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タグ「放射線」

局所放射線傷害の結果:チェルノブイリ事故後14年の追跡調査

タイトル:局所放射線傷害の結果:チェルノブイリ事故後14年の追跡調査

著者:ゴットレバーP., シュタイナートM., ワイスM., ベベシコV., ベールイD., ナデジナN., ステファニF. H., ウェジメカーG., フリードナーT. M., ピーターR. U.

典拠:Radiation Research、155(3)、409-416頁、2001年。

DOI: http://dx.doi.org/10.1667/0033-7587(2001)155[0409:TOOLRI]2.0.CO;2

キーワード:放射線病、放射線障害

概要:1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故は原子力の平和利用の歴史上最大の事故であった。事故の際中もしくは事故直後に放射線に被ばくしたと最初に疑われた237名のうち、急性放射線病の診断(ARS)は臨床症状に基づいて134人のケースで確認できた。それらのうち、54名の患者は様々な程度の皮膚の放射線症候群(CRS)を患った。事故による放射線被曝の結果死亡した28名の患者中、骨髄不全による急性造血症候群による死亡は少数だった。これらの28件の死亡中16件の主な死因はCRSによるものだった。本報告では、特徴的な皮膚の後遺症および関連する臨床症状と、本グループが1991年~2000年の間に組織的追跡調査を行った深刻な局所放射線被ばくを負ったチェルノブイリ事故の15名の生存者の病状を取り上げた。全ての患者が様々な重症度の乾燥症を伴うCRS、皮膚の毛細血管拡張症と爪下スプリンター出血、血管腫およびリンパ管腫、表皮の萎縮、播種性角化症、一部の潰瘍を伴う広範な皮膚および皮下線維症、放射線黒子などの色素変化を示した。驚くべきことに、大量の放射線被ばくを受けて角化症が進んだ部分の皮膚悪性腫瘍はこれまでに検出されてない。しかし、2人の患者は1999年に初めて、低度に被ばくした首筋と右下まぶたに基底細胞癌を発症した。追跡調査期間中、1995年に骨髄異形成症候群、1998年に急性骨髄性白血病によって2名の患者を失った。ドライアイ症候群(3/15)、放射線白内障(5/15)、口腔乾燥症(4/15)、不妊治療の障害を示すFSHレベルの増加(7/15) といった他の放射線誘発性疾患も報告された。独自の被ばくパターンを持つ患者コホートの臨床経過を14年間分析してきた本調査によって、原爆被爆者のみならず局所放射線障害を負った後にも、一生涯とまではいかなくても、長期の追跡調査が必要であることが明らかとなった。

URL:http://www.bioone.org/doi/abs/10.1667/0033-7587%282001%29155%5B0409%3ATOOLRI%5D2.0.CO%3B2?prevSearch=chernobyl&searchHistoryKey=&queryHash=05c5bf600dfdc400aa01511958fb5e34

慢性的にチェルノブイリ放射性降下物に被ばくしている小型哺乳類における放射線損傷の世代間蓄積

タイトル:慢性的にチェルノブイリ放射性降下物に曝露している小型哺乳類における放射線損傷の世代間蓄積

著者:リャボコンN. I., ゴンチャロヴァR. I.

典拠:Radiation and Environmental Biophysics、2006年9月、45巻、3号、167-177頁。

DOI: 10.1007/s00411-006-0054-3

キーワード:放射線、蓄積、哺乳類、チェルノブイリ放射性降下物

概要:本調査の目的は、チェルノブイリ事故後10年間、22世代に渡って電離放射線の低線量に慢性的に被ばくしてきたモデル哺乳動物種であるハタネズミ(Clethrionomys glareolus, Schreber)の自然の個体群における生物学的損傷の長期的発展の分析である。生物学的エンドポイントの時間経過(骨髄細胞や胚性致死性染色体異常)を、放射性核種の地上沈着が異なるベラルーシの複数のモニタリングサイトに住む研究対象の個体群における外部および内部被ばくからの全身吸収線量率の時間経過と比較した。染色体異常の収率、そしてより低い程度の胚死亡率は用量依存的様式においてモニタリング領域の放射性核種汚染と関連していた。低線量率の照射下における生物学的損傷の長期的発展の主な特徴として、染色体異常レベルの恒久的上昇と胚致死頻度の増加が22世代に渡って見られた。このことは、同期間に約2.5〜3年の半減時間があると共に全身吸収線量率は指数関数的に減少するので生物学的損傷は次第に消えるという仮説とは対照的である。さらに妊娠したメスを捕獲し、汚染のない実験室条件下でその子どもたちを育てたが、それらも同様の高いレベルの染色体異常を示した。したがって、観察された細胞と全身作用は、各動物個体の被ばくに起因する生物学的損傷と共に、遺伝的および/またはエピジェネティックな経路を介した前世代の慢性的な低線量率被ばくによる損害の世代間伝送および蓄積を反映しているものと考えられる。また調査した個体群における累積伝染損傷のレベルは、慢性曝露の今後の減少および選択プロセスの結果として将来的には減少すると考えられる。

