タイトル:ロシア放射線防護科学委員会報告「チェルノブイリ原発事故以降のロシアにおける甲状腺癌:国立放射線登録所データによる放射線リスクの評価」
著者: イワノフ V.K.
典拠:雑誌「放射線とリスク」 2010年 19巻 No.3
ВАК РФ: 14.00.00
キーワード:
概要:報告を検討した結果、当委員会は以下の決定をした:
-放射線登録所によるチェルノブイリ原発事故による汚染地域住民の甲状腺癌の放射線リスク測定作業を承認…..
URL: http://cyberleninka.ru/article/n/zaklyuchenie-rnkrz-po-dokladu-zabolevaemost-rakom-schitovidnoy-zhelezy-v-rossii-posle-avarii-na-chernobylskoy-aes-otsenka-radiatsionnyh
著者:A.K.グシコヴァ
典拠:Журнал неврологии и психиатрии им.С.С.Корсакова(S.S.コルサコフ神経学・精神医学誌)、2007
キーワード:神経学、精神医学
概要:被ばく者の神経疾患を評価する上で起きるエラーと困難は、主に実践において見られる。客観的な証拠と、一部の研究者達の知識の不足がこのことを証明している。また、環境に存在する多様な自然放射線や、本来人体に存在する放射性物質に関する教育が不十分で、人工的な影響を考える際に、これらの要素が考慮されていないケースが見受けられる。
URL: http://www.fesmu.ru/elib/Article.aspx?id=174907
著者:I.V.グリゴリエヴァ、S.A.イグムノフ
典拠:Медико-биологические и социально-психологические проблемы безопасности в чрезвычайных ситуациях(非常事態における安全の医学生物学的および社会心理学的問題)、2009
キーワード:心理療法、臨床心理学
概要:今日の心理療法と臨床心理学においては、疾患の内部描写が非常に重要である。甲状腺がんによって生活水準が著しく低下した人々においては、身体的、心理感情的、社会的に重大な変化が確認された。本研究は、患者集団に内在する問題を心理的・心理病理学的に観察し、彼らへの心理的支援策を講じるものである。
URL: http://elibrary.ru/item.asp?id=12977134
タイトル:小説「Worse Than Radiation」と7つの奇妙なチェルノブイリ物語
著者:ミルヌィS., ウィリアムスF.編、イリインI., カリニチェンコA., ミルヌィS., ウィリアムスF., イェヴメモフV.訳
典拠:ブダペスト:Bogar Kiado、2001年、77頁。
キーワード:チェルノブイリ、物語、小説、リクビダートル
概要:1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故後の数日、数週間、数か月間、チェルノブイリの破壊された4号炉を閉鎖し、周辺の田園地帯の除染を行う中で数知れぬ市民と軍人が放射能中毒に苦しみ、そして亡くなった。この無計画で危険な除染作業を直に目撃した人の中に作家、科学者、そして元小隊司令官Sergii Mirnyiがいた。彼の短編小説「Worse Than Radiation」は、細心の注意を払ってチェルノブイリ原子力発電所付近の放射性降下物を記録する偵察小隊の奮闘を描いた二部作である。プロパガンダで描かれるような英雄的リクビダートルの物語とは異なり、これは犠牲と無私の行為の物語ではなく、「ゾーン」の労働者の生活にありがちな日常的作業を描いた物語である。
URL:https://www.scholarworks.iu.edu/journals/index.php/aeer/article/view/2001/1972
http://www.mirnyi.arwis.com/book_1/content_hr_e.html
タイトル:チェルノブイリ原子力事故から25年後のソ連英雄神話との和解:Aleksandr Mindadzeの実存的アクション映画「イノセント・サタデー」の解釈
著者:リンドブラッドJ.
