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カテゴリー「生態・環境」

チェルノブイリ近郊の放射性汚染地域における猛禽類の豊かさの減少

タイトル:チェルノブイリ近郊の放射性汚染地域における猛禽類の豊かさの減少

著者:メラーA. P., ムソーA.

典拠:鳥類学ジャーナル、150(1)、239-246頁、2009年1月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1007/s10336-008-0343-5

キーワード:猛禽類、捕食者、チェルノブイリにおける放射線、栄養段階

概要:捕食者を含む希少動物数種が観測されたという話により、チェルノブイリ周辺の放射能汚染の負の生態影響が中和され減少していると最近言われている。しかし、これらの話は経験的な証拠に基づくものではなかった。放射性核種は栄養段階とバイオ蓄積を示しており、チェルノブイリ周辺の放射能汚染地域における鳥の豊かさは抑圧されている。そこで、猛禽類は放射線レベルの増加とともに豊かさが減少すると我々は予測した。標準化されたポイント数を利用した猛禽類の観察、猛禽類がいたり、道路走行中にラインを横断する時に習慣的にアラームコールを与える捕獲中のツバメ(Hirundo rustica)の調査に対する3つの異なる分析において、1991年から2007年の長期フィールドデータを使用した。分析の結果、汚染された地域で猛禽類の豊かさは減少しているが、より汚染が少ない地域においては猛禽類の豊かさが増加しているとの証拠があり、最も汚染された地域にはないということが分かった。これらの発見により、生態系においてトップレベルの消費者である猛禽類の豊かさは放射能汚染地域において脅かされていることが分かった。

URL:http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10336-008-0343-5

歴史的突然変異率はチェルノブイリの鳥類における放射線への感受性を予測する

タイトル:歴史的突然変異率はチェルノブイリの鳥類における放射線への感受性を予測する

著者:メラーA. P., エリトゾーJ., カラダスF., ムソーT. A.

典拠:進化生物学ジャーナル、23(10)、2132-2142頁、2010年8月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1111/j.1420-9101.2010.02074.x

キーワード:酸化防止剤、鳥、極端な環境摂動、ミトコンドリアDNA、置換率

概要:極端な環境摂動はまれであるが、重要な進化上の結果をもたらす可能性がある。現在の摂動に対する反応は、過去の進化における同様の条件に対する生物の能力に関する重要な情報を提供してくれる可能性がある。チェルノブイリによる放射能汚染は、動物や植物の異なる種のローカルな個体群密度と突然変異率に対する有意であるがきわめて可変的なインパクトと共に、そのような極端な摂動を生み出している。我々は、過去の環境摂動中にチトクロムミトコンドリアDNA塩基対置換率に反映されるように、豊富さに対して放射線が強い影響を持つ種は歴史的変異の蓄積率の高い種であるという仮説を明示的に検証した。32種の鳥のデータセットを使用し、て、ローカルな個体群密度に対する放射線のローカルレベルの最も否定的な影響をもつ種における、ミトコンドリアの歴史的な高い置換率を示した。これらの影響を豊富さ、サンプルサイズによる豊富さの推定値の重み付け、一般的な系統発生降下による種間の反応における類似性の統計的管理、個体数規模と長寿の効果に対する放射線の影響の異なる推計に移行した。したがって、チェルノブイリの放射線の影響に強く反応する種は、ミトコンドリアDNAにおける高い置換率を持たらした要因の影響を過去に最も受けていた種でもあるといえる。

URL:http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1420-9101.2010.02074.x/abstract

山腹斜面森林環境における表面土壌浸食期間における土壌有機炭素と過剰鉛210およびセシウム137との関係

タイトル:山腹斜面森林環境における表面土壌浸食期間における土壌有機炭素と過剰鉛210およびセシウム137との関係

著者:テラマゲM. T., 恩田裕一、加藤弘亮、脇山義史、水垣滋、平松晋也

典拠:Geoderma、192、59-67頁、2013年1月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.geoderma.2012.08.030

