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カテゴリー「生態・環境」

チェルノブイリ事故後の長期的改善戦略の正当化

タイトル:チェルノブイリ事故後の長期的改善戦略の正当化

著者:フェセンコS., ヤコブP., ウラノフスキーA., チュポフA., ボグデヴィチI., サンジャロヴァN., カシュパロフV., パノフA., ジュチェンカYu.

典拠:環境放射能ジャーナル、119巻、2013年5月、39-47頁。

DOI:http://dx.doi.org/10.1016/j.jenvrad.2010.08.012

キーワード:チェルノブイリ事故、セシウム、電離放射線、放射線防護、リハビリテーション、修正

概要:チェルノブイリ原発事故後、ベラルーシ、ロシアおよびウクライナで多くの様々な是正措置が開発、実施された。対策の適用に関する勧告と是正措置は1994年にIAEAによって「放射性核種放出事故後の農業対策のためのガイドライン」として公にされた。それ以来、環境中の放射性核種の挙動および長期的対策の有効性に関する新しい情報が得られ、チェルノブイリ・フォーラムを含む多くのプロジェクトによって見直された。さらに修復戦略を導く新しいアプローチが開発され、最も被害を受けた国々で成功裏に実現された。本稿では、この経験に基づいてチェルノブイリ事故の影響を最も受けた地域の復興のために提案された修復戦略の正当性を解説する。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X10001992

放射性セシウムの時間依存挙動:兵器テストとチェルノブイリによる放射性降下物の移動度を比較するための新しい方法

タイトル:放射性セシウムの時間依存挙動:兵器テストとチェルノブイリによる放射性降下物の移動度を比較するための新しい方法

著者:スミスJ. T., クラーケR. T., サクセンR.

典拠:環境放射能ジャーナル、49巻、1号、65-83頁、2000年5月。

DOI:http://dx.doi.org/10.1016/S0265-931X(99)00088-0

キーワード:放射性セシウム、動力学、チェルノブイリ、河川、移動性

概要:環境中の放射性セシウムは主に二つの発生源、大気中核実験とチェルノブイリ事故による。我々の知る限り、これらの2つの発生源からの環境中の移動性の変化を比較することは、兵器テストによる放射性降下物が数年間で複雑に変化したこともあり、これまで統計的には可能ではなかった。兵器テストによる放射性降下物といった場合の時間依存入力を伴う機能曲線フィッティングの測定のための新しい技術が現れた。異なるモデルをフィンランドの主要5河川におけるチェルノブイリ事故前後の放射能濃度の測定結果に適合させた。フォールアウト後の数年間においてこれら2つの発生源からの移動度の時間的変化に有意差はなかったことが示された。兵器試験測定から導かれた転送パラメータによって、チェルノブイリの放射性降下物によるこれらの河川の長期汚染に関する良い予測が得られた。チェルノブイリ後の河川における放射能濃度の推移は、集水域土壌中の粘土鉱物の遅い吸収の結果として、減少することが予め示されていた。兵器テストによる放射性降下物も時間をかけて同様の緩やかな減少を示したことが分かった。放射性降下物後の10年における放射能濃度の減少割合は、10-30年間の範囲における実際的な生態学的半減期(Teff)に対応している。集水域からの放射能の除去はこれらの河川の放射能濃度の長期的減少に有意な影響を及ぼさないことが分かった。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X99000880

チェルノブイリ立入禁止区域における草原地帯の土壌中の放射性核種の鉛直分布

タイトル:チェルノブイリ立入禁止区域における草原地帯の土壌中の放射性核種の鉛直分布

著者:ボッセP., ガストベルガーM., ゴーラH., ホーファーP., ハブマーA.

