チェルノブイリ原子力発電所周辺のいくつかの地域から選ばれた無脊椎動物におけるプルトニウム、セシウム137、ストロンチウム90
タイトル:チェルノブイリ原子力発電所周辺のいくつかの地域から選ばれた無脊椎動物におけるプルトニウム、セシウム137、ストロンチウム90
著者:ミエテルスキJ. W., マクシモヴァS., シュワウコP., ウヌクK., ザグロズキP., ブワジェイS., ガカP., トマンキエヴィツE., オルロフO.
典拠:環境放射能ジャーナル、101巻、6号、2010年6月、488-493頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/j.jenvrad.2008.04.009
キーワード:プルトニウム、ストロンチウム90、セシウム137、チェルノブイリ、無脊椎動物、生物相の放射能汚染
概要:チェルノブイリ除外ゾーンにおける高度汚染地域で収集された甲虫類、アリ、クモやヤスデといった20以上の陸生無脊椎動物のサンプル中におけるセシウム137、ストロンチウム90とプルトニウムの放射能濃度の結果が示されている。サンプルの大部分はベラルーシで、いくつかはウクライナでも集められた。他の三つのサンプルは汚染度の低い領域で収集された。その結果、7つのサンプルはセシウム137の放射能濃度が100kBq/kg(灰重量– a.w.)を超えていることが分かった。この同位体の最大放射能濃度はアリ(Formica cynerea)において測定された1.52±0.08 MBq(a.w.)であった。ストロンチウム90に関する7つの結果は100kBq/kg(a.w.)を超え、主にヤスデで見られた。比較的高いプルトニウムの放射能濃度は数種のアリとセンチコガネで見られた。放射能の分析によって種の間の放射性核種の移行の違いが示された。多変量データセットの相関構造を明らかにするため、部分最小二乗法(PLS)を用いた。PLSモデルの結果、動物体内における放射性セシウムの高い放射能濃度は、わらなどの表面に住む比較的小さな生き物に主に見られることが分かった。対照的に、高いストロンチウム放射能濃度は、混合栄養の習慣と適度な寿命を持つ、わらなどの中で生活する生き物に見られる。プルトニウムに関してははっきりした結論が出なかった。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X08000696