タイトル:チェルノブイリ事故の結果としてのベラルーシにおけるヨウ素131の堆積評価のための土壌中のヨウ素129とセシウム137の利用
著者:ミロノフV., クドリャショフV., イユF., ライズベックG. M.
典拠:環境放射能ジャーナル、59巻、3号、293‐307頁、2002年。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/S0265-931X(01)00080-7
キーワード:チェルノブイリ、ヨウ素129、ヨウ素131、セシウム137、土壌
概要:ヨウ素131とセシウム137の放射能測定値とヨウ素129の核化分析(NAA)および加速器質量分析(AMS)を利用して、ベラルーシの土壌における131I/137Csおよび129I/137Csの比率を測定した。ベラルーシにおけるチェルノブイリ事故前の129I/137Csの比率は核兵器の放射性降下物から予想された値よりもはるかに大きいということが分かった。チェルノブイリ事故について、この結果は放射性雲の移行と堆積中のヨウ素とセシウムの分画が比較的少なかったという仮説を支持するものである。137Cs >300 Bq/kgを示す地点においては、ヨウ素129によってチェルノブイリによるヨウ素131の堆積のより信頼性の高い遡及推計を得られる可能性がある。しかし、この結果が示しているのは、セシウム137によっても適切に(±50%)ベラルーシにおけるヨウ素131の見積りを出すことができるということである。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X01000807
タイトル:非破壊的方法によるチェルノブイリ事故および核兵器爆発によるホットパーティクルの分類
著者:ジェルトノジュスキーV., ムックK., ボンダルコフM.
典拠:環境放射能ジャーナル、57巻、2号、151‐166頁、2001年。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/S0265-931X(01)00013-3
キーワード:ホットパーティクル、チェルノブイリ、兵器テスト、放射性降下物、特徴づけ、分類
概要:チェルノブイリ事故および核兵器爆発の後、放射性物質の凝集体、いわゆるホットパーティクルが放出あるいは形成され、気体またはエアロゾルの形で放出された放射能とは全く異なる環境における挙動を示す。それらのパーティクルの特性、放射性核種の組成およびウランおよびアクチニドの内容の違いについて詳細に取り上げた。核兵器のホットパーティクル(核分裂および核融合爆弾による)が検出可能な微量の60Coと152Euを含むのに対し、チェルノブイリのホットパーティクルにはそれらの放射性核種はない。対照的に、チェルノブイリのホットパーティクルには、核兵器のそれにはない125Sbと144Ceが含まれている。明らかな違いは核融合爆弾と核分裂爆弾のホットパーティクルの間にも見られ(顕著な違いは152Eu/155Eu、154Eu/155Euおよび238Pu/239Pu比である)それによって出所不明のホットパーティクルの識別が容易になる。チェルノブイリのホットパーティクルの239Pu/240Pu比は1:1.5の非破壊的方法によって測定できる。Kα放出の測定で非放射性元素の含有量を決定する非破壊的方法は、パーティクル内で非アクティブのZr、Nb、FeおよびNiが確認できたことで開発された。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X01000133
タイトル:放射性廃棄物の貯蔵および処理工場周辺およびチェルノブイリ原発ゾーン内のヨーロッパアカマツの微生物集団に対する人為的影響の生物指標
著者:ゲラスキンS. A., ジミナL. M., ディカレフV. G., ディカレヴァN. S., ジミンV. L., ヴァシリエフD. V., オウダロヴァA. A., ブリノヴァL. D., アレクサヒンR. M.
典拠:環境放射能ジャーナル、66巻、1-2号、171-180頁、2003年。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/S0265-931X(02)00122-4
キーワード:生物指標、ヨーロッパアカマツ、染色体異常、チェルノブイリ事故
概要:チェルノブイリ原発の30kmゾーン内の異なる放射能汚染レベルの地点および放射性廃棄物の貯蔵および処理工場(レニングラード州ソスノヴィ・ヴォル市近郊のラドンLWPE)周辺で生育したヨーロッパアカマツ(Pinus sylvestris, L.)の微生物集団からの生殖(種子)および栄養(針葉)サンプルの細胞遺伝学的異常の周波数スペクトルの比較分析の結果が出された。得られたデータは、樹木の微生物集団環境における遺伝毒性汚染物質の存在を示していた。チェルノブイリ30kmゾーンでの電離放射線の影響と比べると、化学毒素がソスノヴィ・ヴォル地域の環境汚染の主な原因である。ラドンLWPE地域およびソスノヴィ・ヴォルの中心で生育したヨーロッパアカマツ種子の高い放射線耐性が高い値のγ放射線と共に明らかになった。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X02001224
タイトル:福島に課された大規模クリーンアップ
著者:ブルムフィルG.