キーワード:セシウム137、過剰鉛210、分布、放射性核種、土壌。 SOC

概要: ►我々は森林環境におけるSOCと過剰鉛210およびセシウム137との相関を評価を行った。►SOCは、セシウム137に対するよりも過剰鉛210に対して強力かつ持続的な親和性を示した。►森林土壌においてはSOCと過剰鉛は天然の源から連続的に補充されている。►過剰鉛210のモデルは、世界中の森林でSOCをトレースするのに役立つ。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0016706112003254

チェルノブイリにおける放射線被爆による鳥類個体数減少は亜メラニンを体色のベースとする種でより激しい

タイトル:チェルノブイリにおける放射線被爆による鳥類個体数減少は亜メラニンを体色のベースとする種でより激しい。

著者:ガルヴァンI., ムソーT. A., メラーA. P.

典拠:生態学、165(4)、827-835頁、2011年4月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1007/s00442-010-1860-5

キーワード:ユーメラニン、グルタチオン、亜メラニン、羽の色、放射能汚染

概要:ユーメラニンと亜メラニンは脊椎動物の外皮に色を提供する最も一般的な色素である。亜メラニンは細胞内の基本的な抗酸化物質(グルタチオン、GSH)を高いレベルで必要とするが、ユーメラニンはGSHによって阻害される。これはつまり、亜メラニンを大量に産生する分子基盤を有する種は、ユーメラニンを生産する種よりも、酸化的ストレスを生成する環境条件への対応がより制限されるということである。電離放射線曝露は、フリーラジカルを生成し、抗酸化剤の源を枯渇させる。GSHは放射線の影響を特に受けやすいため、亜メラニン外皮が大きな割合を有する種は酸化ストレスに抗するためのGSHの利用可能性によって制限され、より多くの放射線影響を蒙る。我々は、チェルノブイリ周辺の様々な放射能汚染レベルを持つ地域で調査された97種の鳥で、この仮説を検証した。カロテノイドを基礎とする色素、体格、一般的な系統発生の降下による分類群間の類似で統制してみると、ユーメラニン色素の羽の割合は全く影響が見られなかった一方、亜メラニンの割合は豊かさと放射線レベルの間の関係の傾斜の推定値と負の関係で強く関連していた。これは、メラニンを基礎とする色素が持つ電離放射線の影響に抵抗する能力に関する初の報告である。カロテノイドに基づく色素を示す、大きな体の質量を有する種においても、個体数の減少は強く見られた。個体数減少の規模は系統発生的の信号を比較的高く持っており、特定の鳥のグループ、特に非カラス科のスズメ目は、系統発生的慣性により放射能汚染の影響によって特に害を蒙りやすいことを示している。

URL:http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00442-010-1860-5

チェルノブイリ原発事故後の放射能汚染とクロアチアの住人が受けた実効線量

タイトル:チェルノブイリ原発事故後の放射能汚染とクロアチアの住人が受けた実効線量

著者:ロコバウエルN., フラニッチZ., バウマンA., マラチッチM., セザールD., センチャルJ.

典拠:環境放射能ジャーナル、41(2)、137-146頁、1998年11月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/S0265-931X(97)00006-4

キーワード:放射能汚染、クロアチア、ヒト、セシウム137、ストロンチウム90

概要:あらゆる核分裂生成物の沈着を促したチェルノブイリ原発事故によって、クロアチア共和国の人々をめぐる環境の汚染はそれ以前の20年間よりもきわめて深刻化した。本論は、特に人間の食物連鎖内における沈着の調査および核分裂生成物の放射性核種による汚染(特にセシウム137、ストロンチウム90)を扱っている。目的は、チェルノブイリ事故および大規模大気圏内核兵器テストによる汚染レベルの相違を確定することである。チェルノブイリ事故後の翌年、1歳の乳幼児、10歳の小児および成年における外部および内部被ばくによる放射線量が測定された。それぞれの年間実効線量は1.49、0.93、0.83mSvだった。本論は、核兵器テストとチェルノブイリ事故後のグローバルフォールアウトから数年間に渡る食品内へのセシウム137およびストロンチウム90の年間摂取量、またそれによってクロアチアの住人達が受けた実行線量に関するデータも提供する。

URL:http://www.franic.info/radovi/NLokobauer_Radiation_Contamination_after_Chernobyl.pdf

チェルノブイリ事故現場における放射性廃棄物管理や環境汚染問題

タイトル:チェルノブイリ事故現場における放射性廃棄物管理や環境汚染問題

著者:ネピアB. A., シュミーマンE. A., ヴォイツェコヴィチO.

