タイトル:ヨウ素129の分析を通じた福島原発事故起源のヨウ素131の広がりと沈着量の再構築
著者: 村松 康行, 松崎 浩之, 大野 剛, 遠山 知亜紀
所収雑誌名:2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
キーワード: ヨウ素129, ヨウ素131, 福島原発事故, 降下量, 汚染マップ
概要: 福島原発事故においても大量のI-131が放出されたが、もしも、初期被ばくが大きい場合は後になって甲状腺への影響が出る可能性がある。しかし、半減期 が8日と短いため、事故当初の放射性ヨウ素の広がりや住民が受けた被ばく線量に関するデータは十分でない。そこで、I-131と同時に放出されたと考えら れる長半減期の同位体であるI-129(半減期1,570万年)が指標になる。文科省が集めた土壌試料や我々が独自に集めた試料を用い、I-129の分析 を試みた。AMSを用いたI-129の分析結果から約400箇所のI-131沈着量を推定した。今まで殆どデータがなかった福島原発から20 km圏内や南西側の地域を中心に、I-131の沈着量のマップを作成した。今回、値が加わったことで、I-131の沈着量の地域分布の特徴がより鮮明に なってきた。
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/geochemproc/60/0/60_189/_article
タイトル:チェルノブイリ事故から16年後のフランス東部のセシウム137土壌堆積マップ
著者:ルノーP., プールセロットL., メーチヴィエJ.-M., モレロM.
典拠:全体環境科学、309巻、1-3号、2003年6月20日、257-264頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/S0048-9697(03)00049-4,
キーワード:チェルノブイリ、セシウム137、堆積マッピング、フランス
概要:フランス東部全体のセシウム137の沈着に関連するマップを制定するため、今日のセシウム137の表面活性と1986年5月の降雨との関係を調査した。本調査が行われたのは粘土質土壌がセシウムを効果的に閉じ込めていると考えられる下ローヌ渓谷地域である。この関係から推定された雨水/大気中放射能比に基づき、このタイプの粘土土壌において測定された今日の放射能が初期堆積の比較的典型的なものであることを明らかにした。得られたマップにおける連動する汚染地域は、チェルノブイリ放射性降下物の影響下にあるすべての国と同様、降雨の出現と関連づけられる。このマップは、放射能レベルおよび均質な放射能の広がり程度の双方の点において、フランスの隣接国で得られたマップと一致する。最後に、今日の土壌放射能の測定に基づくのみでは、東部地域全体にキャンペーンを広げても当初の放射性降下物に関する一貫したマップを作成することは不可能であることを示した。セシウム137の堆積および1986年5月の最初の週の降雨の関係を利用してのみ、フランス東部全体のチェルノブイリ放射性降下物を描写したマップを構築することができるのである。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969703000494