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タグ「木材汚染」

チェルノブイリで汚染されたヨーロッパアカマツ(Pinus sylvestris L.)のプランテーションの年代系列における放射性セシウム循環のプロセス、ダイナミクスおよびモデリング

タイトル:チェルノブイリで汚染されたヨーロッパアカマツ(Pinus sylvestris L.)のプランテーションの年代系列における放射性セシウム循環のプロセス、ダイナミクスおよびモデリング

著者:グーアF., ティリY.

典拠:Science of The Total Environment、325巻、1-3号、2004年6月5日、163-180頁。

DOI:http://dx.doi.org/10.1016/j.scitotenv.2003.10.037

キーワード:森林の生物学的サイクリング、年次フラックス、循環、チェルノブイリへの影響、森林汚染、放射性セシウム移動のモデリング

概要:チェルノブイリの放射性降下物の影響を受けた、特にCIS内の大規模森林地域の樹木による放射性セシウム(セシウム137)の持続リサイクルは木質製品の長期的な汚染源となっている。汚染された森におけるセシウム137のダイナミクスの定量的説明は、こうした地域の予測モデルと更なる管理ための前提条件となっている。三種(17、37および57歳)の同齢で単一特異性のヨーロッパアカマツのスタンドを、十分なクロノシーケンスを構成するためにベラルーシ南東の汚染森林で選定した。各スタンドの生物学的サイクルに関与したカリウムと放射性セシウムの年間フラックスを、文書で十分に裏付けられた計算方法で測定した。定性的には、セシウム137は木の内部でKと同じ経路を介して急速にリサイクルされること、木の構成要素間でも同様に再分配されることが分かった。Kに比べて、毎年決まった取り込みの約半分に相当するセシウム137の高い割合は多年生器官に固定化されていた。木の生育に伴い、トランク木材や樹皮はバイオマスの増加プールを表すために、セシウム137の優勢なシンクとなっている。マツのクロノシーケンスで、現在のルート吸収は土壌中のセシウム137層をそれぞれ年に0.53、0.32、0.31%-1動態化する。セシウム137取り込みの変化はスタンド間のセシウム137のバランスの差異を反映していない。2つのより年齢の高いスタンドでは、現在の木の汚染の51および71%は、最初の放射性降下物のインターセプションやリサイクル後の初期の堆積に関係している。土壌は長期的な木の汚染の主な原因である。測定されたセシウム137フラックスに基づく簡単なモデリングが示しているのは、年齢の若いスタンドでは放射性が崩壊・補正された汚染はセシウム137堆積から25年後に最大となり、その後安定化するだろうということである。幹材は堆積から15年後に最大値を示し、放射性崩壊を経た後は主に減少する。その他のスタンドでは、木材中のセシウム137レベルが極大化することなく除染がコンスタントである。木の構成要素のセシウム137汚染は、ルートの取り込み、内部移行および固定化といったさまざまな影響力あるプロセスの結果である。より正確な予測のため、既存モデルのキャリブレーションは、セシウム137の年間フラックスの代わりに、単純な伝達因子係数と比較することによって恩恵を受けるであろう。他の用途としては、重金属と同様に他の放射性核種にもそのようなデータが必要とされている。

URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969703006454

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