典拠:ネイチャー、472、146-147頁、2011年。
デジタルオブジェクト識別子:10.1038/472146a
キーワード:放射性同位元素、海洋汚染、チェルノブイリ、日本、ウクライナ、福島第一原子力発電所
概要:日本の福島第一原子力発電所で損壊した原子炉に関わるクリーンアップ戦略に本論は焦点を当てている。環境および放射線健康の専門家であるコロラド州立大学のウォード・ウィッカーは、海洋環境中の放射性核種濃度を監視するためには原発事故の場所でのサンプリングの取り組みが必要であると述べている。さらに、1986年ウクライナにおけるチェルノブイリ原発事故における同様の戦略についても考察されている。
URL:http://www.nature.com/news/2011/110411/full/472146a.html
タイトル:大気汚染環境における遺伝毒性の検出のための高等植物のアッセイ
著者:グラントW. F.
典拠:生態系の健康、第4巻、第4号、210-229頁、1998年12月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1046/j.1526-0992.1998.98097.x
キーワード:遺伝毒性、大気汚染
概要:そもそもの初めから汚染は人間の活動によって生まれてきた。しかし、強力かつ重度の様々な種類の汚染が出現したのは過去数十年間のみのことで、複雑な様相を示している。我々の健康や生態系は大気中に入り込んた環境化学物質の影響を深刻に受けているということが徐々に認識されている。植物は我々の生物圏の大部分を覆っており、食物連鎖で重要なリンクを構成している。この観点に立脚し、屋内および屋外双方で見つかった変異原性化学物質の種類が与えられ、環境変異をスクリーニングしモニタリングするためのいくつかの高等植物バイオアッセイについて議論されている。大気汚染のモニタリングおよびテストに理想的な植物はムラサキツユクサ属である。この種はチェルノブイリ原発事故後の放射性同位元素に汚染された大気の変異原性のテストや原子力発電所の周りのモニタリングで使用されてきた。植物バイオアッセイの最大の貢献の一つは、周囲の空気のモニタリングと遺伝毒性に関する試験で世界規模で継続的に使用できる点にある。
URL:http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1046/j.1526-0992.1998.98097.x/abstract
タイトル:黒海における近年の堆積:放射性核種の分布と硫黄同位体から得た新たな洞察
著者:ユジェルM., ムーアW. S., バトラーI. B., ボイスA., ルターG. W.
典拠:深海研究第I部、海洋研究論文、66巻、103‐113頁、2012年8月。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/j.dsr.2012.04.007
キーワード:黒海、土砂、質量蓄積速度、黄鉄鉱、硫黄同位体
概要:►黒海深層における質量蓄積率(MAR)は61~76gm−2yr−1であった。►これらの値は前世紀におけるMARの増加を示している。►タービダイトを伴うコアにおいて、我々はMARを算出するのにチェルノブイリ由来のセシウム137を使用した。►タービダイトの影響を受けたコアでは、MARは5230gm−2yr−1の高さにまで至った。►急速な堆積も黄鉄鉱硫黄同位体比に反映されていた。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S096706371200088X
タイトル:グリーンランドの環境における放射性汚染物質のレベルと傾向
著者:ヘニングD., マットE., スヴェンP. N., ハンスP. J.
典拠:全体環境科学、331巻、1-3号、53-67頁、2004年9月。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/j.scitotenv.2004.03.023
キーワード:セシウム137、ストロンチウム90、テクネチウム99、プルトニウム239-240、ポロニウム210、グリーンランド環境放射能
概要:グリーンランドの諸環境中の放射性汚染物質のレベルが1999-2001年の間に評価された。地上波および淡水環境におけるセシウム137、ストロンチウム90とプルトニウム239,240の発生源は主にグローバルフォールアウトだった。その他にセシウム137についてはチェルノブイリ事故が多少関わっていた。トナカイと子羊に地上環境で観測された最大のセシウム137濃度が含まれており、生体重当たり最高80Bq kg −1がトナカイにおいて観測された。特別な環境条件により、セシウム137はグリーンランド南部では極めて高い効率で淡水に生息するホッキョクイワナに転送されており、最大生体重当たり100Bq kg−1の濃度に至った。これらのケースでは非常に長い生物学的半減期が見られた。海水中および海洋生物相中におけるテクネチウム99、セシウム137およびストロンチウム90の濃度は、グリーンランド北東およびグリーンランド東部沿岸の水流>グリーンランド南西>グリーンランド中西部およびグリーンランド北西>イルミンガー海流〜フェロー諸島の順番で減少した。ヨーロッパ沿岸における排出と以前の北極海汚染が一般的な大規模な海洋循環が結びついたことによって、それは発生した。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969704002025
タイトル:アルファ分析およびAMS使用による環境試料における異なる発生源からのプルトニウムの測定
著者:ビジンガーT., ヒプラーS., ミシェルR., ワッカーL., シナルH.-A.
