タグ「セシウム137」
タイトル:セシウム137による慢性汚染の精巣および副腎ステロイドへの生体内影響
著者:グリグナードE., ゲゲンY., グリソンS., ロバッカロJ-M. A., グメロンP., スイヂM.
典拠:Archives of Toxicology、2008年9月、82巻、9号、583-589頁。
DOI: 10.1007/s00204-007-0268-4
キーワード:ステロイド、精巣、副腎、セシウム、慢性汚染
概要:チェルノブイリ原発の爆発から20年以上たったが、放射性核種は依然として主に有機土壌層にバインドされている。放射線被ばくはセシウム137の崩壊後のガンマ放射線への外部被ばくおよび土壌・植物・ヒトという食物連鎖を通じたセシウム137の移行による。セシウム137汚染のこうした持続性により、汚染地域に住む人々の公衆衛生に関する問題が起こった。本研究では、ラットにおいてセシウム137への慢性曝露の精巣および副腎ステロイド代謝への生物学的影響を調査した。ラットは9ヶ月間飲料水中の放射性核種により6,500Bq/l(610 Bq/kg/day)の線量で曝露された。セシウム汚染は循環している17βエストラジオールのレベルを低下させ、コルチコステロンのレベルを増加させた。テストにおいては、いくつかの核内受容体のメッセンジャーの発現が妨げられ、肝臓X受容体α(LXRα)とLXRβをコード化するmRNAのレベルがコルチコステロンのレベルを増加させ、一方ファルネソイドX受容体mRNAはより低いレベルを示した。副腎代謝はcyp11a1遺伝子発現において逆説的な減少を示した。結論としては、これらの結果は、セシウム137の低線量の慢性的汚染で誘発された精巣および副腎ステロイド代謝における分子およびホルモンの改変を初めて示したものといえる。
URL:http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00204-007-0268-4
タイトル:低線量のセシウム137および様々な線量のヨウ素131に長期間曝露したチェルノブイリ周辺に住む小児における血リンパ球サブセットの解析
著者:ヴィホヴァネッツE. V., チェルニショフV. P., スルクヴィンI. I., アンチプキンY. G., ヴァシュクA., コロスV.
典拠:Radiation Research 2000年6月、153巻、6号(2000年6月)、760-772頁。
DOI: http://dx.doi.org/10.1667/0033-7587(2000)153[0760:AOBLSI]2.0.CO;2
キーワード:血リンパ球、子ども、低線量、セシウム137、ヨウ素131
概要:疫学的研究により、チェルノブイリ周辺に住む子どもたちにおいてはチェルノブイリ事故前より気道疾患の発生率が高くなっていることが分かった。本研究では、チェルノブイリ周辺に住む子どもたちにおける末梢血リンパ球サブセットの組成に対する放射線被ばくのありうる影響について調査した。219名の健康な子どもたちと、全身への低線量のセシウム137および甲状腺への様々な線量のヨウ素131および事故による放射性降下物を被った再発性呼吸器疾患を患う6-14歳の子どもたちの評価を、事故から5年後(1991年)および8-10年後(1994‐1996年)に実施した。統制群として計148名の健康な子どもたちと非汚染地域に住む再発性呼吸器疾患を患う子どもたちについても調査を行った。チェルノブイリ周辺に住む再発性呼吸器疾患を患う子どもたちは、調査期間中に再発性呼吸器疾患を患っていた統制群の子どもたちと比較して、有意に低い割合でT細胞と高い割合のNK細胞を有した。1991年の結果とは対照的に、ヘルパー・インデューサー細胞の割合の有意な減少が、1994-1996年に再発性呼吸器疾患を患っていた子どもたちにおいて観察された。1991年とは対照的に、1994-1996年にはヘルパー・インデューサー細胞の割合、ヘルパー・インデューサ/細胞障害性サプレッサー細胞比、およびヨウ素131からの健康な子どもの甲状腺に対する放射線線量の間に正の相関関係がみとめられる。事故後5年(1991年)では、再発性呼吸器疾患を患う子どもたちにおいてヨウ素131から甲状腺への放射線線量とヘルパー・インデューサー細胞の割合に正の相関関係があった。さらに、事故から8-10年後(1994-1996年)の再発性呼吸器疾患を患う子どもたちにおいては、ヨウ素131から甲状腺への放射線線量はTおよびB細胞の割合とは負の相関関係、NK細胞の割合とは正の相関関にあった。これらの結果は、再発性呼吸器疾患を患う子どもたちにおいて、低線量のセシウム137への長期曝露がT細胞サブセットの組成を変化させた可能性を示唆している。健康な子どもと再発性呼吸器疾患を患う子どもの間の末梢血リンパ球サブセットの組成の違いは、チェルノブイリ後の低線量のセシウム137の放射線への長期の全身曝露とヨウ素131の放射線の甲状腺曝露に帰することができよう。
URL:http://www.bioone.org/doi/abs/10.1667/0033-7587%282000%29153%5B0760%3AAOBLSI%5D2.0.CO%3B2?prevSearch=chernobyl%2Bobstetrics&searchHistoryKey=&queryHash=93d611a9bfec5beb1e2f82cb49cf110e
タイトル:クロアチア、ゴルスキ・コタル郡の山の森林生態系における雑食動物および草食動物のゲーム種内の137Csと40K濃度
著者:シュプレムN., バビッチI., バリシッチD., バリシッチD.