URL:http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00411-006-0054-3

事故後1年目にチェルノブイリ地方でみられた農作物への細胞遺伝学的影響

タイトル:事故後1年目にチェルノブイリ地方でみられた農作物への細胞遺伝学的影響

著者:ゲラスキンS. A., ディカレフV. G., ジャブリツカヤY. Ya., オウダロヴァA. A., スピリンY. V.

典拠:Всероссийский Научно-Исследовательский Институт Сельскохозяйственной Радиологии и Агроэкологии(全ロシア農業放射線・アグロエコロジー科学研究所)

キーワード:細胞遺伝学的効果、放射線、農業植物、事故後1年目、ベラルーシ

概要:1986年のチェルノブイリ原発事故の放射性降下物による放射能汚染の農作物への細胞遺伝学的影響に関する研究

URL:http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr79/kr79pdf/Geraskin.pdf

放射線の人体影響~原爆,チェルノブイリ,福島~

タイトル:放射線の人体影響~原爆,チェルノブイリ,福島~

著者:朝長 万左男

所収雑誌名:臨床血液, Vol. 52 (2011) No. 10 P 1740-1747

DOI: http://dx.doi.org/10.11406/rinketsu.52.1740

キーワード:急性放射線症候群, 放射線誘発白血病, チェルノブイリ,福島

URLhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/rinketsu/52/10/52_10_1740/_article/-char/ja/

生物多様性と生態系サービスに対する原子力事故の影響

タイトル:生物多様性と生態系サービスに対する原子力事故の影響

著者:フォン・ウェーデンH., フィッシャーJ., ブラントP., ワグナーV., クマラーK., クメルリT., ナゲルA., オルソンO., ホスタートP.

典拠:Conservation Letters、5巻、2号、81-89頁、2012年4月。

DOI: 10.1111/j.1755-263X.2011.00217.x

キーワード:セシウム、チェルノブイリ、原子炉のメルトダウン、原子力エネルギー、放射線

概要:原子力エネルギーは電力需要の潜在的解決策であるだけでなくリスクを伴う。原子力事故の政策論争は主に人間に対する負の影響に焦点を当てたものであった。そうした影響は重要であるが、政策論争も生物多様性と生態系サービスへの影響を考慮する必要があると考える。史上最悪の原子力事故であるチェルノブイリ事故後行われた521件の調査結果を入手した。事故後20年以上たっても、高架放射線レベルはメルトダウン地点から数千キロ離れたところでさえも種の多様性に爪痕を残している。原子炉近くでは、生理学的および形態学的変化が発生した。水、土壌、野生の食物供給の汚染を含め、生態系サービスへの悪影響が観察された。原子力エネルギーに関する通知政策決定は、生物多様性と生態系サービスへの影響を含む、事故の影響への深い理解を求めている。本報告に基づき求められるのは、(1)生物多様性と生態系サービスへのリスクを政策論議に完全に組み込むこと、(2)そのようなリスクに対応するコヒーレント情報網の開発、(3)起こりうる事故に対して用いる積極的計画的戦略の準備、(4)原子力事故の生物多様性と生態系サービスへの影響に関するコヒーレント研究課題の開発、である。

URLonlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1755-263X.2011.00217.x/abstract

チェルノブイリ自己清算人のリンパ球に見られる染色体異常 事故から6~10年を経て

著者:Natalia Slozina, Elizaveta Neronova, Tatiana Kharchenko, Alexey Nikiforov

Reference: Mutation Research/Fundamental and Molecular Mechanisms of Mutagenesis (変異研究/変異原生の基本波的・分子学的メカニズム) 第379巻, 第2号, 1997, 121–125項

