カテゴリー「生態・環境」
タイトル:チェルノブイリの主要放射性廃棄物埋設施設からの放射性核種の移行に対する地質の影響(レビュー)
著者:ジェポS. P., スカルスキーA. S., ブガイD. A., マルチュクV. V.[地質科学研究所、キエフ(ウクライナ)], ウォーターズR. D.[サンディア国立研究所、ニューメキシコ州アルバカーキ(米国)]
典拠:1994年3月。
デジタルオブジェクト識別子:10.2172/10135061
キーワード:放射性廃棄物処理、ウクライナ、放射性核種、地質
概要:本論文は、チェルノブイリ原子力発電所(Ch. NPP)に隣接する主要な放射性廃棄物(RW)埋設施設における廃棄物の閉じ込めに関するいくつかの研究機関の最近の水文地質調査を要約したものである。地質条件や放射線学地下水の汚染レベルについて取り上げられている。継続中の地下水監視の実践が評価されている。埋設現場内の放射性核種の化学的および物理的特性について検証されている。RWの処分場の問題に関連する地下水と放射性核種の輸送モデリング研究についても見直された。水文環境上のRW埋設サイトおよびCh.NPPエリアの水資源の将来的影響に関する現在の懸念について検討されている。
URL:http://www.osti.gov/bridge/product.biblio.jsp?query_id=2&page=0&osti_id=10135061
タイトル:チェルノブイリ事故後のブリャンスク・ゴメリ地域における人間および環境汚染の現在の動向
著者:ヒレR、ヒルP., ハイネマンK., ラムザエフV., バルコフスキA., コノプリャV., ネスR.
典拠:放射線と環境生物物理学、39(2)、99-109頁、2000年6月。
キーワード:汚染、ブリャンスク・ゴメリ、土壌、食品
概要:1991年まで、1986年のチェルノブイリ事故後の環境、食料、そして人間に対する放射能汚染の経時的進行は、土壌中の移行プロセス、放射性崩壊および保護措置によって減少するものと考えられていた。この見解は事故後の最初の数年間であらゆる測定によって確認された。しかい1991年以降、この進行状況に変化が見られ、多くの測定で停滞が、またいくつかのケースでは食料品と人間の汚染の増加さえもが示されるようになった。平均的なローカル·グラウンド汚染を基準にした場合、食料品の少数グループ(例えばジャガイモ)が放射能のわずかな減少を示しているのみである。本論では、1991年以降の測定値に基づいてブリャンスク・ゴメリ地域における放射能汚染の時間的動向を報告する。長期的線量評価の結果について検討を行う。
URL:http://link.springer.com/journal/411
タイトル:チェルノブイリ原子力発電所事故後の人類以外の種の放射線照射の影響
著者:ゲラシキンS. A., フェセンコS. V., アレクサヒンR. M.
典拠:国際環境、34(6)、880-897頁、2008年8月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.envint.2007.12.012
キーボード:チェルノブイリ原発事故、放射能汚染、線量、生態的・生物学的影響
概要:1986年のチェルノブイリ原発事故による影響を受けた地域は、環境要因の範囲内における急激な変化の長期に渡る生態学的結果および生物学的結果および選択の傾向と強度を自然の設定の中で調査できるユニークな実験サイトとなった。生物相へのチェルノブイリ事故の影響は変異誘発の強化率から生態系レベルでの損傷までいろいろあった。本報告では、チェルノブイリ立入禁止区域に20年以上生息する動植物の生物学的効果の長期調査の鍵となるデータを包括的に集めた。放射線の影響の深刻度は事故後早期に受けた線量に強く関わっている。最も被ばくした植物群落や土壌動物のコミュニティは種組成の変化および生物多様性の減少に依存した線量を示した。反対に、小型哺乳類の数量もしくは分類学的多様性の減少は最も放射能の高い生息地でも全く見られなかった。大半の研究で、チェルノブイリゾーンにおける植物および動物の集団における事故後の初めの数年間における突然変異率の高い増加が報告されている。ほとんどの場合、用量‐効果の関係は非線形で、単位線量あたりの突然変異率は低線量および線量率において高かった。その後の数年間における放射線バックグラウンド率の低下は突然変異率の減少よりも速く発生した。植物や動物の集団が慢性被ばくへの適応の兆しを示している。強化された被ばくレベルに適応する際には、遺伝子発現調節のエピジェネティックなメカニズムの本質的な役割が見られた。チェルノブイリ原発事故の研究に基づき、本報告では、生態学および生物学的効果が観察される最小線量を見積もる試みがなされた。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412007002474
タイトル:河川底質におけるチェルノブイリ由来の放射性核種の蓄積と潜在的な溶解
著者: 真田幸尚、松永武、柳瀬信之、長尾誠也、天野光、高田秀重、トカチェンコYu.
