チェルノブイリ事故後の北クロアチアの鯉における放射性セシウムの放射能濃度の長期調査
タイトル:チェルノブイリ事故後の北クロアチアの鯉における放射性セシウムの放射能濃度の長期調査
著者:フラニッチZ., マロヴィッチG.
典拠:環境放射能ジャーナル、94巻、2号、2007年5月、75-85頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/j.jenvrad.2007.01.001
キーワード:鯉、濃縮係数、セシウム137、セシウム134、チェルノブイリ事故、線量、魚の消費量
概要:チェルノブイリ事故後の北クロアチアの鯉における放射性セシウムの放射能濃度の長期調査に関する報告である。鯉における放射性セシウム濃度は指数関数的に減少し、セシウム137の生態学的実効半減期は1987年~2002年の間は約1年、1993年~2005年の間は5年と推定された。
観察された鯉におけるセシウム134:セシウム137活性比は他の環境試料で観察された比率と類似していた。
鯉の濃縮係数(湿重量)は128 ± 74 L kg −1と推定され、それは水中のK+濃度に基づくモデル予測と合理的に一致していた。
セシウム134とセシウム137で汚染された鯉の消費によってクロアチアの成人人口が被った推定年間実効線量は小さく、1987年~2005年の間のそれによる一人あたりの線量は0.5 ± 0.2 μSvと推定される。
クロアチアにおける淡水魚の消費量の少なさと鯉おける放射性セシウムの放射能濃度の低さにより、鯉の消費は、チェルノブイリ事故後のフォールアウトからヒトへの放射性セシウムの移行における重要な経路ではなかったといえる。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X07000252