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ラットのセシウム137慢性汚染:肝臓コレステロール代謝への影響

タイトル:ラットのセシウム137慢性汚染:肝臓コレステロール代謝への影響

著者:スイヂィM., ティサンヂーE., グランコラスL., グリソンS., パケF., ヴォワザンP., アイグパースJ., グメロンP., ゲゲンY.

典拠:International Journal of Toxicology、2006年11月、25巻、6号、493-497頁。

DOI: 10.1080/10915810600961317

キーワード:セシウム、チェルノブイリ、コレステロール、肝臓、ラット

概要:チェルノブイリ原発事故後、セシウム137で汚染された地域に住んでいるヒト集団の疫学研究によって、甲状腺癌の頻度の増加、また誘発された心血管疾患、ホルモン影響、肝改変および脂質障害が明らかとなった。実際、食物を介して長期間にわたってセシウム137への低レベル曝露を被ってきたこれらの地域に住んでいる集団にとって公共安全の問題となっている。そこで、こうした慢性汚染の潜在的影響について研究することが必要となった。実際の状況をまね、事故後の線量(150 Bq/rat/day)でのラットのコレステロールの肝代謝に対するセシウム137の慢性曝露の生物学的影響について検討した。血漿脂質レベル、遺伝子発現および放射能について分析した。セシウム137に被ばくしたラットにおいては低密度リポタンパク質受容体の遺伝子発現(LDLr)、アポリポタンパク質B(apoB)、および肝臓X受容体α (LXRα)が増加し(それぞれ95%, p < .05; 34%, p < .05; 20%, p < 0.05)、一方トランスポーター、アデノシン三リン酸結合カセットトランスポーターG5(ABCG5)が低下した (42%, p < .05)。さらに、汚染されたラットの肝臓においてチトクロームP450 27A1(CYP27A1)の放射能は増加した(34%, p < .05)。結論として、それらの結果は低レベルにおけるセシウム137の汚染は、肝臓のコレステロール代謝の分子改変を、その恒常性の調節不全を導くことなく、誘発させていることを示している。これらの結果が示しているのは、セシウム137の低レベルでの長期慢性曝露は脂質障害に発展することがありうるということである。 URL:http://ijt.sagepub.com/content/25/6/493

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