訓に基づいて作成された。ハンドブックには特徴の比較を容易にする標準的なデータシート形式で59の対策についての詳細な説明が収められている。また、ICRPの勧告と一致する枠組みの中で居住地域の回復を管理するのに最適な解決法を選択できるよう、判定フローチャート、表、チェック・リストおよびテキストの形式でガイダンスも収められている。新しい包括的な居住地域線量モデルもARGOSとRODOS意思決定支援システムにおける実行のために開発中である。以前のモデルの欠点は実証された。居住地域における放射性物質の悪質な分散に関する意思決定支援モデリングについても議論された。ここでは、例えば粒子サイズおよび分散標高の関連が強調されている。
URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0883292712001151#
タイトル:環境中のヨウ素129、ヨウ素127とセシウム137:ドイツ、チリからの土壌
著者:A. ダラウイ、R. ミシェル、M. ゴーニー、D. ジェイコブ、R. サクシ、H.-A. シナル、V. アルフィモフ
典拠:環境放射能誌、112号、8‐22頁(15頁)、2012年10月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2012.02.011
キーワード:ヨウ素129、ヨウ素127、セシウム137、土壌、 IAEA–土壌-375、加速器質量分析法
概要:►欧州再処理工場から出たヨウ素129によってその自然の存在量は大幅に変わった。►本稿ではバイエルンとチリにおけるセシウム137とヨウ素129のインベントリを報告する。►バイエルンにおけるヨウ素129の主な出所はヨーロッパの再処理工場である。►チリのヨウ素129の主な出所は大気核実験である。►ヨウ素129およびヨウ素127は土壌プロファイルにおいて複雑な移動を示している。
URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X1200063X
タイトル:ベラルーシとチェルノブイリ:殻から分離した種子
著者:G. ヨッフェ
典拠:ポスト・ソヴィエトの出来事、23巻、4号、353-66頁、2007年10月‐12月。
デジタルオブジェクト識別子: 10.2747/1060-586X.23.4.353
キーワード:社会主義システムと移行経済:政治経済学、財産権、社会主義システムと移行経済:天然資源、エネルギー、環境、社会主義機関とその変遷:消費者経済学、健康、教育とトレーニング:福祉、所得、富、貧困
概要:チェルノブイリ事故で排出した放射性核種の70%がベラルーシに堆積した。放射能汚染が引き起こされた他にも、国家の強力な支援に対する多大な依存による政治制度の強化といった社会文化的特性が、チェルノブイリによって明らかになった。ベラルーシの専門家が文献レビューに基づいて、確認済みのチェルノブイリの健康への影響を、災害の心理的および社会的·政治的意義から切り離すことを目指す。
URL:http://bellwether.metapress.com/content/t79268m17k5l245r/?p=6c7d814a54a744d398b78abb8ed52fe5&pi=3
タイトル:都市部の汚染状況修復オプションのモデルリング
著者:K. M. ティーセン、K. G. アンダーソン、T. W. チャーノック、F. ガレイ
典拠:環境放射能誌、100巻、7号、564-573頁(10頁)、2009年7月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2009.03.021
キーワード:都市の汚染、放射能、モデリング、対策、修復、除染、線量低減
概要:都市部における放射性核種の分散および沈着をもたらす事故の住民への影響は、影響を受ける人々の数および回復の経済的コストの両面で膨大なものとなりうる。都市の汚染状況や是正オプションを判定するためのコンピューター・モデルの使用により、準備や意思決定の前後のさまざまな状況や代替リカバリー戦略の査定が可能となる。現在、多くのモデルとモデリング・アプローチが多様な目的で利用できる。本論文では、モデリング手法、モデリング対策の有効化に向けてのアプローチ、対策の有効性関連のパラメータについての情報源について概説した。対策情報は、モデル化された特定の状況にそれを適用する際には慎重に検討されなければならない。現在の情報ベースの多くはチェルノブイリの経験から来ており、すべて状況に適用できるわけではない。
URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X09000721
タイトル:チェルノブイリ地域で栽培された亜麻のプロテオミクス解析は、種子プロテオームに対する汚染された環境の限られた効果を示唆している。
著者:K. クルビコヴァ、M. ダンチェンコ、L. スクルテティ、J. A. ミエルニク、N. M. ラシドフ、V. V. ベレジナ、A. プレトヴァ、M. ハイデク
典拠:環境科学&テクノロジー、44巻、18号、6940‐6946頁(7頁)、2010年9月15日
デジタルオブジェクト識別子:10.1021/es100895s
キーワード:植物プロテオミクス、植物への放射能汚染の影響、FLAX、植物 – 適応、チェルノブイリ原発事故、チェルノブイリ、ウクライナ、1986年 – 環境面、 種子病理、電気泳動、タンデム質量分析、ウクライナ
概要:1986年4月26日のチェルノブイリ原子力発電所(CNPP)事故は人類の歴史中で最も深刻な原子力災害である。驚くべきことに、CNPP付近の地域はストロンチウム90とセシウム137を含む長寿命放射性同位元素によって実質的に汚染されたままであるが、地域の生態系は適応することができた。植物の適応を評価するため、地元キエフにのいろいろな種類のな亜麻(アマ)の種子をチェルノブイリにおける放射能汚染地域および制御地域で播種した。成熟した種子から総蛋白分画を分離し、タンデム質量分析と組み合わせた2次元電気泳動を用いて分析した。興味深いことに、放射能汚染された環境における植物の成長はプロテオームにほとんど影響を及ぼさず、放射能汚染地域と制御地域の双方から収穫された種子向けに定量化した720個のタンパク質スポット中、35個のタンパク質スポットだけが豊かさにおいて (p-value of ≤0.05)異なった。35の特異に豊かなスポット中、28のタンパク質は最先端のMSEの方法を用いて同定された。観察された変化によれば、放射能汚染土壌で生育した植物の種子のプロテオームは、複数のシグナル伝達経路への微調整そ示している。
URL: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/es100895s
タイトル:長期的とはどのくらいか?ノルウェイにおける20年以上にわたるポスト・チェルノブイリ管理に基づく考察
著者:A. リランド、J. ロッカード、L. スクテル
典拠:環境放射能誌、100巻、7号、581‐584頁(4頁)、2009年7月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2009.04.006
キーワード:チェルノブイリ、長期、対策、リハビリテーション、影響を受けるグループの関与
概要:EC戦略、農業プロジェクト、 EURANOS、フランス当局のCODIRPAおよびPAREXプログラムといった放射線防護団体は、放射能汚染地域の長期的な事故後管理にむけた準備という重要任務を開始したばかりだ。しかし、長期管理がどのくらい続くかに関してはいろいろな見解がある。チェルノブイリ事故後のノルウェーと旧ソ連の経験に基づくと、原発事故に際しては、数十年にわたる管理と住環境のリハビリテーションが必要であることは明らかである。その期間は、放射性降下物の量、放射性核種の種類、汚染された地域の土地利用、影響を受けた人々の数および密度、対策を実施するのに利用できる技術と資源など、多く要素に依って変わる。本論文では、チェルノブイリ事故後にノルウェーで実施された管理戦略、時間とともに戦力を変更する必要性、影響を受けるグループの深刻な関与について論じている。回復期に何らかのアクションを取り入れる前には、数十年問題を抱える可能性を念頭に置いて、慎重な計画と熟考がなされるべきである
URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X09000770
タイトル:チェルノブイリ地域で育った大豆は、より強い重金属抵抗性および変化した炭素代謝を持つ豊かな種子を生産する
著者:K. クルビコヴァ、M. ダンチェンコ、L. スクルテティ、V. V. ベレジナ、L. ウヴァチコヴァ、N. M. ラシドフ、M. ハイデク
典拠:PLoS ONE、7巻、10号、特別部門、1-11頁(11頁)、2012年10月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1371/journal.pone.0048169.