キーワード:リクヴィダートル、染色体、小核

概要:チェルノブイリ事故清算人においては、コントロールグループ(対照群)と比較して、末梢リンパ球内の染色体異常を示す指標が著しく高かった。小核テストにおいては、清算人郡と対照群の間に差異は確認されなかった。染色分体交換の発生率の向上は、清算人の喫煙と関連がある。

URLhttp://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0027510797001139

チェルノブイリ清算人のリンパ球における染色体の損傷、非相互転座、及びクローン異常の分布

著者: Kirby L Johnson, Joginder Nath, Janice M Pluth, James D Tucker

典拠: Mutation Research/Genetic Toxicology and Environmental Mutagenesis (変異研究/遺伝毒性学と生態変異原生),  第439巻, 第1号, 1999, 77–85項

キーワード:染色体転座、クローン

概要:チェルノブイリ清算人と健康体群における、染色体の転座および付着と末梢血リンパ球のサイズとの関連性を比較研究した。我々の研究は、異常細胞のクローンと非相互転座が、放射線起因性ならびに自然発生性の細胞遺伝的損傷の不均一な分布を誘引するものであることを解明した

URLhttp://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1383571898001776

硬骨魚の生殖器系に対する放射線の影響 – チェルノブイリ事故の余波

著者:ビェロヴァ N.V.
典拠:モスクワ、2008
キーワード:魚類学、生殖器系、硬骨魚、セシウム137、ストロンチウム90、水体

概要:本研究において、チェルノブイリ事故によって放出されたセシウム137とストロンチウム90が、様々な水体に分布する多種の硬骨魚の生殖器系に与える影響を包括的に評価する。

URL:http://www.dissercat.com/content/radiatsionnoe-vozdeistvie-na-vosproizvoditelnuyu-sistemu-kostistykh-ryb-posledstviya-cherno-0

ヨーロッパにおける健康への影響の包括的評価-チェルノブイリから20年

Title: A COMPREHENSIVE EVALUATION OF HEALTH EFFECTS IN EUROPE– TWO DECADES AFTER CHERNOBYL

Author: Seidel C., Maringer F.J., Bossew P

Reference: Proceedings series, Mar 2008, 260 p, IAEA, Vienna (Austria), International conference on Chernobyl: Looking back to go forward, Vienna (Austria), 6-7 Sep 2005

Keywords: Chernobyl, environmental contamination, radioactivity, radiation activity, radiation exposure, health consequences, cancer

Abstract: This report sums up radioactive environmental contamination due to the Chernobyl accident in 1986 in various regions all over Europe (Ukraine, Belarus, Russia, Sweden, Austria and Greece). Most of the radionuclides released with the reactor accident possess short-lives (e.g. 131I) of a few hours or several days and weeks or were deposed in low quantities (e.g. 90Sr). So the main focus was put on 137Cs, because this radionuclide has a long half-life (30 a), is measurable till this day and gives a presentable view of radiation exposure in contaminated regions. The decrease of 137Cs activity concentrations in soil, surface water, foodstuffs and air was shown in the course of time. The comparison of radioactive environmental contamination shows, that the 137Cs-activity concentration in nearly all media has decreased faster than the physical half-life. Part of this elaboration was also to describe the contribution of the reactor accident to the radiation exposure of selected population groups in the last 20 years. The second part of the report follows a valuation of European studies, which are linked to late health effects of the Chernobyl accident specially thyroid cancer, leukemia and other solid tumors. These studies has been discussed and evaluated. Only in countries with the highest impact like Ukraine, Belarus and Russia, an increased number of infant thyroid cancer has been observed but up to now no increases in leukemia or malignant deceases in this or other European countries can be detected

URL: http://www.colloquium.fr/06IRPA/CDROM/docs/P-040.pdf

放射線の状況とその社会的、そして心理学的な側面

Title: Radiation condition and its social and psychological aspects

Author: V.P.Antonov

Reference: Publication of “Knowledge” Society [общество “Знание”] of the Ukrainian SSR, 1987

Keywords: radiation, social aspect, psychological aspect, liquidation

Abstract: As a result of the accident at the Chernobyl nuclear power plant a situation was developed that was unique in its scale and also in its historical experience, to which psychologically unprepared were not only the general public but also many experts, scientists, leaders.

URL: http://pripyat-city.ru/books/102-radiacionnaya-obstanovka.html

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