典拠:環境放射能ジャーナル、73巻、1号、87-99頁、2004年。

DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.jenvrad.2003.08.004

キーワード:チェルノブイリ、放射性核種、土壌中の垂直移動

概要:チェルノブイリ原発の南東約8キロ地点の5つの土壌断面で放射性核種の鉛直分布について調査した。その地点の137Csの平均インベントリーは約2.6 MBq/m 2であった(参照日1986年5月1日)。137Cs以外では、以下のような放射性核種が同定されている(括弧内はCs137に対する放射線比率)、すなわち134Cs (0.537)、125Sb (0.068)、60Co (0.0022)、154Eu (0.016)、155Eu (0.020)、94gNb (9.5E-5)、239/240Pu (0.0088)、238Pu (0.040)、90Sr (0.30)および241Am (0.011)である。明白な垂直移動速度は0.14~0.26cm/aの間で、明白な分散係数の範囲は0.02~0.13cm2/aであった。さまざまな放射性核種の速度のランキングは(Sr, Cs, Sb, Co, Pu)

チェルノブイリ原発事故後のドニエプル川流域の成分および黒海の生態系におけるストロンチウム90の分布と移行

タイトル:チェルノブイリ原発事故後のドニエプル川流域の成分および黒海の生態系におけるストロンチウム90の分布と移行

著者:ミルゾイェヴァN. Yu., エゴロフV. N., ポリカルポフG. G.

典拠:環境放射能ジャーナル、印刷中、校正済、オンライン閲覧可、2013年3月21日。

デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/j.jenvrad.2013.02.011

キーワード:チェルノブイリ事故、ドニエプル川流域、黒海、90Sr、再分布、予測、査定線量

概要:►水界生態系におけるストロンチウム90の濃度の変化の規則性について検討した。►事故前のレベルまでのストロンチウム90濃度減少のための時間について予測した。►水生生物個体にとってのストロンチウム90 CF値は事故エリアからの距離に依存していなかった。►ストロンチウム90は底質の年代特定のための放射性トレーサーとして有用である。►事故期間後にストロンチウム90から水生生物個体が受けた線量を測定した。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X13000489

チェルノブイリの解決 vs. 誘導結合プラズマ質量分析法によって測定されたプルトニウム原子比を用いてのポーランドの土壌中のグローバルフォールアウトの寄与

タイトル:チェルノブイリの解決 vs. 誘導結合プラズマ質量分析法によって測定されたプルトニウム原子比を用いてのポーランドの土壌中のグローバルフォールアウトの寄与

著者:ケトラーM. K., ハファーK. M., ミエテルスキJ. W.

典拠:環境放射能ジャーナル、73巻、2号、183-201頁、2004年。

デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/j.jenvrad.2003.09.001

キーワード:チェルノブイリ、汚染、プルトニウム、ポーランド、土壌、同位体比、誘導結合プラズマ質量分析法

概要:ポーランドの森林土壌およびBór za Lasem 泥炭地中のプルトニウムは、チェルノブイリと、予め調製したNdF3α分光測定ソース中のα240Pu/239Puと241Pu/239Pu原子比の誘導結合プラズマ質量分析によるグローバルフォールアウトの寄与の間で解決される。グローバルフォールアウトと比較すると、チェルノブイリのプルトニウムは240Puと241Puの高い存在量を示している。森の中での240Pu/239Puおよび241Pu/239Puの比率はそれぞれ0.348~0.186、0.0029~0.0412の範囲で共変動する(241Pu/239Pu=0.2407×[240Pu/239Pu]−0.0413; r2=0.9924)。二成分混合モデルが239+240Puと241Puの放射能を配分するために開発された。森林土壌におけるチェルノブイリに由来する239+240Puの割合の様々な見積もりはサンプルセットで10%から90%の範囲である。240Pu/239Pu–241Pu/239Pu原子比混合ラインをチェルノブイリのソースタームの241Pu/239Puと241Pu/239+240Puの放射能比率を推定するために外挿する(0.123±0.007; 83±5; 1986年5月1日)。241Puの放射能のサンプル、既存のアルファ分析法を用いて算出された239+240Puの放射能、240Pu/239Puおよび241Pu/239Pu原子比はこれまでの液体シンチレーション分光測定と比較的よく一致した。チェルノブイリのプルトニウムはポーランド北東部のロケーションにおいて最も顕著である。241Puの放射能および/または241Pu/239Puの原子比は、ポーランド南部で見つかったチェルノブイリによる239+240Puの少量のインプットを検出した際における240Pu/239Puまたは238Pu/239+240Puの放射能比率よりも感受性が高い。質量分析データが示しているのは、ポーランド南部における241Puの放射能の40~62%はチェルノブイリ由来であり、ポーランド北部におけるその58~96%はチェルノブイリによるものである。 ポーランド南部のOrawsko-Nowotarska渓谷にあるBór za Lasem 泥炭地(北緯49.42°、東経19.75°)はグローバルフォールアウトのプルトニウムからできている。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X03002522

