フィンランドの二つの湖とその集水域におけるセシウム137の移動と動態
タイトル:フィンランドの二つの湖とその集水域におけるセシウム137の移動と動態
著者:サクセンR., イルスE.
典拠:全体環境科学、394巻、2/3号、349-360頁、2008年5月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.scitotenv.2008.01.048.
キーワード:セシウム137、チェルノブイリの放射性降下物、淡水魚、水生植物、湖の堆積物、キノコ
概要:セシウム137の長期挙動について、フィンランド南部で1986年のチェルノブイリの放射性降下物の影響を最も受けた地域にある2つの淡水生態系において調査した。サンプルとしては、湖や土壌から水、底質、水生植物や魚を、集水地域からはキノコ、種子植物を採取した。魚に含まれるセシウム137の放射能濃度は比較的高いレベルで残っており、我々が調査したその他の湖と比べ、これらの二つの湖においてははるかにゆっくりと減少していることが分かった。魚において継続的に濃度が高い理由の一つが、これらの湖水に比較的高いレベルのセシウムが長期滞在しているためであることは明らかであり、それは沈降速度の遅さと関連がある。湖の水路の特性、つまり、水中におけるカリウムの欠乏と低pHに関連した貧栄養的特徴が、魚に含まれるセシウム137の効率的な取り込みと長い滞留時間のその他の理由である。魚におけるカドミウムの取り込みおよび遅滞に対する腐植物質の影響については本研究で明らかにすることはできなかった。シイカランタ湖の水のより貧栄養的状態と低pHと関わる集水域の湿地土壌タイプは、研究対象となった二つの湖の放射能濃度の違いとセシウム137の転送について少なくとも部分的に説明するものである。これは、湖の集水域からのより高い転送や、魚およびVehkajärvi湖よりもシイカランタ湖内の他の生物相によるセシウム137のより高い取り込みを示している。パーチとパイクは水生植物における最高の指標以上により効率的なセシウムのアキュムレータである。陸生環境においては、キノコにおいてセシウムが最も効率的に蓄積していた。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969708000971
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