チェルノブイリ原子力発電所事故後の人類以外の種の放射線照射の影響
タイトル:チェルノブイリ原子力発電所事故後の人類以外の種の放射線照射の影響
著者:ゲラシキンS. A., フェセンコS. V., アレクサヒンR. M.
典拠:国際環境、34(6)、880-897頁、2008年8月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.envint.2007.12.012
キーボード:チェルノブイリ原発事故、放射能汚染、線量、生態的・生物学的影響
概要:1986年のチェルノブイリ原発事故による影響を受けた地域は、環境要因の範囲内における急激な変化の長期に渡る生態学的結果および生物学的結果および選択の傾向と強度を自然の設定の中で調査できるユニークな実験サイトとなった。生物相へのチェルノブイリ事故の影響は変異誘発の強化率から生態系レベルでの損傷までいろいろあった。本報告では、チェルノブイリ立入禁止区域に20年以上生息する動植物の生物学的効果の長期調査の鍵となるデータを包括的に集めた。放射線の影響の深刻度は事故後早期に受けた線量に強く関わっている。最も被ばくした植物群落や土壌動物のコミュニティは種組成の変化および生物多様性の減少に依存した線量を示した。反対に、小型哺乳類の数量もしくは分類学的多様性の減少は最も放射能の高い生息地でも全く見られなかった。大半の研究で、チェルノブイリゾーンにおける植物および動物の集団における事故後の初めの数年間における突然変異率の高い増加が報告されている。ほとんどの場合、用量‐効果の関係は非線形で、単位線量あたりの突然変異率は低線量および線量率において高かった。その後の数年間における放射線バックグラウンド率の低下は突然変異率の減少よりも速く発生した。植物や動物の集団が慢性被ばくへの適応の兆しを示している。強化された被ばくレベルに適応する際には、遺伝子発現調節のエピジェネティックなメカニズムの本質的な役割が見られた。チェルノブイリ原発事故の研究に基づき、本報告では、生態学および生物学的効果が観察される最小線量を見積もる試みがなされた。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412007002474
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