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タイトル:西ヨーロッパのさまざまな地域で生産されたエメンタールタイプチーズにおける90Sr、238U、234U、137Cs、40K、239/240Pu
著者:フロイデヴーP., ギリングJ.-J., ピロネルL., ボセットJ.-O., ヴァレーJ.-F.
典拠:Journal of Environmental Radioactivity、72巻、3号、2004年、287-298頁。
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0265-931X(03)00179-6
キーワード:ストロンチウム90、チーズ、ウランの同位体、ミルクからチーズへの移行、食品の信頼性
概要:様々な欧州諸国の乳製品工場で集められたエメンタールタイプチーズにおける90Srとウランの測定のためにある方法が提示された。その結果示されたのは、チーズの90Srの内容と放牧高度の間の有意な相関関係 (r=0.708, Student t-test=6.02) であった。チーズにおける最高の90Srの放射能は1.13 Bq kg −1で、最低は0.29 Bq kg −1だった。ウランの放射能は、238U値が最高でも27 mBq kg −1ときわめて低かった。さらに234U/238U比はすべての場所での234Uの多大な濃縮を示していた。チーズの地理的出所に関わる大きな兆候はないが、この濃縮は牧草地、土壌および地下水の地理的特徴に起因すると考えられる。これらの結果が示しているのは、ウランによるミルクの汚染が牛が飼料の代わりに飲む水に主に由来するものだということである。こうした発見は、放射能事故後における乳製品の食品汚染を扱うモデルにおいて大きな重要性を持っていよう。同様に、90Srのコンテンツ、およびより少ない程度であるが234U/238U比は、チーズの出所の信頼性をトレースするのに利用できる。137Csの放射能は集められた全てのサンプル(n=20)において検出限界の0.1 Bq kg −1を下回っていた。チーズにおける天然の40Kの放射能(15–21 Bq kg −1)に基づくと、ミルクからチーズへのアルカリカチオンの除染係数は約20であった。プルトニウムの放射能は 0.3 mBq kg −1の検出限界以下に留まっていた。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X03001796
タイトル:野生の食用キノコの現在の放射能含有量:環境基準物質候補
著者:サーントーZs., フルトM., ヴェッチェンU., アルジツォグロウT.
典拠:Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry、2007年7月、273巻、1号、167-170頁。
DOI: 10.1007/s10967-007-0730-z
キーワード:野生キノコ、ヨーロッパ
概要:本論文では、ヨーロッパのさまざまな部分で2004年秋に採集されたキノコサンプルの放射線調査の結果を示した、この調査は、環境試料中の放射性核種測定の品質保証の認証標準物質を開発およびプロデュースするための意思決定を支援するために実施された。キノコ中の137Csレベルは乾燥質量基準で0.6~4300Bq/kg の広い範囲で様々だったが、天然の40Kのレベルは比較的安定していた。ひとつのサンプルで未知の起源の60Coのサンプルが検出された(乾燥質量で25±2 Bq/kg)が、90Sr濃度は通常、検出限界以下だった(乾燥質量で<150 mBq/kg)。
URL:http://link.springer.com/article/10.1007/s10967-007-0730-z
タイトル:チェルノブイリ放射性降下物後のキノコの長期的セシウム137汚染
著者:マスカンゾニD.
典拠:Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry、2001年7月、249巻、1号、245-249頁。
DOI: 10.1023/A:1013263114576
キーワード:セシウム137、汚染、キノコ、ヨーロッパ、スウェーデン
概要:チェルノブイリ事故の余波で高濃度セシウム137がいくつかのヨーロッパ諸国とスウェーデンで観測された。長期的なセシウム137汚染評価のため、二種の食用キノコを長期的調査のために選択した。1986年から1998年の間にSuillus variegatusとCantharellus spp.が収集され、そのセシウム137内容が評価された。その結果、セシウム137の放射能がSuillus variegatusには多かれ少なかれ一定量が残る一方、Cantharellus spp.では増加していることが分かった。このことは、低栄養基質、有機物の豊富さ、高いphによって摂取可能なセシウム137が維持されているキノコがいる森林環境システムを反映している。時間分布の減衰補正によって示されたのは、少なくとも中期的には、キノコのセシウム137量に影響を与える主な要因となるのは放射性崩壊だということである。
URL:http://link.springer.com/article/10.1023/A%3A1013263114576
タイトル: チェルノブイリ事故後のヨーロッパのセシウム汚染地図
典拠: 欧州共同体公式出版物ルクセンブルク・オフィス(Luxembourg Office for Official Publications of the European Communities)、1998年
キーワード: 地図、ヨーロッパ、汚染
概要: チェルノブイリ原発事故の被害を排除する責任を負う欧州共同体とベラルーシ、ロシアおよびウクライナの省庁は、事故の影響を研究するための共同プログラムを実施した。プログラムは、欧州委員会と3カ国の関係省庁間の正式な契約の一環として1992年~1995年の間実施された。プロジェクトの一環として、チェルノブイリ原子力発電所の事故によってヨーロッパ全土に放出された放射性物質を記したフォールアウト・アトラスが作成された。
URL: http://pripyat-city.ru/books/56-atlas-zagryazneniya-evropy-ceziem.html
タイトル:チェルノブイリ事故:放射性プルームのヨーロッパ一帯への分散のモデル化と空気活性の測定との比較
著者:アルバーゲルA., マーティンD., シュトラウスB., グロJ.-M.
