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ウクライナ、チェルノブイリ地域の高度汚染地のClethrionomys glareolus(ヨーロッパヤチネズミ)の遺伝的多様性

タイトル:ウクライナ、チェルノブイリ地域の高度汚染サイトのClethrionomys glareolus(ヨーロッパヤチネズミ)の遺伝的多様性

著者:マトソンC. W., ロジャースB. E., チェザーR. K., ベイカーR. J.

典拠:Environmental Toxicology and Chemistry、19巻、8号、2130-2135頁、2000年8月。

DOI: 10.1002/etc.5620190824

キーワード:集団遺伝学、Clethrionomys、放射線、チェルノブイリ、進化毒性

概要:放射性サイトでは、少なくとも二つのメカニズムが与えられた種の個体群の遺伝的多様性に影響を及ぼしうる。放射線被曝によって増加した突然変異率が集団における遺伝的多様性の量を増大させることがある。また、環境の劣化によって悪化した集団の隘路が多様性の減少につながる可能性がある。これら二つの相反する力の間の関係は複雑である。この関係を解明するには、集団内の遺伝子マーカーの長期モニタリングが必要である。ウクライナ、チェルノブイリの最も汚染された地域に住むハタネズミ (Clethrionomys glareolus) の集団遺伝学上の基礎データを得るために、ミトコンドリアDNA調節領域の291塩基対の配列を決定した。ハタネズミをモデル系として選択したのは、チェルノブイリ立入禁止区域内で最高レベルのセシウム134、セシウム137、ストロンチウム90の内部線量を有していたためである。3つ地理サイトをサンプリングしたが、ひとつはオラノエの放射能汚染がほとんどない参照サイト(<2 Ci/km2)、あとは二つの高度汚染サイト、すなわちグリボケ湖と赤い森(共に1,000 Ci/km2)である。赤い森の集団の遺伝的多様性(0.722 ± 0.024) は、オレノエの参照サイト(0.615 ± 0.039)よりもかなり大きかったが、グリボケ湖の遺伝的多様性(0.677±0.068)は中間だった。結論としては、実験集団と参照集団の歴史的・人口統計学的特性に関する長期試験が、自然集団の遺伝に対する環境汚染物質の生物学的影響を理解するのに集団遺伝学を取り込むために求められる。 URL:http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/etc.5620190824/abstract

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