典拠:保健物理学、93(5)、441-451頁、2007年11月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1097/01.HP.0000279602.34009.e3

キーワード:汚染、放射性廃棄物管理、チェルノブイリ立入禁止区域

概要:チェルノブイリ原子力発電所4号原子炉の破壊によって現場および(立入禁止区域と呼ばれる)周辺地域の放射能汚染の発生がもたらされた。その浄化活動の過程で、放射性廃棄物が大量に生成され、一時的な地表近くの一時的廃棄物貯蔵や処分施設に置かれた。1986年から1987年にかけて、原子力発電所から0.5-15㎞離れたチェルノブイリ立入禁止区域にトレンチタイプや埋め立てタイプの施設が設置された。これらの多数の施設は適切な設計書や人工バリア、水文地質調査無しに設立されたもので、現代的な廃棄物安全要件を満たしていない。事故直後、破壊された原子炉の上にシェルターが建設されたものの、建設時においてその安定性は不確かであった上に、シェルターの構造成分は腐食の結果劣化してきた。シェルターに潜在する主な危険性とは、最上構造の崩壊可能性および環境への放射性粉塵の放出である。100年の寿命を持つ新安全閉じ込め構造物(NSC)が、長期的な解決策として、既存シェルターを覆うカバーとして建設される計画である。NSCの構造によって、現在のシェルターの解体、高い放射性をもつ燃料含有物質の4号炉からの除去、損傷した原子炉の最終的な廃炉が可能になるであろう。NSCの建設、予定されるシェルター解体、燃料含有物質の除去、4号機の廃止措置の間に、さらなる放射性廃棄物が生まれる。立入禁止区域の将来的発展は、生態学的に安全なシステムに4号機を変換するための今後の戦略、すなわち、NSCの開発、現在のシェルターの解体、燃料含有物質の除去、事故現場の最終的な廃炉にかかっている。現在まで、原子炉事故現場および立入禁止区域における放射性廃棄物管理、特に高レベルと長寿命の廃棄物についての広く認知された戦略は開発されてない。

URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18049220?dopt=Abstract

チェルノブイリ事故ゾーンで捕獲されたネズミといったげっ歯類の組織内における酸化過程の調節

タイトル:チェルノブイリ事故ゾーンで捕獲されたネズミといったげっ歯類の組織内における酸化過程の調節

著者:シシキナL. N., クヂャシェヴァA. G., ザゴルスカヤN. G., タスカエフA. I.

典拠:放射線生物学、放射生態学、ロシア科学アカデミー、46(2)、216-232頁、2006年3月。

キーワード:放射能汚染、チェルノブイリ立入禁止区域、野生のげっ歯類、脂質過酸化

概要:1986年‐1993年の間にチェルノブイリ原発事故の30キロゾーンで捕獲された野生げっ歯動物の器官と組織における脂質過酸化(LPO)過程に対する放射能汚染の影響の調査結果を取り上げた。LPOの物理化学的な調節システム・パラメータの変化の動力に対する技術的な汚染効果の挙動および異なる放射線耐性野生げっ歯類の器官のリン脂質組成の全般的パラメータが、放射能汚染のレベルと放射線因子露出期間によって明らかにされた。野生げっ歯類の組織におけるLPO規制システム·パラメータの環境の放射能汚染に対する異なる感度、抗酸化状態の正常化に対するばらついた能力および組織内のエネルギー交換は、基準内での相互パラメータ間の相互関係の規模と特徴の変化をもたらし、細胞調節システムの別の機能レベルへの変遷による野生げっ歯類における質的に新しい亜集団の発展に影響を持つ。

URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16756119?dopt=Abstract

欧州広域拡散実験、チェルノブイリ、アルヘシラスのケースにおけるポリュフェモスプラットフォームの検証

タイトル: 欧州広域拡散実験、チェルノブイリ、アルヘシラスのケースにおけるポリュフェモスプラットフォームの検証

著者:クゥエロD., クリスタM., ブケットM., イスナルドO., ミニエルY., スポルティセB.