典拠:大気環境(1967)、22巻、11号、1988年、2431-2444頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/0004-6981(88)90475-1
キーワード:長距離、モデリング、放射性同位元素、セシウム、チェルノブイリ、核、事故、軌道、分散
概要:チェルノブイリ原発事故による放射性核種の放出後、長距離移行および堆積のモデルがヨーロッパ一帯のプルーム分散を説明するのに使われている。本研究の目的は、高速Lagrangjanモデルの検証と、初期のプルーム上昇といったいくつかのメカニズムの相対的な影響のよりよい理解である。諸結果とセシウム137の測定放射能の比較について、空間的・時間的変化に応じて議論されている。925、850および700mbにおいて取られた初期プルーム上昇が考慮されている場合にのみ、多くの測定を説明できることが分かった。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0004698188904751
タイトル:チェルノブイリ事故前後における表面空気における季節的なベリリウム7とセシウム137の放射能
著者:クランA.
典拠:環境放射能ジャーナル、90巻、2号、2006年、140-150頁。
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.jenvrad.2006.06.010
キーワード:ベリリウム7、セシウム137、大気、エアロゾル、チェルノブイリ放射性降下物、核兵器降下物、スウェーデン、ヨーロッパ
概要:表面空気(エアロゾル)における宇宙線の7Be(半減期=53.4日)と人為的なセシウム137(半減期=30年)の放射能の季節変動が、高緯度(北緯56°–北緯68°、スウェーデン)における長期データ記録(1972-2000年)から抽出された。週平均の標準値が長期的傾向を管理するのに使用され、周期的な動向を調査することができた。7Beの放射能の増加は春と夏の季節に見られ、対流圏界面の季節間伐に関連していると考えられる。セシウム137の行動記録の変動は、同位体がいかに大気中に注入したか(爆弾試験から成層圏およびチェルノブイリ事故から対流圏)、またその後の移動メカニズムを反映していると考えられる。したがって、1986年までは、表面空気のセシウム137の放射能は核兵器テスト降下物と強く関わり、7Beに似た時間変動を示した。逆に、1986年以降はチェルノブイリによるセシウム137が長期的記録を占め、大気境界層条件によって強く制御された年間サイクルを示している。さらに、チェルノブイリ事故後の時期の短期的データはその年を通じて起こったと考えられるセシウム137が豊富な気団の微妙な侵入、そしてこれらの緯度で空間的に発生したことによる違いを示している。これは、年々の変動に関連付けるべき、また短期データ記録を解釈する際に注意を促す重要な観察である。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X06001032
タイトル:チェルノブイリ事故前後の地表空気におけるベリリウム7とセシウム137の季節による放射能の量
著者:クランA.
典拠:環境放射能ジャーナル、90(2)、140-150頁、2006年1月
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2006.06.010
キーワード:ベリリウム7、セシウム137、大気、エアロゾル、チェルノブイリの放射性降下物、核兵器の放射性降下物、スウェーデン、ヨーロッパ
概要:地表空気(エアロゾル)における宇宙線によるベリリウム7(半減期=53.4日間)および人工的なセシウム137(半減期=30年)の放射能の季節変動が高緯度(北緯56度―北緯68度、スウェーデン)における長期データ記録(1972年-2000年)から抽出された。標準化した週平均値は、周期的な動向を調査することができるため、長期的傾向を管理するのに使用された。ベリリウム7の放射能の強化は春と夏に見られ、対流圏界面の季節的な希釈化に関係していると考えられる。セシウム137の放射能の変動記録は、同位体の大気中への導入のされ方(爆弾テストから成層圏およびチェルノブイ事故から対流圏)とその後の移送のメカニズムを反映していると考えられる。したがって、1986年までは地表空気のセシウム137の放射能は核実験降下物と強く関わっており、ベリリウム7と似た時間的変動を示していた。反対に、1986年以降のチェルノブイリ事故に由来するセシウム137については、大気境界層条件によって強く制御された年間サイクルを示す長期的記録が目立った。さらにチェルノブイリ事故後の期間における短期データが示しているのは、年間を通じて発生する可能性がある、多量のセシウム137を含む気団の油断できない侵入、またそれぞれの緯度上における発生による差である。年々変動の可能性があり、短期的なデータ記録を解釈する際には注意しなければならないといった貴重な所見を得た。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X06001032