典拠: The Anthropology of East Europe Review、30巻、1号、2012年。
キーワード:ロシア、ウクライナ、ソ連、映画、反応、チェルノブイリ」、原発事故、Mindadze、イノセント・サタデー、英雄神話、実存主義、バフチン、存在の非アリバイ
概要:本論では、チェルノブイリ原発事故から丁度25年後に公開れた、ロシア人ディレクターAlexandr Mindadzeの長編映画「イノセント・サタデー」の分析を行う。ロシア語話者と非ロシア語話者のこの映画に対する反応の比較研究においては、チェルノブイリを「壮大な」歴史的、技術的事故としてではなく、それが人々の心と感情にいかに影響を与えたかという哲学的観点がロシア人の反応において主要なテーマとなっていたのに対して、非ロシア語話者の反応においては程度の差はあれ欠如していたことを明らかにした。こうした反応の分裂を踏まえ、さらにこの作品の解釈学的分析においてはソ連英雄のテーマを探求した。結論としては、Mindadze氏は「逃げない」ヒーローを描きつつ、「あなた自身からの逃避」の実存的不可能性を提示したのであり、こうしてアクション映画の定石のみならず、旧ソ連でいまだ政治的に激しい議論の対象となっているソ連英雄神話に異議を投げかけたのである。
URL:http://scholarworks.iu.edu/journals/index.php/aeer/article/view/2002/1965
タイトル:テキストとイメージにおける虚空―チェルノブイリへのアプローチ
著者:ジンクA.
典拠: The Anthropology of East Europe Review、30巻、1号、2012年。
キーワード:ドキュメンタリー(芸術作品)、(不適切な)比較、質問、パープレキシティ、無
概要:たとえわずかであっても、どうしたら最悪のシナリオである原発事故を芸術的に表現することができるか?チェルノブイリは作家、ビジュアルアーティストや映画制作者たちに等しく問題を提起した。事故後の最初の数日から数週間は万事多事多端だったが、今ではそこには生活や活動が欠けているかのようだ。それにも拘らず、ドキュメンタリー作家Jurij Ščerbakと Svetlana Aleksievich、写真家Robert Polidori、ドキュメンタリー映画監督Nikolaus Geyrhalterは、1986年4月26日の出来事とその結果をテキストとイメージに取り込むことができた。何より彼らが伝えるのは事故後を支配した衝撃や無力感である。モノローグを駆使し、影響を受けたものの孤立を強調し、ありがちな比較(例えば第一次世界大戦との)を覆し、慎重に計算された沈黙を通して存在の空虚を際立たせることで、彼らはそれを実現した。
URL:https://www.scholarworks.iu.edu/journals/index.php/aeer/article/view/2007
タイトル:目に残るチェルノブイリ:個人の記憶の基礎として神話と「チェルノブイリの子ども」の社会的虚数
著者:ボドルノヴァS.
典拠:The Anthropology of East Europe Review、30巻、1号、2012年。
キーワード:文化の神話化、社会の神話、チェルノブイリ事故、チェルノブイリの子どもたち、社会的記憶
概要:1986年のチェルノブイリ事故から5~7年経った頃、「チェルノブイリの子どもたち」を援助する社会的気運が放射性降下物の影響を受けたほとんどの地域で盛り上がり、欧米諸国における赤十字や国のチャリティーといった国際的慈善団体の存在によって加速した。「健康旅行」で外国を旅したベラルーシの子どもたち世代にとって、この活動は積極的な意味を持つと同時にトラウマともなる異文化体験であり、チェルノブイリ神話やサブカルチャーの成長を促した。ドイツ、フランス、イタリアを5度旅した著者の個人的記憶、ドイツやイタリアの旅についてインタビューされた友人や親戚による証言、並びに最大のロシア語圏ソーシャルネットワーク「Vkontakte」のオンラインコミュニティの内容を検証してみると、国内外の有力者から特別なケア(「人道的支援」も含め)の対象となったチェルノブイリ被害を受けた地域における生活のあらゆる面は、「ゾーン」の若い住民たちが「チェルノブイリの時代精神」を構築する上で大きな役割を果たしたチェルノブイリ神話に(程度の差こそあれ)基づいているといえる。
URL:https://www.scholarworks.iu.edu/journals/index.php/aeer/article/view/1994
タイトル:日常の悲劇:ベラルーシの歴史教科書におけるチェルノブイリ事故に関する集合記憶の「ペレストロイカ」
著者:ドゥドチクA., ファブリカントM.