キーワード:大豆 – リサーチ、チェルノブイリ原発事故、チェルノブイリ、ウクライナ、1986年 – 環境側面、調査、重金属、炭素代謝、種子 – リサーチ、放射線、バックグラウンド
概要:放射性のチェルノブイリ地域で植物が成長し再生産されているが、これらの活動の包括的な特性評価はなされてこなかった。本報告では、低脂肪でβコングリシニン種子貯蔵タンパク質を持つ豊かな種子の生産を促す特定の方法で開発した大豆の発育中種子のプロテオームの変化が、こうした放射性環境における生活によって導かれたことを報告する。ダイズ種子は開花後4、5そして6週間後に、チェルノブイリ地域の非放射性区画および放射性区画のいずれかで成熟した際に収穫された。211ものタンパク質が検出された。この結果は、プロテオームにおける変化によって重金属ストレスおよび種子貯蔵タンパク質の軟化作用への適応が生ずることを示す以前のデータを支持するものである。この結果はまた、細胞質と色素体において炭素代謝に対する調整がなされており、トリカルボン酸サイクルの活性が増加し、脂肪酸生合成の間にマロニル-ACPの凝縮が減少したことを示唆している。
URL:http://web.ebscohost.com/ehost/pdfviewer/pdfviewer?sid=3e1d6517-626f-479e-bca9-8e4d7f3dfe53%40sessionmgr10&vid=6&hid=19
タイトル:チェルノブイリ大惨事から23年の公衆衛生および環境への影響
著者:A. V. ヤブロコフ、V. B. ネステレンコ、A. V. ネステレンコ
典拠:ニューヨーク科学アカデミー史料、1181巻、1号、318-326頁(9頁)、2009年11月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1111/j.1749-6632.2009.04841.x.
キーワード:公衆衛生、チェルノブイリ、線量負担、放射性核種除染
概要:チェルノブイリの放射性核種の50%以上はベラルーシ、ウクライナ、ヨーロッパ・ロシアの外に分散し、北米といった遠隔地での放射性降下物の原因となった。1986年には約400万人が4 kBq/m(2) より高いレベルで放射能汚染された地域に住んでおり、約500万人は依然として危険な汚染にさらされている。調査された全ての汚染地域において罹患率、早期老化、突然変異の増加が見られている。ヨーロッパ・ロシアにおける事故後17年間の総死亡率は3,75%、ウクライナでは4,0%増加した。植物におけるセシウム137、ストロンチウム90、プルトニウムおよびアメリシウムの吸収およびリサイクルにより、内部照射のレベルが増加している。近年、セシウム137の内部レベルが「安全」と考えられている1 mSv/年を超えている中、子供は 50 Bq/kg 、大人は75 Bq/kgに まで下げなくてはならない。これを達成するのに役立つ実践としては、農地へのミネラル肥料の適用、林野へのカリウムと有機可溶性リグニンの適用、および各人における天然ペクチン・エンテロソルベントの定期的消費が挙げられる。子供たち、特に、今後25〜30年にわたり放射性核種が土壌中の根層を介して植物を汚染し続けるであろうベラルーシの子どもたちに対して放射線防護を提供するため、大規模な国際的援助が必要である。植物や動物の照射集団は多様な形態学的奇形を示しており、1986年以前には稀であった有意に高いレベルの変異を見せている。チェルノブイリ地域は「ブラックホール」であり、いくつかの種は、汚染されていない地域からきたものを介してのみそこで生き続けることができよう。
URL:http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1749-6632.2009.04836.x/abstract;jsessionid=2DF5BC7EC42FB076C84201B5B51B808D.d02t03
タイトル:ギリシャの海洋環境面におけるセシウム137の濃度
著者:H. フラウロウ、G. ニコラウ、N. エヴァンゲリオウ
典拠:環境放射能誌、101巻、8号、654-657頁、2010年8月。
デジタルオブジェクト識別子: 10.1016/j.jenvrad.2010.03.016
キーワード:セシウム、チェルノブイリ、表面海水、フード線量測定、ギリシャ
概要:チェルノブイリ事故前は、ギリシャの海洋環境の放射線状態は主に核兵器試験からの放射性降下物によって特徴づけられた。しかしチェルノブイリ原発事故による環境への放射能の放出およびその沈殿によって、ギリシャの海洋環境におけるセシウム137の放射能濃度は約一桁増加した。さらにセシウム137の転送に関し、主にドニエプル川、またドナウ川を通って黒海へ、さらにダーダネルス海峡を通じて北エーゲ海へという形で放射性セシウムが直接転送されることで、ギリシャ海洋環境はチェルノブイリ事故によってさらなる影響を受けた。本研究の目的は、ギリシャの海洋環境の表面層におけるセシウム137の濃度の地理的変異の現在の模様を報告し、海産物の摂取を通してヒトに届けられる年間の預託実効線量を出すことである。
URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X10000834