著者:M.ヴリヘイド、E.カルディス、P.アシュモア 他
典拠:Int. J. Epidemiol. — 2007. — Vol. 36, № 5. — P. 1126–1135.
キーワード:原子力作業員、社会経済的ステータス、非腫瘍性疾患
概要:社会経済的ステータスを十分に把握できている275312人の作業員を含めた、平均被曝線量20.7μSvの計400万人を調査し、低線量外部被曝と癌以外の疾患との関係を研究。11255人が非腫瘍性疾患によって死亡。低線量被曝と非腫瘍性疾患による死亡を関連付けるには、既存の研究結果は乏しい情報しか提供できない。しかし、低線量に範囲に見られる線量とリスクの関係は軽視されるべきではない。(英語による全文ウェブ上に公開)
URL: http://ije.oxfordjournals.org/content/36/5/1126.long
タイトル:コメント:国際共同研究からの教訓
著者:長瀧重信
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/S0531-5131(01)00599-4
キーワード:国際共同研究、甲状腺がん、国民の理解、長崎大学、放射線影響研究所
概要:本稿では、チェルノブイリ原爆事故後の小児の甲状腺がん調査における私個人の経験を述べる。私の経験がスタートしたのは、日本核医学会会長だった1987年のことで、シンポジウム「放射線と甲状腺」を開催し、そこではチェルノブイリ事故の健康への影響についてヨーロッパ甲状腺学会(ETA)の専門家によって報告された。1990年には私はIAEAプロジェクトとチェルノブイリ笹川保健医療協力プロジェクト、続いてWHO / IPHECAプロジェクト、さらに日本外務省のプロジェクトに参加した。1992年には、欧州共同体委員会、被爆者の医療ケアのための長崎会(NASHIM)、放射線被ばく健康ケアのための広島国際協議会(HICARE)のメンバーとして、最終的には放射線影響研究所(RERF)理事長として参加した。
各プロジェクトの結果の説明に加え、チェルノブイリ事故の健康影響に関する科学的調査の結果が要約され、科学的な結果と国民の理解との間のギャップが論じられよう。最終的には、人類の利益のために科学的知識を進化させるような研究テーマが示されるであろう。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0531513101005994