典拠:The Anthropology of East Europe Review、30巻、1号、2012年。
キーワード:チェルノブイリ事故、ペレストロイカ、ベラルーシ、ディスコース、ナラティブ、生政治、集合記憶
概要:本稿は、「ペレストロイカ」という歴史的遺産のより一般的なナラティブの枠組み内におけるチェルノブイリ事故のベラルーシ人たちの集団記憶を構築するために歴史教科書の書き手たちが用いた漠然とした戦略に焦点を当てる。1995年から2011年の間の5つの中学校と9つの大学の関連する章におけるディスコースとナラティブの分析によって、一般的なナラティブの枠組みにおける2つの異なる漠然とした戦略が明らかになった。第一は、ベラルーシ人の遺伝子プールへの脅威としてのチェルノブイリという「臓器病説者」的ディスコースであり、それによってバイオパワーと生政治的ディスコースにおける民族主義の社会生物学的解釈が生まれる。この戦略は受動的被害者としての集合記憶という保護装置を浮き上がらせる。第二の対極にある戦略は、チェルノブイリ事故を先行する歴史的時間の結果というよりは初期状況の一つとして捉える見方で、懸命に困難を克服していく者のイメージを当てる。これらの戦略が共に歴史的連続性のひとつの形態としての悲劇の集合記憶を構築するのである。
URL: https://www.scholarworks.iu.edu/journals/index.php/aeer/article/view/1998
タイトル:大災害後の未来への図解ガイド
著者:フィリップスS. D., オスタシェフスキS.
典拠:The Anthropology of East Europe Review、30巻、1号、2012年。
キーワード:チェルノブイリ、プリピャチ、観光、活性化、風刺、視覚的人類学、ウクライナ
概要:本稿は、1986年に原発事故が起きたチェルノブイリ原発周辺30キロの除外ゾーンの一部を「活性化」するための、現実的および仮想的プロジェクトに関する風刺的考察である。この冗談めいた試みで明らかになったのは、汚染ゾーンの「再開発」および「搾取」のためのプロジェクトが、金、イデオロギー、記憶、ファンタジー、安全性、パワー、倫理、そして命そのものの価値といった多くのことに関わるということである。
URL: https://www.scholarworks.iu.edu/journals/index.php/aeer/article/view/2005
タイトル:政治的象徴、記念碑そして式典におけるチェルノブイリの余波:ベラルーシの大惨事の想起
著者:カスペルスキT.
典拠:The Anthropology of East Europe Review、30巻、1号、2012年。
キーワード:ベラルーシ、チェルノブイリ事故、原子力災害、記憶、政治
概要:チェルノブイリ原発事故からの健康および環境への被害がなお続いているにも拘らず、放射性降下物の被害を最も受けた旧ソ連の共和国であるベラルーシの現代の政治状況において、この悲劇的出来事はあまり重視されていない。大惨事に関する公の記憶の脆弱さを理解するために、本稿では、1990年代末までの野党勢力および州当局によって組織されたくつかの記念式典、そしてベラルーシにおけるチェルノブイリ事故に捧げられた記念碑の分析を行う。その結果、それらのさまざまな記憶の形が、この事故を諸々の国家的悲劇の中ひとつの悲劇という枠組みの中に押し込むことにより、あるいは政敵を攻撃し自身の力への願望を正当化する単なる手段としたことにより、あるいはできるだけ早く克服すべき対象と示唆することにより、その特異な意義を消し去ってしまったことが分かった。
URL: http://scholarworks.iu.edu/journals/index.php/aeer/article/view/2000