放射線関連の甲状腺腫瘍におけるミトコンドリアDNAの分子の特徴
タイトル:放射線関連の甲状腺腫瘍におけるミトコンドリアDNAの分子の特徴
著者:ロゴウノヴィッチT. I., サセンコV. A., 清水・吉田有希、アブロシモフA. Yu., ルシニコフE. F., ロウミャンツェフP. O., 大津留晶、…山下俊一
典拠:国際会議シリーズ、1258、163-168頁、2003年11月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/S0531-5131(03)01151-8
キーボード:ミトコンドリアDNA、大規模欠失、一般的な削除、放射線関連甲状腺腫瘍
概要:ロシアのチェルノブイリの放射能汚染地域にかつて住んでいて甲状腺乳頭癌(PTC)および濾胞性腺腫(FA)を患っている成人患者、および日本のPTC患者の統制群の腫瘍および正常な甲状腺組織からのDNA試料を、ミトコンドリアDNA(mtDNA)含有量、共通の欠失(CD)および大規模欠失(LSD)の有病率について定量的に分析した。ほとんどの腫瘍組織ではmtDNAのレベルが上昇していた。調査された全ての試料においてCDおよびLSDが検出された。ミトコンドリアDNAにおけるLSDの量はほとんどの腫瘍組織において上昇していたが、特に試料の放射線関連グループにおいて顕著だった。またこのグループでは、PTCとFAの両方の腫瘍組織において、LSDの数と相対的なmtDNA含有量のレベルの間に高度に有意な正の相関があった。これとは対照的に、散発PTCではこの相関関係は発生しなかった。正常な組織試料は、相対的なミトコンドリアDNA含有量への負の相関に対して統計的に有意な傾向を示した。このように、LSDレベルおよびミトコンドリアDNA含有量の測定は、放射線関連および自発甲状腺腫瘍の分子を区別するために有用といえる。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0531513103011518
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