典拠:大気環境、41(26)、5300-5315頁、2007年8月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.atmosenv.2007.02.035

キーワード:放射性核種、チェルノブイリ、アルヘシラス、欧州広域拡散実験、大気質モデリング、ポリュフェモス、Polair3D、長距離移動

概要:本稿の目的は大気拡散を予測するために開発されたモデリングシステムである、放射性核種に特に焦点を当てたポリュフェモスプラットフォームの有効性を調査することである。プラットフォームを簡単に説明した上で、モデルとデータの比較を3つのケース、すなわち欧州広域拡散実験、チェルノブイリ事故、アルヘシラスにおける放出に基づいて報告した。結果は、最先端のモデルによって得られた文献上の結果と同様であった。予備的な感度分析によって不確定要素としての主要な放射線源が示された。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1352231007001677

チェルノブイリ事故起因の溶存態放射性核種と表面水中コロイドとの結合

タイトル:チェルノブイリ事故起因の溶存態放射性核種と表面水中コロイドとの結合

著者:松永武、長尾誠也、上野隆、武田聖司、天野光、トカチェンコYu.

典拠:応用地球化学、19(10)、1581-1599頁、2004年10月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.apgeochem.2004.02.002

キーワード:放射性核種、セシウム137、ストロンチウム90、プルトニウム、コロイド

概要:チェルノブイリ事故地域の表面水中において、溶存態のストロンチウム90、プルトニウム239,240、アメリシウム241と水中のコロイドとの結びつきを調査した。4段階の限外ろ過(UF)で調査した結果、チェルノブイリ原発(ChNPP)周辺の高度に汚染された地域のサハン川において、プルトニウム239,240、アメリシウム241の76%が10kDa(分画分子量、NMWL)より2サイズ分画大きいコロイドに偏在する一方、ストロンチウム90の大部分(85-88%)は1kDa(NMWL)以下の最も小さい分子サイズ分画内に見いだされた。一貫した結果は、ChNPPから約30㎞以内の他の地点を含む河川水、湖沼水の2段階(10kDa(NMWL)以上および以下)の分別によって得られた。プルトニウムおよびアメリシウムの同位体は高い分子サイズの溶存有機物と優先的に関連しており、それは、(i)少数の無機元素(Mg、Ca、Sr、Si、Mn、Al)のみがコロイドのサイズの範囲で見いだされた、(ii)280nmにおける溶存有機炭素(DOC)濃度およびUV吸光度間の正の相関、腐植物質(HS)の広い吸収ピーク特性が見られた、といった事実によって示されたとおりである。プルトニウムおよびアメリシウムの有機配位子としてのHSとの錯体形成におけるモデル計算が示しているのは、複合体化形態は1mgC L −1の低いDOC濃度で支配的であり得るということであり、そのことは内水面内の下限として一般的に検出された。本研究の結果、表面水系におけるアクチニドの化学形態を定める上での天然有機コロイドの一般的な重要性が示された。

URL:http://www.experts.scival.com/kanazawa/pubDetail.asp?id=2942700456&o_id=36

ウクライナのポレシエ地域の森林植生に対するチェルノブイリ原子力災害の影響

タイトル:ウクライナのポレシエ地域の森林植生に対するチェルノブイリ原子力災害の影響

著者:カレトニクM.(博士), パステルナクP.(博士), フリシュクS.(博士), ビフンY.

キーワード:

概要:1986年春、チェルノブイリにおける核爆発の余波により、ウクライナのポレシエ地域の森林地域のかなりの部分が放射性降下物によって汚染された。ウクライナの14.5%近くが森林に覆われているが、その森林地帯(約2,371,600ヘクタール)のほぼ4分の1(24.2%)がポレシエ地域にある。

URL:http://ces.iisc.ernet.in/hpg/envis/proceed/kaletnik.txt.html

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