カテゴリー「社会、心理、哲学」
タイトル:政治的象徴、記念碑そして式典におけるチェルノブイリの余波:ベラルーシの大惨事の想起
著者:カスペルスキT.
典拠:The Anthropology of East Europe Review、30巻、1号、2012年。
キーワード:ベラルーシ、チェルノブイリ事故、原子力災害、記憶、政治
概要:チェルノブイリ原発事故からの健康および環境への被害がなお続いているにも拘らず、放射性降下物の被害を最も受けた旧ソ連の共和国であるベラルーシの現代の政治状況において、この悲劇的出来事はあまり重視されていない。大惨事に関する公の記憶の脆弱さを理解するために、本稿では、1990年代末までの野党勢力および州当局によって組織されたくつかの記念式典、そしてベラルーシにおけるチェルノブイリ事故に捧げられた記念碑の分析を行う。その結果、それらのさまざまな記憶の形が、この事故を諸々の国家的悲劇の中ひとつの悲劇という枠組みの中に押し込むことにより、あるいは政敵を攻撃し自身の力への願望を正当化する単なる手段としたことにより、あるいはできるだけ早く克服すべき対象と示唆することにより、その特異な意義を消し去ってしまったことが分かった。
URL: http://scholarworks.iu.edu/journals/index.php/aeer/article/view/2000
タイトル:イスラエルのチェルノブイリ被災地からの移民:健康および社会的適応との関係
著者:レミンニクL. I.
典拠:Social Science & Medicine、54巻、2号、2002年1月、309-317頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/S0277-9536(01)00030-2
キーワード:イスラエル、チェルノブイリ、放射線被ばく、(チェルノブイリ被災地からの)移民、不幸の蓄積、健康影響、社会的適応
概要:不幸の累積という概念は、過去のトラウマによる慢性ストレス状態下での移住の研究に有用なツールである。この概念に基づき、本研究では、1990年代にイスラエルに移民したチェルノブイリ原子力災害生存者における放射線被ばくによる長期的健康と心理社会学的影響について調査を行った。ロシア人移民の2グループ(チェルノブイリの被害を受けた地域から来た180人とその他の旧ソ連地域からの移民200人)の間で自己評価による健康状態および社会適応の指標について比較した。半構造化されたアンケートを、ロシア語話者である社会学専攻学生が実施し、定量的および定性的双方の方法で分析した。先行研究と同様、チェルノブイリ被災者の身体的および精神的健康は共に、同じ性別同じ年齢の他の移民と比較して有意に悪い結果を示した。報告された健康問題の大部分は心身に関わる問題だった。調査グループにおいてはうつ病、恥辱感、癌などへの不安がより広く見られた。汚染地域からの移民は保健サービス(従来サービスと代替サービスの両方)をより多く利用する傾向があったが、その質と提供者の態度に対する満足感はより少なかった。健康障害の意識と受入れ国における貧相な共同宿泊施設との間に相関が認められた。他の移民よりも、チェルノブイリ地域からの移民はより深刻な職業的格下げを経験しており、移住の結果により大きな失望感を抱いている。
URL: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0277953601000302
http://www.impact.arq.org/doc/kennisbank/1000011072-1.pdf
タイトル:石と化した廃墟:チェルノブイチ、プリピャチと都市の死
著者:ドブラスチェクP.
典拠:City: analysis of urban trends, culture, theory, policy, action、14巻、4号、2010年、370‐389頁。
DOI:10.1080/13604813.2010.496190
キーワード:チェルノブイリ、都市黙示録、産業遺跡、表現、映画
概要:本稿では、個人的な経験を通して都市の破滅について考えてもらう。記録として自身で撮影した写真を用いて、2007年初頭におけるチェルノブイリ地域における破壊された原子炉と破壊されたプリピャチの建物への訪問を紹介する。プリピャチは大都市はおろか都市でもないかもしれないが、廃墟としてのその規模は戦後においては特筆すべきものである。西側では、廃墟は通常仮想表現、つまり、いわば生身ではない文学や映画においてのみ見られる。プリピャチの廃墟を体験することによって産業の破滅ということに思考が及び、その前例のない規模によって、街全体の、またおそらく文明そのものの破滅といった瞑想にも誘われる。
URL: http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13604813.2010.496190#.Ub6JDthLOM0
タイトル:チェルノブイリ:リスクと不確実性とともに暮らす
著者:アボットP., ウォレスC., マティアスB.教授
典拠:Health, Risk & Society、8巻、2号、2006年、105‐121頁。
DOI:10.1080/13698570600677167
キーワード:原子力事故、リスク社会、物語の断絶
概要:1986年のチェルノブイリ原子力事故は「リスク社会」を象徴するタイプの事故の極端な例である。事件の結果は不確定、原因は複雑、今後の展開も予測不能である。その影響を補償することは不可能で、広い範囲に渡る人口に無差別に被害を与えている。本稿では、2003年にロシア、ウクライナおよびベラルーシのチェルノブイリ地域で実施された定性的ケーススタディーに基づいて、地域住民として物語の断絶を経験した人々が経た経験を検証する。これらの分析が示しているのは、情報提供者が彼らの将来をきわめて不確実で予測できないものとして提示する傾向があるということである。彼らは自身がすでに汚染されているかわからないという不確実性に晒され、どこへ行くか何を食べるかについての際どい決定をしなければならない。恐怖、噂そして専門家たちは争うように、災害の実際および潜在的な影響に関する情報を住民に提供するが、提供された情報に対して信頼はあまり寄せられることはなく、意識も少ない。ほとんどの情報提供者は自分たちの生活を続け、リスクがあると分かっていても、「やらねばならぬこと」もしくは「したいこと」をしている。多くの場合、彼らは自身の行動を経済的な事情によるものとする。極貧の中ではたとえ危険な食物でもないよりはましなのだ。本研究では先行研究とは異なり、ソ連邦の崩壊に起因する困難と災害による問題を分離せず、双方が諦観と運命論の根深い感覚の根幹にあるものと捉えて情報提供者における顕著な傾向を検証している。ほとんどの情報提供者は情報、援助、予防措置の不足を政府の責任と見なすが、それらを解消するのに集団行動に訴えることはほとんど皆無である。こうした点は、災害によって被害を受けた集団はその事件に重要な意義を付与し、その結果、関連する政策課題への関心と共にどんどん政治化してくる、と指摘してきた先行研究とは対照的である。
URL:http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/13698570600677167#.Ub5-XdhLOM1
タイトル:チェルノブイリの記憶、記念式典そして表現:序章
著者:アルントM.
