個々のポスト・チェルノブイリ甲状腺乳頭がんにおけるRET/ PTC再配列の分布の不均一性
タイトル:個々のポスト・チェルノブイリ甲状腺乳頭がんにおけるRET/ PTC再配列の分布の不均一性
著者:アンガーK., ジッツェルスバーガーH., サルヴァトーレG., サントロM., ボグダノヴァT., ブラセルマンH., カストナーP., ズルナジーL., トロンコN., ハツラーP., トマスG.
典拠:臨床内分泌学&代謝学、89、4272-4279頁、2004年。
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概要:1986年にチェルノブイリで起こった原子力災害により、特定の病因に関連した甲状腺の乳頭癌という、ヒト腫瘍タイプの分子遺伝学を研究する稀有な機会が与えられた。我々はポスト・チェルノブイリ甲状腺乳頭癌(n = 29)、濾胞性甲状腺腺腫(n=2)、濾胞性甲状腺癌(n=1)におけるRET再配列を、パラフィン包埋組織切片のin situハイブリダイゼーション間期蛍光(FISH)解析によって分析した。パラフィン切片は腫瘍が存在したことを確認するために使用前に顕微解剖された。重複信号に加え、分割FISHシグナルの存在について細胞核がスコア化(赤と緑のシグナルに分離)された。2つの重複する信号もしくは1分割および1重複信号をもつ細胞のみが、唯一の完全な細胞核のみがスコア化されたことを確認するためにカウントされた。合計で、32症例中の23(72%)がFISHの間期分析によって診断されたRET再配列を示した。全ての症例において、腫瘍はFISHのRET転位を伴うもしくは伴わない細胞の混合物から構成されていた。いくつかの症例では、再配置細胞のクラスタリングは同じ腫瘍結節内で検出されたため、この分布は明らかにランダムである。結果的に、FISHの再配置の陽性症例のわずか31%がRT-PCRを使って陽性と記録された。これらの発見により、RET/ PTC再配列は腫瘍細胞の大部分には存在しないため、ポスト・チェルノブイリ甲状腺乳頭腫瘍の細胞は多クローン性の起源を持つか、RETの再配列は後の下位クローンの事象であることが示された。
URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15356021
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