典拠:原子力機器&物理研究方法、セクションB(資料および原子とビームの相互作用)、268巻、7-8号、1269-72頁、2010年4月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.nimb.2009.10.150
キーワード:プルトニウム、チェルノブイリ、放射性降下物、AMS、アルファ分析
概要:アルファ分析および加速器質量分析(AMS)の併用による環境試料におけるプルトニウムの測定のための信頼性ならびに感度の高い方法を提示した。チェルノブイリ事故やその他の発生源からのプルトニウムによって汚染されたさまざまな環境試料を双方の方法で調査した。プルトニウムは化学的抽出クロマトグラフィーを用いて分離した。化学収率トレーサーとして、242PuをAMSおよびアルファ分析の両方に適用した。アルファ分光測定後、サンプルをAMS測定に適切な標的に変換した。AMSはアルファ分析に加えて特に選択された。なぜなら240Pu/239Puの同位体比を測定するほかに、ベータ放出核種241Puを検出することができるためである。一般的に用いられる238Pu/239,240Puの放射能比の他に、この方法を用いて得られる今後さらなる任意の同位体比がある。アルファ分析とAMSを組み合わせることによって、関連するすべてのプルトニウム同位体を測定することができる。これにより、環境中のプルトニウムの異なる発生源を信頼性をもって区別することが可能となる。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168583X09011999
タイトル:マイクロ波ベースのサンプル調製法を通じた加速器質量分析法による地衣類における129Iの分析
著者:ゴメズ・グズマンJ. M., ロペス・グティエレスJ. M., ピントA. R., ホルムM. E., ガルシア・レオンM.
典拠:原子力機器部門&物理研究方法、セクションB(資料および原子とビーム相互作用)、268巻、7-8号、1171-4頁、2010年4月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.nimb.2009.10.126
キーワード:ヨウ素129、地衣類、再処理工場、フォールアウト、チェルノブイリ、AMS
概要:環境内の129Iの存在は20世紀半ばの核時代当初からの人工的な核の排出の影響による。それぞれの源とそれぞれのゾーン内での相対的な影響力についての詳細を知るためには、環境試料中におけるこの放射性核種の測定値の量をまとめることが必要である。本研究では、スウェーデン中央部のローゲン湖の苔サンプル(Cladonia alpestris)内における129Iを測定した。マイクロ波分解に基づく方法が、速度を改善し汚染を低減するために、この測定のために開発された。この方法に基づき、ローゲン湖(スウェーデン)の地衣類サンプルにおける129I濃度が測定され、チェルノブイリ原発事故や核燃料再処理施設の影響が示された。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168583X09011756
タイトル:環境のためのエネルギーの課題を満たす:安全性の役割
著者:マムパエイL.
典拠:原子力エンジニアリング&デザイン、236巻、14-16号、1460-1463頁、2006年8月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.nucengdes.2006.02.017
キーワード:安全性
概要:環境を保護する一方で、原子力エネルギーは空腹の世界の需要を満たす圧倒的な可能性を秘めている。しかし、原子力発電所が安全であり、世界中が絶対的な安全の中にあることを公衆が確信できた時こそ、原子力エネルギー・ルネッサンスは実現するのである。一方、世界の発電所の全体的な安全性は、チェルノブイリ・ショック後着実に改善されてきたが、残念ながらプラント全体の可用性はここ数年で頭打ち状態である。その主な理由は原子力の安全性の問題に対する自己満足にあり、それは原子力産業における新たな経営者の出現と関連している。彼らは往々にして原子力に関していかなるバックグラウンドも持っておらず、原子力施設の極めて特殊で、非常にデリケートな安全性の必要性を全く認識しないままに、他の産業プラントを経営するのと同じ方法で原子力プラントを動かしているのである。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0029549306003219