タイトル:チェルノブイリ原子力発電所、セミパラチンスク核実験場、および長崎周辺における人工放射性核種の電流濃度および推定されるセシウム137からの放射線線量
著者: 平良文亨、林田直美、ゴパルガナパチM. B., 永山雄二、山下俊一、高橋純平、グテヴィチA., カザウロフスキーA., ウラザリンM., 高村昇
典拠:放射線リサーチジャーナル、2010年12月24日。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1269/jrr.10104
キーワード:チェルノブイリ原子力発電所、実効線量、ガンマ分光法、放射線被ばくの効力、セミパラチンスク核実験場
概要:チェルノブイリ原発 (CNPP) 事故およびセミパラチンスク核実験場 (SNTS)の実験による現在の環境汚染と内部及び外部被ばくからの寄与を評価するために、各地域の食用キノコ、土壌における人工放射性核種の濃度をガンマ分光法で分析した。年間実効線量はセシウム汚染によって地域毎に算出した。算出されたキノコの摂取によるセシウム137の内部実効線量は、ゴメリ市(CNPP周辺)で1.8 × 10(–1) mSv/year (y)、 コロステン市(CNPP周辺)で1.7 × 10(–1) mSv/y、セミパラチンスク市で2.8 × 10(–4) mSv/y、長崎で1.3 × 10(–4) mSv/yだった。
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrr/advpub/0/advpub_10104/_article
タイトル:AMSおよびICP-MSによるチェルノブイリ30キロゾーンの土壌サンプル中のヨウ素129とヨウ素127濃度の測定
著者:サホーS. K., 村松康行, 吉田聡, 松崎浩之 リュームW.
典拠:放射線リサーチジャーナル、50(4)、325-332頁、2009年7月。
デジタルオブジェクト識別子:http://dx.doi.org/10.1269/jrr.08118
キーワード:チェルノブイリ土壌、ヨウ素129、AMS、ICPMS、ヨウ素
概要:大量の放射性ヨウ素同位体(主にヨウ素131、半減期=8日間)が1986年4月から5月にかけてチェルノブイリ原発(CNPP)事故によって放出された。ベラルーシ、ロシアおよびウクライナの汚染地域における子どもの甲状腺がんの増加は事故の際に放出された放射性ヨウ素によるものとされた。しかし、ローカル環境(例えば空気、植物、土壌)におけるヨウ素131のレベルに関する定量的データは不足している。この点に関して、ヨウ素131に対して一定の割合でCNPPから放出された長寿命のヨウ素同位体、ヨウ素129(半減期=1570万年)も、環境中のヨウ素131レベルを推定するために使用することができる。
URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19542689?dopt=Abstract
タイトル:セシウム137を中心とするスウェーデンにおけるガンマ放射線環境に関する研究
著者:アルムグレンS.
典拠:イェーテボリ大学、物理学科、2008年
キーワード:ガンマ放射線、セシウム、セシウム137、沈殿、遊走、現場沈殿、CDE、NWF、チェルノブイリ、土壌サンプリング、フィールド測定、線量測定、線量率、TLD、自然放射線、クリギング
概要:今日、環境中のガンマ線は主に自然に存在する放射性核種に由来するが、ある地域ではセシウム137といった人工放射性核種に由来している。核兵器(NWF)または事故による放射性降下物といった場合における人口の被ばくを評価するために、環境における外部ガンマ線と放射性核種濃度の知識とモニタリングは重要である。この目的で、スウェーデン西部に34のサンプリングサイトを設置し、土壌サンプリングと現場のガンマスペクトロメトリーを繰り返し、線量率の測定を行った。異なるサンプリングによる放射能の変化がきわめて大きいことが分かった。自然発生による放射線核種が屋外の線量率の主な源であった。ウランとトリウムの崩壊系列は同様に総線量に貢献していたが、カリウム40に由来するものがやや高かった。
URL:https://gupea.ub.gu.se/handle/2077/17691
タイトル:チェルノブイリ事故後の放射性降下物によって誘発されたスウェーデンにおけるがん
著者:エクマンM., モベルグL., ステンケL., リューエンソーンR., ライツェンシュタインP.