典拠:応用放射線・同位体:農業、工業、医学で使用するためのデータ、器具、メソッドを含む、56(5)、751-760頁、2002年5月。
キーワード:放射性核種、セシウム137、ストロンチウム90
概要:チェルノブイリ原発事故による放射性核種で汚染された地域がチェルノブイリ原発付近のプリピャチ川において確認された。その河川底質コアにはセシウム137(10(5)-10(6) Bq/m2)が0-30㎝の深さ内で含まれ、その濃度は原子力発電所付近(立入禁止区域)の地上土壌中に匹敵する。堆積物コアにも事故によって分散されたストロンチウム90(10(5) Bq/m2)、プルトニウム239/240(10(4) Bq/m2)、アメリシウム(10(4)Bq/m2)が蓄積されている。核燃料パーティクルのいくらかは20〜25センチの深さにおいて保存されており、そこは放射性核種濃度の最も高いエリアである。底質におけるそれらのインベントリは事故中に放出された放射性核種のそれに匹敵する。選択的連続抽出法を用いた解析が底質の放射線核種に応用された。その結果、底質からセシウム137、プルトニウム239/240が放出される可能性は、ストロンチウム90と比較すると低いことが分かった。河川底質からのストロンチウム90の潜在的な溶解およびそれに続く輸送はストロンチウム90のその後の輸送は水域環境に対する長期放射線影響と関連して考慮されるべきである。
URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11993951?dopt=Abstract
タイトル:福島第一原子力発電所から約20キロ地点で収集された土壌中の放射性核種の比放射能と放射能比:南および南西への放射性核種の放出
著者:田上恵子、、内田滋夫、内堀幸夫、石井伸昌、北村尚、白川芳幸
典拠:全体環境科学、409(22)、4885-4888頁、2011年10月。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/j.scitotenv.2011.07.067
キーワード:放射能比、福島第一原子力発電所、土壌、セシウム137、セシウム134、ヨウ素131
概要:►土壌サンプルが福島第一原子力発電所の南約20キロで収集された。►ヨウ素131、セシウム134/136/137およびテルル129mの濃度が得られたが、ルテニウム103については得られなかった。►これは、放出においては希ガスおよび揮発性の放射性核種が優勢であることを示している。►発電所の南方におけるセシウム134/セシウム137の放射能比は約0.90であった。
URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21906779?dopt=Abstract
タイトル:チェルノブイリエリアにおける粗い燃料ホットパーティクルの再懸濁
著者:ワーゲンファイルF., チーァシJ.
典拠:環境放射能ジャーナル、52(1)、5-16頁、2001年1月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/S0265-931X(00)00081-3
キーワード:再懸濁、チェルノブイリの放射性降下物、ホットパーティクル、エアロゾルサンプラー、デジタルオートラジオグラフィー
概要:チェルノブイリの30キロの立入禁止区域における再懸濁エアロゾルの測定で、粒子あたり1-12Bqの放射能範囲で粗い燃料ホットパーティクルが見られた。粒子は、新たに設計された回転腕衝撃装置を用いてサンプリングされ、同じ実験中に同時に3つのサンプル、幾何学的直径が3μm以上、6μm以上、9μm以上の範囲が収集された。γ-分析後に決定された放射性核種の比率は、事故時のチェルノブイリ原発の放射性核種組成物および事故後数年間の内に土壌中の測定されたホットパーティクルのための理論的な計算とよく一致した。空気中のホットパーティクルの数濃度はデジタルオートラジオグラフィーから導かれた。風の再懸濁は、千立方メートル当たり2.6のホットパーティクルの最大濃度および農作業中の千立方メートルあたり36の粗いホットパーティクルが測定された。単一のホットパーティクルの幾何学的直径は6から12μmの間と推定された。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X00000813
タイトル:チェルノブイリ・データ使用による汚染物質の長距離分散のための数値シミュレーション
著者:ソK. S., ハンM. H., チョンS. H., リーC. W.