典拠:Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry、2013年10月、298巻、1号、513-517頁。
DOI: 10.1007/s10967-013-2475-1
キーワード:ゲーム肉、137Cs、40K、雑食動物、草食動物、山の森林生態系
概要:本研究の目的は、チェルノブイリ事故から約4分の1世紀後のクロアチアのゴルスキ・コタル郡の山の森林における大型哺乳動物のゲーム種内の137Csと40Kの負荷を調査することである。137Csと40Kの放射能が5大ゲーム種(ヒグマ(Ursus arctos)、イノシシ (Sus scrofa)、ノロジカ(Capreolus capreolus)、アカシカ (Cervus elaphus)、およびシャモア(Rupicapra rupicapra))の49の肉サンプルにおいてガンマ分光法によって測定された。その結果、草食動物のゲーム種(ノロジカ、アカシカ、シャモア)は雑食動物の種(ヒグマ、イノシシ)よりも有意に低い137Cs濃度を示し、これによって異なる栄養戦略が肉におけるセシウム濃度に反映するという仮説が確認された。ヒグマの肉において測定されたセシウム負荷は二桁の範囲内だったが、イノシシの肉におけるセシウム負荷は一桁の範囲内であることが分かった。見積もられた効果的な等価線量によって、セシウムの最高線量の摂取が雑食動物種の肉の消費によるものであり、草食動物種由来の肉の消費いよってはより低い線量が摂取されることが示された。
URL:http://link.springer.com/article/10.1007/s10967-013-2475-1
タイトル:チェルノブイリ放射性降下物後のキノコの長期的セシウム137汚染
著者:マスカンゾニD.
典拠:Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry、2001年7月、249巻、1号、245-249頁。
DOI: 10.1023/A:1013263114576
キーワード:セシウム137、汚染、キノコ、ヨーロッパ、スウェーデン
概要:チェルノブイリ事故の余波で高濃度セシウム137がいくつかのヨーロッパ諸国とスウェーデンで観測された。長期的なセシウム137汚染評価のため、二種の食用キノコを長期的調査のために選択した。1986年から1998年の間にSuillus variegatusとCantharellus spp.が収集され、そのセシウム137内容が評価された。その結果、セシウム137の放射能がSuillus variegatusには多かれ少なかれ一定量が残る一方、Cantharellus spp.では増加していることが分かった。このことは、低栄養基質、有機物の豊富さ、高いphによって摂取可能なセシウム137が維持されているキノコがいる森林環境システムを反映している。時間分布の減衰補正によって示されたのは、少なくとも中期的には、キノコのセシウム137量に影響を与える主な要因となるのは放射性崩壊だということである。
URL:http://link.springer.com/article/10.1023/A%3A1013263114576
タイトル:1992年と2001年のウクライナ、ジトームィル州ステパニフカ村における食品の放射能汚染
著者:ティーヒーV.