典拠:ヨーロッパがんジャーナル、29(別冊6)、S124頁、1993年1月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/0959-8049(93)91301-Z
キーワード:スウェーデン
概要:…肺がんの発生率点。こうして、闘い…試験患者点。676 チェルノブイリ事故後の放射性降下物によって誘発されたスウェーデンにおけるがん。エクマン…ストックホルム。1317…甲状腺摂取…1986年4月のチェルノブイリ原発事故…がんに関する問題の増加…。抗新生物薬…
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/095980499391301Z
タイトル:コメント:国際共同研究からの教訓
著者:長瀧重信
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/S0531-5131(01)00599-4
キーワード:国際共同研究、甲状腺がん、国民の理解、長崎大学、放射線影響研究所
概要:本稿では、チェルノブイリ原爆事故後の小児の甲状腺がん調査における私個人の経験を述べる。私の経験がスタートしたのは、日本核医学会会長だった1987年のことで、シンポジウム「放射線と甲状腺」を開催し、そこではチェルノブイリ事故の健康への影響についてヨーロッパ甲状腺学会(ETA)の専門家によって報告された。1990年には私はIAEAプロジェクトとチェルノブイリ笹川保健医療協力プロジェクト、続いてWHO / IPHECAプロジェクト、さらに日本外務省のプロジェクトに参加した。1992年には、欧州共同体委員会、被爆者の医療ケアのための長崎会(NASHIM)、放射線被ばく健康ケアのための広島国際協議会(HICARE)のメンバーとして、最終的には放射線影響研究所(RERF)理事長として参加した。
各プロジェクトの結果の説明に加え、チェルノブイリ事故の健康影響に関する科学的調査の結果が要約され、科学的な結果と国民の理解との間のギャップが論じられよう。最終的には、人類の利益のために科学的知識を進化させるような研究テーマが示されるであろう。
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0531513101005994
タイトル:北スウェーデンにおける地域的がん発生率総計の増加はチェルノブイリ事故によるものか?
著者:トンデルM.
典拠:[PDF-43K]、2008年5月。
キーワード:
概要:欧州におけるチェルノブイリ事故の影響への懸念は幼少時の悪性疾患、特に被ばく後の潜伏期間が短いとされる白血病に向けられている。いくつかの研究は旧ソ連の外部で行われたが、いずれもチェルノブイリ事故の放射性降下物との明確な関係を示さなかった。しかし、ギリシャ、ドイツおよびウクライナにおいては、胎内被ばくした子どもたちの白血病のリスクは上昇している。ウクライナからの最近の研究では、チェルノブイリの放射線による被ばく後の成人の白血病の増加が報告されている。ベラルーシ、ウクライナおよびロシア西部では、事故に由来する子どもにおける甲状腺癌の発生率が劇的に増加している。ヨーロッパのほかの地域でも甲状腺がんの同様の増加が成人の間で見られている…
URL:http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr139/pdf/tondel.pdf
タイトル:原子力部門における放射線防護システムの最適化の概念:個々の癌リスクの管理および標的医療の提供
著者:イヴァノフV. K., ツィプA. F., アガポフA. M., パンフィロフA. P., カイダロフO. V., ゴルスキA. I., マクショウトフM. A., (…) ヴァイゼルV. I.
典拠:放射線防護ジャーナル、26(4)、361-374頁、2006年12月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1088/0952-4746/26/4/001
キーワード:
概要:本報告では、ロシアの原子力労働者に対する標的医療の提供について、がんリスクの放射線疫学的推定に基づいて検討した。1950年~2002年の間に個人の線量モニタリングの対象となったフィジカルパワーエンジニアリング研究所(世界初の核施設)の労働者の癌発生率について分析を行った。固形がんの過剰相対リスクの値はERR Gy−1 = 0.24 (95% CI: −4.22; 7.96)であることが分かった。個人の線量モニタリングの対象者の81.8%が、5%以内の潜在リスクを持っており、10%以上のリスクを3.7%の労働者が示した。検出された癌症例のうち73.5%が5%までのリスクを示しており、3.9%の労働者についてはリスクが10%を超えていた。任意の健康保険による標的医療を提供するための原則について概説した。
URL:http://iopscience.iop.org/0952-4746/26/4/001/
タイトル:治療用放射線の後の固形癌─最もリスクのある患者を予測することができるか?
著者:トーマスG. A.