典拠:数理・コンピュータモデリング、49(1-2)、337-343頁、2009年1月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.mcm.2008.01.008
キーワード:ラグランジュ粒子モデル、チェルノブイリ、感度試験、混合層高度
概要:ラグランジュ粒子モデルが開発され長距離大気拡散に応用されてきた。開発された数値モデルは、チェルノブイリ事故後にヨーロッパ地域全体で記録されたセシウム137の空気中濃度の予測との比較によってテストされている。感度試験は、モデル内の混合層高度と拡散係数といったパラメータなどの変化に応じて数値の精度を調べるために行われた。比較研究によれば、計算された濃度分布は拡散係数値の変化よりは混合層高度の変化に対してより敏感であった。また、計算された濃度はいくつかのサンプリングポイントにおいて測定されたものの時系列と一致した。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0895717708000459
タイトル:環境中におけるキノコによる放射性セシウムの蓄積:文献レビューと画像ギャラリー
著者:ダフM., メアリー・ラムジーM
典拠:環境放射能ジャーナル、2006年11月5日。
キーワード:54 環境科学、汚染、画像、キノコ、サンプリング、ソースターム、セシウム137、生物学的累積、セシウム134
概要:この50年間、環境における放射性核種の蓄積もしくは「センチネル型」生物について多くの情報が公にされてきた。それらの研究は主にトナカイや人間といった高等生物に対する放射性核種の食物連鎖移動のリスクに焦点を当てている。しかし、1980年代から1990年代まではキノコによる放射性セシウム(134Csおよび137Cs)の蓄積に関するデータはほとんど知られていなかった。本発表では、自然界のキノコによる134/137C蓄積に関して公表されたデータの見直しを行う。レビューでは、サンプリングの時間、サンプル位置の特性、放射性セシウムのソースターム、そしてキノコによる134/137セシウムの取り込みを促す他の局面について考える。本レビューは、放射性セシウム汚染の環境バイオモニタリングで用いる大きな傾向を実証するような、キノコに関する公表データに焦点を当てる。また、バイオモニタリングのための収集を容易にするため、これらのキノコが多く生息する場所の写真や解説を提供する。
URL:http://www.osti.gov/bridge/product.biblio.jsp?query_id=2&page=0&osti_id=895047
タイトル:チェルノブイリであまり影響を受けなかったフランスの諸地域の土壌インベントリによって推定された大気圏内核兵器実験による人工放射性核種の沈着
著者:ル·ルーG., デュッファC., ヴレイF., ルノーP.
典拠:環境放射線ジャーナル、101(3)、211-218頁、2010年3月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.jenvrad.2009.10.010
キーワード:大気沈着、セシウム137、プルトニウム、アメリシウム、核兵器実験、フランス
概要:人工放射性核種の土壌インベントリが、サヴォワおよびモンターニェ・ノイレのフランスの2つの地域の標高トランセクトにおいて調査された。チェルノブイリ事故後これらの2地域において雨はごくわずかだった。したがって人工放射性核種は大気圏内核兵器実験後のグローバルフォールアウトからのみ来たものと考えられる。このことはグローバルフォールアウト値に近い同位体の記号により確認される(238Pu/239+240Pu、137Cs/239+240Pu、および241Am/239+240Pu)。サヴォワでは、210pbexによって年代が推定された泥炭コアによって、人工放射性核種の沈着の主要部分は60年代後半と70年代初期に起こったことが確認された。先行研究によれば、人工放射性核種の土壌インベントリは毎年の沈殿と深い関係がある。しかし、年間降水量つまり人工的な放射性核種沈着のこのような大規模パネル調査を行った研究は初めてのことである。高高度地点で人工放射性核種の沈着が高いのは、おそらく地形性降水によるものと考えられる。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X09002434
タイトル:チェルノブイリ原発事故による被害地域における生物相と人間に対する放射線影響の比較
著者:フェセンコS. V., アレクサヒンR. M., ゲラシキンS. A., サンジャノヴァN. I., スピリンYe. V., スピリドノフS. I., ゴンタレンコI. A., ストランドP.
典拠:環境放射能ジャーナル、80(1)、1-25頁、2005年1月。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1016/j.jenvrad.2004.08.011
キーワード:放射線防護、チェルノブイリ事故、放射線影響、非ヒト種、人間
概要:放射線影響要因(RIF)の使用に基づく、人間および非ヒト種に対する電離放射線影響の比較評価のための方法論的アプローチで、生物相の種に対する実際の被ばく線量と人間の臨界線量の比率を取り上げた。人間の放射線被曝を制限する放射線安全基準に合い、チェルノブイリ事故後に非ヒト種において放射線生物学的影響が観察されなかった線量が用いられた。チェルノブイリ原発から30㎞以内の調査地域で10の生物相の参照グループと住人(避難者および非避難者)に対する線量と対応するRIFを算出した。1986年(事故後初期)には人間への緊急放射線基準は環境、人間よりも影響を受ける可能性のある種の適切な保護を保証するものではなかった。1991年には人間のRIFは、選択された非ヒト種のそれと比較して大幅に高かった(20.0-1.1×10 5 倍)。そのため、事故後長期に渡って人間の放射線安全基準が生物相の放射線安全を確保するためにも示されている。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0265931X04002620