自然条件での土壌におけるチェルノブイリ燃料粒子の溶解動力学

タイトル:自然条件での土壌におけるチェルノブイリ燃料粒子の溶解動力学

著者:カシュパロフV. A., アハムダッチN., ズヴァリッチS. I., ヨシチェンコV. I., マロシタンI. M., デヴィアL.

典拠:環境放射能ジャーナル、72巻、3号、335-353頁、2004年。

デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/j.jenvrad.2003.08.002

キーワード:チェルノブイリ、燃料粒子、溶解動力学、ストロンチウム90、モビリティ、土壌

概要:自然環境条件下での燃料粒子の溶解速度論について、1995年から1997年の間にチェルノブイリ原子力発電所50キロゾーン内で採取された土壌中のストロンチウム90のスペシエーションのデータを使用して研究されている。土壌の酸性度(pH=4–7)に対する燃料粒子の溶解定数の依存性が、膨大で統計的に信頼できる実験データに基づいて得られた。それらの結果、ストロンチウム90のアクティビティの2~21%は耐性燃料粒子の風化と関連付けられている。したがって、それらの粒子が近い将来放射線状況に影響を与えることはない。主要農薬特性マップおよび燃料粒子の溶解定数のマップが30キロゾーンの地域において作成されている。調査したゾーン内における燃料粒子の溶解のダイナミクスの予後によれば、現時点での放射性降下物の燃料経路に沿った放射線状況は安定状態に達している。ニュートラルな土壌におけるストロンチウム90のモバイルフォームの絶対的内容の増加は今後10〜20年の間に観察されるであろう。しかし、モバイルフォーム内容の最大レベルとそれらの既存の内容の差が20%を超えることはない。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X03002340

チェルノブイリ事故の結果としてのベラルーシにおけるヨウ素131の堆積評価のための土壌中のヨウ素129とセシウム137の利用

タイトル:チェルノブイリ事故の結果としてのベラルーシにおけるヨウ素131の堆積評価のための土壌中のヨウ素129とセシウム137の利用

著者:ミロノフV., クドリャショフV., イユF., ライズベックG. M.

典拠:環境放射能ジャーナル、59巻、3号、293‐307頁、2002年。

デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/S0265-931X(01)00080-7

キーワード:チェルノブイリ、ヨウ素129、ヨウ素131、セシウム137、土壌

概要:ヨウ素131とセシウム137の放射能測定値とヨウ素129の核化分析(NAA)および加速器質量分析(AMS)を利用して、ベラルーシの土壌における131I/137Csおよび129I/137Csの比率を測定した。ベラルーシにおけるチェルノブイリ事故前の129I/137Csの比率は核兵器の放射性降下物から予想された値よりもはるかに大きいということが分かった。チェルノブイリ事故について、この結果は放射性雲の移行と堆積中のヨウ素とセシウムの分画が比較的少なかったという仮説を支持するものである。137Cs >300 Bq/kgを示す地点においては、ヨウ素129によってチェルノブイリによるヨウ素131の堆積のより信頼性の高い遡及推計を得られる可能性がある。しかし、この結果が示しているのは、セシウム137によっても適切に(±50%)ベラルーシにおけるヨウ素131の見積りを出すことができるということである。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X01000807

非破壊的方法によるチェルノブイリ事故および核兵器爆発によるホットパーティクルの分類

タイトル:非破壊的方法によるチェルノブイリ事故および核兵器爆発によるホットパーティクルの分類

著者:ジェルトノジュスキーV., ムックK., ボンダルコフM.

