カテゴリー「生態・環境」
タイトル:一般人への照射量と観測された生物相への影響:チェルノブイリ・フォーラム最新版
著者:リン R. アンスポー
典拠:環境放射能誌、96(1‐3)、13‐19頁、2007年7月。
デジタル識別子:10.1016/j.jenvrad.2006.12.001
キーワード:チェルノブイリ、放射線、集団実効線量、甲状腺線量、効果、生物相、人間、事故
概要:チェルノブイリ・フォーラムはチェルノブイリ原始力発電所事故の健康と環境への影響を調べるため国連によって組織された。本研究は、環境専門家グループの決定に従い、環境への影響を扱ったものである。この事故によって10日間以上にわたり大量の放射性物質が放出された。それらの物質は最も影響を受けたベラルーシ、ロシア、ウクライナを含めヨーロッパ中に沈着した。
URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X06002104
タイトル:チェルノブイリの放射性核種の分布、移動、環境や農業への影響
著者:R. M. アレクサヒン、N. I. サンジャロヴァ、S. V. フェセンコ、S. I. スピリドノフ、A. V. パノフ
典拠:保健物理学、93(5)、418‐426頁、2007年11月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1098/rspb.2007.0005
キーワード:
概要:1986年のチェルノブイリ事故後、周囲に放出された放射性核種の分布と移行について取り上げた。チェルノブイリ事故の影響下にあった地域住民の栄養摂取が主に農村型だったため、事故によって住民は照射源となる放射性核種を含む農産物を消費することとなった。本分析によって、もしも放射基準が人間を守るならば、生物相も十分に電離放射線から保護されることが示された。
URL: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18049218?dopt=Abstract
タイトル:鳥たちはチェルノブイリにおける低レベル放射線のある土地で繁殖することを好む
著者:A. P. メラー、T. A. ムソー
典拠:王立協会論文集B:生物化学、274(1616)、1443‐1448頁、2007年6月。
デジタルオブジェクト識別子: 10.1098/rspb.2007.0005
キーワード:クラッチのサイズ、線量率、孵化の成功、産卵日
概要:(1)放射能が体調に直接影響を与える、もしくは(2)放射能が生殖の判断を二次的に促す資源の豊かさに影響を与える場合、低レベル放射性汚染が繁殖地の選択や生活史の決定に影響を与える可能性がある。我々は 巣作りの場所の選択および樹洞営巣性鳥類の群における繁殖に対する放射能汚染の影響について、異なるバックグラウンド放射レベルを持つエリアに巣箱を設置してテストを行った。
URL: http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/274/1616/1443.full
タイトル:チェルノブイリ原子力発電所事故の生態学的側面
著者:Z. A. メドヴェージェフ
典拠:生態および進化の傾向、1巻、1号、23‐25頁、1986年7月1日。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/0169-5347(86)90063-7
キーワード:
概要:チェルノブイリの1000メガワット原子炉の部分的メルトダウンと周囲への放射線核種の大量放出は、民間の原子力発電プラントによる地理的重要地域の初の大規模汚染である。それは人口、農業、環境に長期に渡って影響を及ぼすものと思われる。これまで、これほどの規模での環境汚染事故といえば、再処理された核廃棄物の処分や大気中および地下における核兵器テストによる放射線放出によるものだった。チェルノブイリ事故をきっかけに重要な教訓を提供しているこうした汚染は、1958年チェリャビンスク地区キシュティム近郊で起こった核廃棄物貯蔵施設の爆発と関連付けられた。その結果、特別な「立入禁止区域」の設置、地元住民の再定住、そしてより広範な地域に渡って放射能の拡散を防止するように設計された特別な建設プロジェクトが誕生した。
URL: https://www.cell.com/trends/ecology-evolution/abstract/0169-5347(86)90063-7
タイトル:野生生物とチェルノブイリ:衝撃を最小限にとどめるための科学的証拠
著者:ロバート J. ベイカー、ジェフリー K. ウィックリフ
典拠:原子科学紀要、14、2011年4月。
デジタルオブジェクト識別子:
キーワード:
概要:福島の災害によって、発電所の放射線放出の生物学的影響に関する研究が行われることは確実である。チェルノブイリの汚染区域に住む野生生物に関する多くの研究は、個体群の健康に関する目立った統計結果をひとつも示さなかった。より優れたデータ収集および生物学的サンプルのアーカイブを、環境に対する放射能の影響に関する議論を解決し再び研究を進めるために 、保持しておく必要がある。
URL:http://www.thebulletin.org/web-edition/features/wildlife-and-chernobyl-the-scientific-evidence-minimal-impacts
タイトル:地理情報システムと地球統計学:ベラルーシにおけるチェルノブイリの影響の空間分析
著者:コンスタンチン・クリヴォルチコ
典拠:環境システムリサーチ研究所、レッドランズ、カリフォルニア、2004年12月。
デジタルオブジェクト識別子:
キーワード:
概要:チェルノブイリ事故後のベラルーシの環境状態に関する膨大なデータを地球統計学を用いて分析した。このデータに含まれているのは、長命の放射性同位体のセシウム137、ストロンチウム90そしてアメリシウム241による土壌汚染、チェルノブイリ事故直後の個体群における放射線量の概算、1993年におけるセシウム137による食料汚染と内部線量の概算、そして1986年から1995年の間に収集されたデータに基づく成人と子どもの間の甲状腺がんの疾病率である。本研究の特色は、環境データの処理に地球統計学的方法を援用した点にある。シンプルで一般的なインジケーター、確率、一般的なものはもちろん分割的なクリギング、そして二値データのためのインジケータクリギングの修正といった、地球統計学的アプローチが地図作成に用いられた。他のデータ処理法の適用についても議論された。本論文で提示されたとデータと視覚化技術は、政策の決定や立案に益する有力なパターンを明らかにする一助となろう。
URL: http://www.ncgia.ucsb.edu/conf/sa_workshop/papers/krivoruchko_old.html
タイトル:チェルノブイリ後25年の生態系への影響:送紛者、実止まりとリクルート
著者:A. P. メラー、B. フロリアン、T. ムソー
典拠:生態学、170(4)、1155‐1165、2012年12月
デジタルオブジェクト識別子: 10.1007/s00442-012-2374-0
キーワード:チェルノブイリ、生態系の機能、果実、植物リクルート、放射線
概要:動物は、結実、種子消費、種子散布、ぞじて植物群落の維持に対する影響を通じ、生態系の機能において重要な役割を果たしている。しかし、広範な地理的規模における結実、種子消費および種子散布における動物の希少化の影響を調査した研究は無い。我々はウクライナのチェルノブイリ周辺における送紛者であるマルハナバチと蝶の前例のない希少化を取り上げ、送粉者数に対する放射線の影響、生態系における送粉者数の影響に注目した。本論は、生態系の機能における送粉者の減少の影響を、初めて大規模に扱った研究である。
URL: http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00442-012-2374-0
- タイトル:チェルノブイリ立入禁止区域のコウモリにおけるストロンチウム90とセシウム137の放射能濃度
著者:セルゲイ・ガスチャク、ニコラス・アンソニー・ベレスフォード、アンドレイ・マクシメンコ、アントン・ヴラシェンコ
典拠:放射線と生物環境物理学、49(4)、635‐644頁、2010年11月。
デジタルオブジェクト識別子:
キーワード:
概要:コウモリは保護種として、環境の放射線評価において保護の対象といってよい。しかしこれまでコウモリ種に関する放射生態学研究はほとんど無かった。本調査において、チェルノブイリ地区内で捕獲された10種のコウモリにおいてストロンチウム90とセシウム137の測定値140以上という結果が出た。ストロンチウム90の沈着の増加に伴い伝達が減少するとの指摘があったが、これは全種に当てはまらず、また観察された変異性を説明するものでもなかった。どちらの放射性核種も伝達(全身の放射能濃度と土壌の放射能濃度の比として表される)においてコウモリの雌雄の間に違いはなかった。全種のグループ間において伝達にかなりのばらつきが見られた。十分なデータを収集した二つの地域において、ホオヒゲコウモリは他の種よりも高い伝達を有することが分かった。
URL: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20714905?dopt=Abstract
タイトル:チェルノブイリ汚染除去労働者の染色体異常の追跡調査
著者:ナタリヤ M. スロジナ、エリザヴェータ G. ネロノヴァ
典拠:全ロシア緊急放射線医療、ロシア非常事態省、2002年8月。
デジタルオブジェクト識別子:
キーワード:
概要:1986年から1989年までの間チェルノブイリ原子力発電所で作業した清掃作業員359名を対象として細胞遺伝学的研究が行われた。調査は放射線被曝後から6年から12年に渡って実施された。統制群と比較すると、これらの清掃作業員においては染色体タイプの損害、すなわち二重微小染色体、ニ動原体、ダブルリングが有意に増加していることが分かった。
URL: http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr79/kr79pdf/Slozina.pdf
- タイトル:チェルノブイリ原子力発電所(ウクライナ)立入禁止区域における放射能汚染はヨーロッパモノアラガイ(モノアラガイ科)の殻の形態に影響を与えているか?
著者:ミハイル・ズイコフ、ドミトリー・グドコフ、マクシム・ヴェナルスキ、エミリエン・ペレティエ、デヴィッド A. ハーパー、セルジュ・デマーズ
典拠:環境保護主義者(2011)31、369‐375頁
デジタルオブジェクト識別子: 10.1007/s10669-011-9347-4
キーワード:殻の奇形、ヨーロッパモノアラガイ、放射能汚染、環境、チェルノブイリ原子力発電所、マヤーク核技術施設
概要:ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所付近で採集されたモノアラガイ科のヨーロッパモノアラガイにおいて、高い確率で、粗い継ぎ目といった明らかな外殻異常が見られた。チェルノブイリ立入禁止区域内のモノアラガイについて、長期の放射線照射によるネガティブな細胞遺伝と血液学的影響が繰り返し報告されてきた。そこで放射線は殻の形態にも影響を与えているものと推測した。しかし、ロシアの二か所の放射線地域で採集されたモノアラガイにおいては殻の奇形が見られなかったため、チェルノブイリ原子力発電所付近の巻貝群中における奇形の殻の出現を、放射能汚染によるものと即断することはできない。
URL: http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10669-011-9347-4