典拠:臨床腫瘍学、16(6)、429-434頁、2004年9月。
デジタルオブジェクト識別子:10.1016/j.clon.2004.04.008
キーワード:ポストチェルノブイリ甲状腺癌、ホジキン病、一塩基多型
概要:…チェルノブイリ後の小児の甲状腺がん…。チェルノブイリ後甲状腺がんの分子生物学の研究は…諸研究を非常に促進した。チェルノブイリ後の甲状腺がんに関する初期研究の報告によれば、高い…
URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0936655504001578
タイトル:ベラルーシのチェルノブイリの被害者に関する疫学研究の現状
著者:マツコV. P.
典拠:[PDF-101K]、2002年8月。
キーワード:
概説:本報告は、科学研究機関および保健省の諸機関で公表されたデータに基づいて、チェルノブイリ原発(ChAPS)事故の後遺症についてのベラルーシの疫学研究の結果を分析したものである。共和国内における被災者のための衛生対策の特別なシステムおよびその統計結果により、この集団の異なるコホートの年間の罹患率と死亡率のデータを取得できた。被災者および共和国の全人口の健康は共に、個々の行動、医療や衛生状況と関わる経済的、環境的(すなわち自然と社会中の)要因の影響を受けている。被害を受けた人々の間で発病率が高いことは、ある程度、ChAPS事故のみによるのではなく、衛生システムが確立され、診断の質が改善されたことによって説明することができる。一方、算定されたデータは長期観察、傾向の評価、さらなる研究における優先度の方向の選択の基礎として重要である。算定された資料は、共和国の人口、特にChAPS事故による被災者の健康状態の悪化を示している。被害を受けた人々における高い病気の発生率(総人口の5分の1を占める)によってベラルーシ全体の罹患率が増加していることは疑いない。
URL:http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr21/kr21pdf/Matsko2.pdf
タイトル:チェルノブイリ後の放射線誘発甲状腺癌の臨床経験
著者:ライナーズC.
典拠:遺伝子、ISSN 2073-4425、http://scirus.com/srsapp/sciruslink?src=web&url=http%3A%2F%2Fwww.mdpi.com%2F2073-4425%2F2%2F2%2F374%2Fpdf、[PDF-268K]、2011年5月。
キーワード:チェルノブイリ、子ども、甲状腺がん、進行した段階、治療、予後
概要:甲状腺がんを発症するリスクは外部または内部の放射線被ばく後、特に10歳未満の子どもたちにおいて、著しく増加する。チェルノブイリ原子炉事故後、ベラルーシの小児期の甲状腺がんの年間発生率は、事故前には100万人中約0.5人だったのに対して、女子100万人中約40人、男子100万人中約20人にまで増えた。一般的に、放射線被ばく後の甲状腺がんの子どもたちの約95%に乳頭がんが、約50%に甲状腺カプセル外に成長している浸潤性腫瘍が、約65%に節転移リンパが、約15%に遠隔転移が見られた。1993年4月に始まった、手術と放射性ヨウ素治療を併用するベラルーシ・ドイツ協力プロジェクトは、チェルノブイリの放射性降下物に被ばくし、進行した段階の甲状腺がんを患うベラルーシの子どもたち237人の子どもたちで組織された。研究グループには141人の女子と96人の男子が入った。事故時の彼らの平均年齢は1.7歳で、診断時の平均年齢は12.4歳だった。濾胞組織学の2例を除き、大多数の患者は甲状腺乳頭がんと診断された。63%は、腫瘍は甲状腺カプセルの外に成長し、首の組織に侵入していた(pT4)。対照となったほぼ全てのケース(96%)でリンパ節転移(pN1) が見られ、患者の43%で主に肺への遠隔転移(pM1)が見られた。58%の子どもたちにおいて、甲状腺癌の完全寛解は2010年12月31日までに達成され、34%において安定した部分寛解が、残りの8%では部分的寛解が見られた。チェルノブイリ原子炉事故の影響を受けた小児および青年において、放射線誘発甲状腺がんのリスクは大幅に増加した。青少年における甲状腺がんは高齢患者におけるよりも活動が活発であるという事実にも拘らず、甲状腺摘出、放射性ヨウ素治療と甲状腺ホルモン補充との併用治療の結果は優れたものだった。
URL:http://www.mdpi.com/2073-4425/2/2/374/pdf