典拠:Anthropology of East Europe Review、30(1)、現代史センター、ポツダム、レイチェル·カーソンセンター、ミュンヘン、2012年春。
キーワード:チェルノブイリ事故、原子力、記憶、記念行事、ベラルーシ
概要:AEERの本特集はチェルノブイリの記憶、記念行事、そして表現に捧げられている。特集のアイデアは2011年4月ドイツのポツダムにおける国際的研究プロジェクトの最終会議「チェルノブイリ後の政治と社会」で生まれた。この会議は、日本における津波とその後の原子力事故のわずかひと月後、また1986年のチェルノブイリ事故の25周年の数週間前に開催された。
URL:http://scholarworks.dlib.indiana.edu/journals/index.php/aeer/article/viewFile/2009/1959
タイトル:チェルノブイリ・ストーリーとハンガリーの人類学的打撃
著者:ハーパーK. M.
典拠:Anthropological Quarterly、2001年7月、74巻、3号、114-123頁。
キーワード:チェルノブイリ災害、人類学的打撃、ハンガリー
概要:ブダペストにおけるチェルノブイリ記念日には、親の責任、科学的知見、環境リスク、および市民参加に関する創造的な物語が多く生まれた。本論では、1996年4月のチェルノブイリ原子力災害10周年に触発された物語とパフォーマンスを検証する。これらの「チェルノブイリ・ストーリー」については、市民の行為の代替行為であるにも拘らず、活動家たちはその決まったパターナリズムを批判した。壊滅的爆発とその記念日の間の十年はハンガリーの環境保護運動の発展と一致しており、1996年のチェルノブイリの日における社会主義国家からの変容は、結果的にこれまでの年月の間に市民権と市民参加の意義もまた変わってきたということを活動家たちが映し出す機会となったのである。
URL:http://muse.jhu.edu/journals/anthropological_quarterly/toc/anq74.3.html
著者:K.Yu.アンティプチュク
典拠:卒業論文、2005、キエフ
キーワード:脳神経、電離放射線、社会‐医学的側面、広島・長崎
概要:近年、多くの研究データが電離放射線による脳神経系への影響を明らかにしている。また、広島と長崎のデータは電離放射線が非腫瘍疾患の形成と致死の原因であることを証明している...本論文は、チェルノブイリ事故の社会‐医学的側面を紹介している。また、被ばく線量と疾患の関係を記述。世界中の研究家の研究を幅広く紹介。
インターネット上にウクライナ語で全論文掲載
URL: http://librar.org.ua/sections_load.php?s=medicine&id=2491
タイトル:突然死や自殺の専門家の評価
著者:マカロフ、ウラジミール・ミハイロヴィチ
所収雑誌名:ウリヤノフスク、2005
キーワード:解剖病理学, 突然死,心血管疾患,自殺
概要:
URL:http://www.dissercat.com/content/ekspertnaya-otsenka-vnezapnoi-smerti-i-suitsidov
タイトル:チェルノブイリ事故清算人に見られる老化プロセスの加速の、臨床および実験の基準
著者:アルフトヴァ、ナタリア・アレクサンドロヴナ
所収雑誌名:サンクトペテルブルク、2005
キーワード:臨床検査診断, 内分泌系, 老化のプロセス, 免疫システム, 抗酸化系,清算人 (リクビダートル)
概要:
URL:http://www.dissercat.com/content/kliniko-laboratornye-kriterii-uskoreniya-tempov-stareniya-uchastnikov-likvidatsii-posledstvi
タイトル:発作性栄養障害を持つチェルノブイリ事故の清算人におけるコンピュータ断層的、ドップラーグラフィー的、臨床神経学的変化の特徴
著者: バチシェヴァ、エレナ・イヴァノヴナ
所収雑誌名:モスクワ、2006
キーワード:神経疾患, 清算人 (リクビダートル), 発作性自律神経機能障害
概要:
URL:http://www.dissercat.com/content/kharakteristika-kliniko-nevrologicheskikh-doplerograficheskikh-i-kompyuterno-tomograficheski