ウクライナ、チェルノブイリ付近の河川におけるストロンチウム90の実質的な供給源地
タイトル:ウクライナ、チェルノブイリ付近の河川におけるストロンチウム90の実質的な供給源地
著者:フリードR., スミスL., ブガイD.
典拠:汚染水文ジャーナル、71巻、1-4号、2004年7月、1-26頁。
DOI:http://dx.doi.org/10.1016/j.jconhyd.2003.07.002
キーワード:チェルノブイリ、水文汚染物質移行、面源、土壌汚染、ストロンチウム90
概要:面源汚染物質の影響を受けた河川を回復させるには、河川に汚染物質を供出している流域内のエリアおよび河川の汚染物質の移行経路の双方を理解しておく必要がある。1998~2002年の間、Borschi流域(ウクライナのチェルノブイリ原発の南3kmの小さな(8.5km 2)流域)におけるストロンチウム90の移行を調査した。流域全体において不均一に広まっている燃料粒子は、燃料マトリックスから風化し放出されたストロンチウム90である。不動の核分裂生成物ユーロピウム154と比較して査定されたストロンチウム90の枯渇は水路と湿地堆積物において発生している。水路堆積物におけるストロンチウム90は深さに応じて均一に枯渇している。湿地堆積物中には上部10㎝および10〜25cmの深さにおける蓄積部分の枯渇ゾーンがある。ストロンチウム90の枯渇の推定は、主要水路にストロンチウム90を排出している実質的な供給源地をマッピングするのに用いられている。実質的な供給源地には、水路底の堆積物、流域の中央領域における湿地、湿地に囲まれた定期的浸水土壌が含まれる。実質的な供給源地からの総枯渇は36±7×10 10Bqと推定される。1999-2001年の河川の流量と水質の観察に基づくと、流域からのストロンチウム90の年間除去率は1.4±0.2×10 10、もしくは年間インベントリの1.5%と推定される。チェルノブイリ事故後15年間を外挿法で推定すると、最終値はストロンチウム90/ユーロピウム154比に基づく供給源地の推定枯渇量と合致する。全流域を考慮したストロンチウム90の年間浸出率は0.2%だが、実質的な供給源池を考慮したストロンチウム90の浸出率はそれより一桁高い。流域におけるストロンチウム90の放出のほとんどは0.62km 2ある実質的な供給源地領域。もしくは流域面積の7%に由来している。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0169772203002225
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