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ゴメリ州(ベラルーシ)の健康なおよび甲状腺腫瘍の影響を受けた子どもたちのリンパ球細胞における遺伝学的損傷

タイトル:ゴメリ州(ベラルーシ)の健康なおよび甲状腺腫瘍の影響を受けた子どもたちのリンパ球細胞における遺伝学的損傷

著者:ロベルトB., ゲミグナニF., モリッゾC., ロリA., ロッシA., アントネッリA., ディ・プレトロG., (…) バラルディンM.

典拠:変異研究/変異誘発の基本と分子機構、405(1)、89-95頁、1998年8月。

デジタルオブジェクト識別子:10.1016/S0027-5107(98)00118-3

キーワード:染色体異常、リンパ球、子ども、甲状腺腫瘍、電離放射線、セシウム137、チェルノブイリ

概要:1994年の間、チェルノブイリの放射性降下物によって最も汚染された地域の一つであるゴメリ州の腫瘍の影響を受けた19名の子どもたちと健康な17名の子どもたちを、(1)尿中のセシウム137の存在、(2)循環リンパ球における染色体異常(CA)について調査した。彼らをイタリアのピサの健康な35名の子どもたちと比較した。ゴメリ州の健康な統制群に比べ、腫瘍の影響を受けた子どもたちの尿中にはセシウム137が有意に高いレベル(p < 0.05)で見られた。ピサの統制群の尿中には放射能は全く見られなかった。ゴメリの統制群と比較して、腫瘍の影響を受けた子どもたちにおいてはCAの頻度が有意に高かったが、ゴメリの統制群とピサの統制群の間に有意な差は見られなかった。しかし二動原体染色体は、ピサの統制群( 細胞)に比べて、ゴメリの腫瘍の影響を受けた子どもたちおよび健康な子どもたちの双方において有意に高い比率(p < 0.01)で見られた。重回帰分析によって、非中心フラグメント、二動原体とリング染色体を持つ細胞の割合が、彼らの尿中に排泄されたセシウム137の量と有意に相関している(p < 0.05)ことが示された。これらの結果が示しているのは、ゴメリ州の子どもたちの放射性核種への被ばくがいまだ続いており、そのことによって線量効果関係の調査が可能となったということである。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0027510798001183

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