典拠:環境放射能ジャーナル、57巻、2号、151‐166頁、2001年。

デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/S0265-931X(01)00013-3

キーワード:ホットパーティクル、チェルノブイリ、兵器テスト、放射性降下物、特徴づけ、分類

概要:チェルノブイリ事故および核兵器爆発の後、放射性物質の凝集体、いわゆるホットパーティクルが放出あるいは形成され、気体またはエアロゾルの形で放出された放射能とは全く異なる環境における挙動を示す。それらのパーティクルの特性、放射性核種の組成およびウランおよびアクチニドの内容の違いについて詳細に取り上げた。核兵器のホットパーティクル(核分裂および核融合爆弾による)が検出可能な微量の60Coと152Euを含むのに対し、チェルノブイリのホットパーティクルにはそれらの放射性核種はない。対照的に、チェルノブイリのホットパーティクルには、核兵器のそれにはない125Sbと144Ceが含まれている。明らかな違いは核融合爆弾と核分裂爆弾のホットパーティクルの間にも見られ(顕著な違いは152Eu/155Eu、154Eu/155Euおよび238Pu/239Pu比である)それによって出所不明のホットパーティクルの識別が容易になる。チェルノブイリのホットパーティクルの239Pu/240Pu比は1:1.5の非破壊的方法によって測定できる。Kα放出の測定で非放射性元素の含有量を決定する非破壊的方法は、パーティクル内で非アクティブのZr、Nb、FeおよびNiが確認できたことで開発された。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X01000133

放射性廃棄物の貯蔵および処理工場周辺およびチェルノブイリ原発ゾーン内のヨーロッパアカマツの微生物集団に対する人為的影響の生物指標

タイトル:放射性廃棄物の貯蔵および処理工場周辺およびチェルノブイリ原発ゾーン内のヨーロッパアカマツの微生物集団に対する人為的影響の生物指標

著者:ゲラスキンS. A., ジミナL. M., ディカレフV. G., ディカレヴァN. S., ジミンV. L., ヴァシリエフD. V., オウダロヴァA. A., ブリノヴァL. D., アレクサヒンR. M.

典拠:環境放射能ジャーナル、66巻、1-2号、171-180頁、2003年。

デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/S0265-931X(02)00122-4

キーワード:生物指標、ヨーロッパアカマツ、染色体異常、チェルノブイリ事故

概要:チェルノブイリ原発の30kmゾーン内の異なる放射能汚染レベルの地点および放射性廃棄物の貯蔵および処理工場(レニングラード州ソスノヴィ・ヴォル市近郊のラドンLWPE)周辺で生育したヨーロッパアカマツ(Pinus sylvestris, L.)の微生物集団からの生殖(種子)および栄養(針葉)サンプルの細胞遺伝学的異常の周波数スペクトルの比較分析の結果が出された。得られたデータは、樹木の微生物集団環境における遺伝毒性汚染物質の存在を示していた。チェルノブイリ30kmゾーンでの電離放射線の影響と比べると、化学毒素がソスノヴィ・ヴォル地域の環境汚染の主な原因である。ラドンLWPE地域およびソスノヴィ・ヴォルの中心で生育したヨーロッパアカマツ種子の高い放射線耐性が高い値のγ放射線と共に明らかになった。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X02001224

福島に課された大規模クリーンアップ

タイトル:福島に課された大規模クリーンアップ

著者:ブルムフィルG.

典拠:ネイチャー、472、146-147頁、2011年。

デジタルオブジェクト識別子:10.1038/472146a

キーワード:放射性同位元素、海洋汚染、チェルノブイリ、日本、ウクライナ、福島第一原子力発電所

概要:日本の福島第一原子力発電所で損壊した原子炉に関わるクリーンアップ戦略に本論は焦点を当てている。環境および放射線健康の専門家であるコロラド州立大学のウォード・ウィッカーは、海洋環境中の放射性核種濃度を監視するためには原発事故の場所でのサンプリングの取り組みが必要であると述べている。さらに、1986年ウクライナにおけるチェルノブイリ原発事故における同様の戦略についても考察されている。

URL:http://www.nature.com/news/2011/110411/full/472146a.html

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