典拠:原子炉実験所、京都大学、2002年7月。
キーワード:汚染、食品、ジトームィル州、ウクライナ
概要:チェルノブイリ事故で汚染された村において食品サンプル中の放射性汚染測定が1992年と2001年の2度に渡って行われた。ステパニフカ村はチェルノブイリ原発の西120キロに位置し、その周辺地域はセシウム137の表面汚染の典型的レベル(3 – 5 Ci/km2)にえる。調査は、ウクライナのNGO「グリーンワールド」、グリーンピース・インターナショナルおよび国際ルネサンス財団が合同設立したキエフの独立環境研究所によって実施された。2001年のミルクにおけるセシウム137汚染は1992年よりも9倍低かったが、野生のキノコとベリーにおけるセシウム137汚染は同レベルにとどまっていた。食品や水を介したステパニフカ村の人々のセシウム137の年間摂取量は、2001年は1992年よりも3倍低かった。セシウム137の傾向とは逆に、ミルクと乾燥ベリー中のストロンチウム90の放射能は1992年と比べて2001年は有意に高かった。
URL:http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr79/KURRI-KR-79.htm
タイトル:日本周辺の海水,海底土,海産生物に含まれる 90Sr及び137Cs濃度の長期的推移
─チェルノブイリ事故前から福島第一原子力発電所事故後まで─
著者:及川 真司, 渡部 輝久, 高田 兵衛, 鈴木 千吉, 中原 元和, 御園生 淳
所収雑誌名:分析化学, Vol. 62 (2013) No. 6 p. 455-474
doi: http://dx.doi.org/10.2116/bunsekikagaku.62.455
キーワード:放射化学、ストロンチウム90、セシウム137、海水、堆積物、海洋生物
概要:漁場環境の放射能モニタリングを主たる目的とし,昭和58年度(1983年度)に「海洋環境における放射能調査及び総合評価事業」が開始された.本事業の一環として,全国の原子力発電所の前面海域(計15海域)で海水,海底土及び海産生物を採取し,90Sr(海水のみ)や137Csなどの人工放射性核種の継続的な調査を行い,局所的な影響評価はもとより全国規模での評価を行う上で基礎となる調査結果を蓄積してきた.
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/62/6/62_455/_article/-char/ja/
タイトル:輸入食品の放射性セシウム濃度とチェルノブイリ原子力発電所事故の寄与
著者: 福田 一義
所収雑誌名:RADIOISOTOPES, Vol. 49 (2000) No. 9 P 433-438
DOI: http://dx.doi.org/10.3769/radioisotopes.49.433
キーワード:放射性セシウム、カリウム40、輸入食品、チェルノブイリ事故
概要:ゲルマニウム (Ge) γ線スペクトロメータシステムを用いて, 北海道内で消費される輸入食品の放射能調査を実施した。
1989年から1999年までに採取した480試料の放射性セシウム濃度 (137Cs+134Cs) において, 暫定限度 (370Bq/kg) を超えるものはまったく認められず, 441試料 (92%) では1Bq/kg未満のきわあて低いレベルであった。また, 最大値は, 紅茶 (中国産) について, 137Csが62.4Bq/kg, 134Csが3.8Bq/kgであった。
137Cs濃度とセシウム単位の関係から, セシウム単位の値が0.40Bq/g-Kを上回った24試料については, チェルノブイリ原子力発電所事故に由来する寄与を定性的に評価した。また, 137Csとともに134Csが検出された16試料については, この事故に由来する137Csの寄与率を算出した。
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/radioisotopes1952/49/9/49_9_433/_article
著者:スカヴァロドニコヴァ N.A.
典拠:ブリャンスク、2005
キーワード:セシウム137、生態系、農業生態系、植物群落、ポレーシア
概要:ブリャンスク地方ポレーシア地域の生態系および農業生態系の土壌内におけるセシウムの移動の態様を調査し、同放射線の定量的評価を行う。
URL:http://www.dissercat.com/content/migratsiya-137cs-v-pochvakh-razlichnykh-ekosistem-bryanskogo-polesya
著者:ルデンコ L.N.
典拠:クラスノヤルスク、2003
キーワード:力学、セシウム137、ストロンチウム90、蓄積パターン、広葉樹
概要:本著の目的はクラスノヤルスク州に自生する広葉樹におけるセシウム137とストロンチウム90の蓄積および分布の科学的法則、蓄積パターン、および力学的側面の研究である。
URL:http://www.dissercat.com/content/nakoplenie-i-raspredelenie-tekhnogennykh-radionuklidov-v-lesnykh-ekosistemakh-krasnoyarskogo
著者:P.レスタエヴェル、L.グランドコラス、F.パケット 他
典拠:Neurotoxicology. ― 2008. ― Vol. 29, № 2. ― P. 343–348.
キーワード:CNS、セシウム137、炎症性サイトカイン、電気生理学的変化
本研究は、事故後のセシウム137被曝を伴った亜慢性的被曝は脳の炎症性および抗炎症性サイトカインとNO作動性の分子の変形を引き起こすことを初めて解明。この神経炎症性反応はセシウム137被曝後に見られる電気生理学的および生物化学的変化に関連すると考えられる。
URL: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18295892